YouTube広告ってなんでスキップできないの?実は3種類あった広告の仕組みと課金システム。
テレビを猛追するYouTube!
- ■目次
お茶の間をYouTubeが占拠する日はくるか?
●日本全人口の約42%が利用しているYouTube
●YouTube独自の広告配信形式であるTrueView広告
●TrueView広告とは何か?
1. インストリーム広告
2. インサーチ広告
3. インディスプレイ広告
●まとめ
日本全人口の約42%が利用しているYouTube
2006年に一般向けにサービスが開始されたYouTubeも、最近では企業が公式にプロモーション利用していたり個人が自分のスキルや特技を宣伝するのに使っていたりと、幅広いユーザー層に認知されてきました。
少し前ですが、2013年2月に発表された調査によるとYouTubeの視聴者数は5,078万人とされています。日本の人口が約1億2000万人であることを考えると、全人口の約42%がYouTubeを利用していることになりますね。
元々YouTubeとは、You(あなたの)Tube(ブラウン管)という意味があり、まさにそれを体現していると言えるでしょう。
圧倒的なテレビの普及率
以下のグラフを見ると、テレビ普及率は約93%。日本に住むほぼ全員がテレビを所有していることになります。圧倒的ですね!
普及率42%のYouTubeはまだまだテレビにはかないませんが、宣伝媒体として、広告収入を得る手段として十分に機能する数字ではないでしょうか。企業などが積極的にYouTubeを利用する意味が理解できます。
初めてアップロードされた動画って?
ちなみにYouTubeni初めてアップロードされた動画は「Me at Zoo.(動物園にいる私)」という作品で、YouTube創始者のひとりであるJawed Karim氏によるものだと言われています。
決しておもしろい動画ではありませんが、実験的に試みた感が強く出ていて、ここからYouTubeは始まったのかと思うと感慨深いものがありますね。
YouTube独自の広告配信形式であるTrueView広告とは
公式にプロモーションとして利用されることが増えるにつれ、YouTube広告の種類も増えてきました。みなさんも動画再生前にスキップできない広告が表示されてイライラしたことはないでしょうか?私は正直よくイライラしています。
しかしそれに伴って、YouTube広告がどういう仕組みで配信されているのか、広告利用者側の目線に立つとどんなメリットがあるのかについて気になってきたので、種類と効果について調べてみました。
YouTube広告の種類
YouTubeで利用できる広告には以下の種類があります(2014年8月現在)。
- TrueView(トゥルービュー)広告
- インストリーム広告
- インサーチ広告
- インディスプレイ広告
- 一般的なWeb広告
- バナー広告
- ディスプレイネットワーク広告
YouTubeを利用していて気になるのは、やはり独自の広告配信形式であるTrueView広告だと思いますので、今回はこちらについてまとめてみました。
TrueView広告とは何か?
コンテンツ連動型の動画広告
TrueView広告とは、Googleが運営するYouTube内に表示される動画広告形式の名称です。
ユーザーが動画をキーワード検索した際や視聴する前に表示されるのが基本的なスタイルで、ランダムに広告が表示されるわけではなく、ユーザーの属性・興味・関心などを判断して適切な広告が表示されます。
※TrueView広告とは、あくまで「動画」広告の名称なので、YouTube画面に表示されている画像によるバナー広告などはTrueView広告ではありません。
TrueView広告の最適化された広告課金システム
広告主側にある大きなメリットのひとつに、広告がクリックされたり一定時間視聴された場合にしか広告料が発生しないことが挙げられます。費用対効果の面で大変ありがたいシステムなんですね。
ちなみに気になる視聴単価についてですが、入札によるオークション制によって単価が決まるため明確な数字は出すことができません。相場は大体10〜30円とされているので、あくまで参考程度にとお考えください。
それでは3種類のTrueView広告について解説していきましょう。
3種類のTrueView広告
1. インストリーム広告
「インストリーム広告」とは、動画を視聴する前に表示されるもので、「5秒後にスキップ」と出る広告です。広告再生中の5秒間は絶対に飛ばすことができません。
5秒のカウントダウン後にスキップボタンが表示され、飛ばすかどうかユーザー側は選択することが可能です。このインストリーム広告はおそらくユーザーが一番目にする動画広告ではないでしょうか。
課金のタイミングと動画広告の長さ
5秒でスキップされた場合など、30秒以上視聴されなければ広告料が発生しない仕様のため、広告主側は効果的に出稿することが可能なのが一番のメリットですね。
また、一応YouTubeとしては3分未満の動画広告を推奨しているようですが、動画の長さに制限は設けられていません。ちなみに30秒未満の動画の場合は、その動画が最後まで視聴された時点で課金されます。
・・・とはいえユーザーは動画広告を見たくて訪れたわけではないでしょうし、スキップできるまでの5秒をカウントダウンしながらクリック連打している人がほとんどでしょう。そういった動画広告に興味を示さなかったユーザー相手には広告料課金されないのが、利用者が多い所以なのかもしれません。
5秒で伝えたいことを詰め込んだ動画広告
ちなみにどうせ5秒でスキップされるのならばと、その5秒間に伝えたいことを詰め込んだ動画広告を制作する会社も出てきました。
当然ながらユーザーはスキップするまでもなく見たかった動画へ誘導されます。ユーザーの事を考えた仕様ですね。
スキップ不可のインストリーム広告について
YouTubeで動画を観ていると、たまにスキップボタンのないインストリーム広告に出くわすことがありませんか?これは標準インストリーム広告と呼ばれるもので、ユーザーは動画広告を最後まで見ない限り動画にたどり着くことができません。
ちなみにこれは、ユーザー側で自由に設定変更できるわけではありません。YouTubeにリクエスト申請を送った上で審査が必要なんですね。
広告主側からすると強制的に動画広告をユーザーに見せることができるからありがたいと思うかもしれませんが、スキップ可能なインストリーム広告に比べて圧倒的に放棄率が高くなります。動画そのものにもたどり着かないまま放棄されると動画掲載主のPV数にも影響が出てきますので、審査が必要ということのようです。
(※放棄率・・・再生中の動画広告が完了前に放棄される回数の割合のこと)
「標準」インストリーム広告という名前からわかるとおり、元々はこの仕組みが標準のインストリーム広告配信方法でした。しかし、強制的に広告を見せられたくないとユーザーの反感を買い、現在のTrueViewに変化していったようです。
2. インサーチ広告
「インサーチ広告」とは、検索エンジンのリスティング広告(検索連動型広告)に近い位置付けのTrueView広告です。
動画検索ボックスに入力されたキーワードからユーザーの嗜好を判断し、検索結果やおすすめ動画の上位に広告を表示します。こちらはクリックされた時点で広告料が発生します。
一見通常の検索結果のように見えることから、自然にクリックを促すようにデザインされていますね(もちろん広告表記はしてあります)。
3. インディスプレイ広告
「インディスプレイ広告」とは、視聴している動画コンテンツと関連性の高い内容の動画広告が、画面右上の関連動画一覧上部に表示される広告です。
動画を視聴したユーザーはそのまま関連動画をサーフィンする可能性が高いため、潜在的なニーズに答えられます、こちらもクリックされて初めて広告料が発生します。
コラム:以前に存在したインスレート広告とは?
2013年6月まではインスレート広告という動画広告がありました。これは10分を超える長編動画が対象で、動画視聴前に広告主の違う3つの広告の中からひとつを視聴するか、動画再生中に流れる動画広告を見るか、ユーザーは選択することができました。
現在は新規申し込みできないようですが、既存の動画にまだこの動画広告が設定されているものがあるようです。
まとめ
動画広告に限りませんが、ウェブ広告は年々ユーザー視点での配信方法に変化していっています。
当ブログでも以前に紹介したネイティブ広告がまさにそうで、いかにも「宣伝してます!」といった広告はもはやユーザーに受け入れられず、よりコンテンツと親和性の高い広告をどれだけ違和感なく表示できるかを広告主・メディアは考えていかねばなりません。
結果的にYouTubeも、インスレート広告のように強制的に視聴を促す配信の仕方から、そもそもユーザーがその広告を見たいかどうか選択させる方向に変化しています。
ただ宣伝するだけの広告は誰にも望まれておらず、今後広告主はコンテンツをつくるかのように広告をつくらないとならないでしょう。
(執筆/渕上 聖也)
以上、『YouTube広告ってなんでスキップできないの?実は3種類あった広告の仕組みと課金システム』でした。
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2014.08.20