ソーシャルメディアウィーク東京2014【まとめ1】8bitNews堀さんが実践する『新しいメディア』がかなり勉強になる!

2014/02/20

ソーシャルメディアウィーク東京2014 メディア

今週2月17日から一週間、ソーシャルメディアに関する大規模イベントソーシャルメディアウィーク東京2014が開催されています。


今回の記事ではこちらのカンファレンスから、メディアイノベーションオープニング講演 「新しい時代と新しいメディア」について、簡単にラボ向けにまとめました。


新しいメディア・ソーシャルメディアの新たなあり方について、非常に興味深いお話でしたので、是非ご参考になさってください。


「新しい時代と新しいメディア」


登壇者:堀 潤さん


8bitNews CEO & Founder



8bitNewsは、誰もがSNSを通じて情報発信者となれる今、「市民の発信した情報」を記事化し速報で発信するメディアです。


ソーシャルメディアとマスメディアの現状


先日の大雪で被害を受けた山梨県について


『テレビはどうしてもっと雪の報道をなぜしないの?』という声があがる


・報道はしているが、マスメディアは視聴者が『見たい』と思った時に見たいモノを見られるとは限らない


インターネットの強み・マスメディアの弱み


ソーシャルメディアは情報を打ち返す時間が早いが、マスメディアは刻々と変化する状況についていけず、リアルタイムに情報を打ち返せない


  ⇒せっかく取材しても、報道が遅くかえって不信感を募らせる


8bitNewsが実践する『新しいメディア』


現場に居る市民が一次情報発信者になる


8bitNewsがインターネットを使いニュースを発信した例


山梨県の大雪で、ホテルに閉じ込められた学生がiPhoneで動画を撮影


 ⇒8bitNewsが届いた動画を編集し、速報記事を配信



記事:『山梨県富士河口湖町のホテルで宿泊客100名以上が孤立』


8bitNewsの記事がネット上で話題を呼ぶ


・他ニュースメディアでも出す(例:Yahooニュース・ハフィントンポスト)


市民にしか撮れない貴重な情報も届く


『自衛隊がスキーを履いてきてくれた』という動画が同じ人から届く


 ⇒8bitNewsが速報記事化


▼真ん中に写る人影がスキーを履いて救助に来た自衛隊員です


記事:【速報】山梨県富士河口湖町のホテルに自衛隊が到着


テレビには生み出せないニュースを速報配信することに成功


現場に居る人しか撮影できない、ストーリー性が極めて高く価値の高い情報(映像)を使ったニュースとなる


インターネットとマスメディアの関係


これまでは、インターネットとマスメディアの関係は平行線であった


 ・マスメディア:インターネット上の情報の信憑性に懐疑的


 ・インターネット:マスメディアに対する不信感(報道内容など)


⇒それなら、お互いが橋渡しとなれば新しい形を生み出せるのではないだろうか


インターネットとマスメディアの『協力』


市民が『リポーター』に


▼スーパーには野菜・果物が並んでいる状況を伝えています


8bit Newsより:「陸の孤島」深刻な雪害を受けた山梨県北杜市のいま そして都留市では食料品の値上げも


・上記の記事も、市民が撮影した動画を記事化したもの


コンビニは商品が届いておらず、地元の商品中心のスーパーの商品は生き残っているという、貴重な情報を配信


インターネットとマスメディアの『協力』でできること


・市民が『リポーター』として取材に行けない情報を提供し、専門の『ジャーナリスト』が、『リポーター』の提供した情報を分析できる


・テレビにはYoutube何十万回再生を遥かにしのぐ強力なリーチがある


・当事者がYoutube配信をしているという事実は情報の信憑性を高める


⇒つまり、素材を共有しながらお互いの持っている強みを活かすことで、新たなコンテンツが生み出せる


海外のインターネットを活用したメディア


CNN iReportがインターネットとメディアの融合の先駆け


オバマ大統領の大統領選ではFacebookとIT会社と提携


 ・Facebookのメタデータを使い、ディベート直後に優劣を表示


 ・SNS上で誰のコメントがどの状況でどのぐらいの人がシェアしたのか


  ⇒男性が多い、中間層が弱い、などのメタデータも取得


アルジャジーラインタラクティブ



SNSデータを瞬時に解析してインフォグラフィックスを作るチームが居る


 ⇒データを流用してテレビで放映する


『新しいメディア』の結論


 ・一次情報を持ったリポーターたちと専門知識を持つジャーナリストを擁するマスメディアが一緒に仕事し、新しい形のコンテンツを生み出す


 ・現物の写真だけでなく、リポーターたちの属性(メタデータ)を分析する


今後メディアはどうなっていく?


 ・情報の『受け皿になるモノ(デバイス)』が進化する(ウェアラブルなど)


 ・『受け皿』によってコンテンツが変わる


 ・ネット(デジタル)vsトラディショナル(紙)という垣根はなくなってくる


ラボ編集長コメント


ソーシャルメディアウィーク東京2014より、8bitNews堀さんの『新しい時代と新しいメディア』をまとめました。


インターネットやソーシャルメディアは、人と人とを繋げてくれるものだと認識していましたが、堀さんのお話を聞いて、インターネットは横と横の繋がりだけではなく、社会全体と一市民という、もう一次元先の関係も繋ぐものになるポテンシャルを秘めている、または既になっているのだと感じました。


8bitNewsさんの例でも、インターネットは一方的な情報発信ツールではなく、一市民とメディアが対話をし、より一市民と社会との繋がりを深める架け橋となっています。


SNSの企業活用の視点から見ても、やはりインターネット・ソーシャルメディアの持つ『世界中のどこの誰とでも対話できる』という点が、あらためてとても大事だと思いました。




以上、『ソーシャルメディアウィーク東京2014【まとめ1】8bitNews堀さんが実践する『新しいメディア』がかなり勉強になる!』でした。


この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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