【Facebook】注目すべきは『ファンじゃない人』へのリーチ!ファンの動向を知るために重要な「リーチ」の見方を解説。

2015/04/16

■「ファンじゃない人へのリーチ」から「ファンの行動」がわかる!?


新しいエンゲージメント率の台頭もあり、今ファン数ではなくリーチ数が重要になっているFacebook。


その「リーチ」にも色々な種類があり、まず大きく分けて、広告を使って伸ばす「ペイドリーチ」と、広告を使わずに無料のアプローチだけで獲得した「オーガニックリーチ」の2つに分かれます。


この後者のオーガニックリーチをより分析していくと、Facebookページのファンへのリーチファンじゃない人へのリーチという2種類に分けることができることを、皆さんはご存じでしょうか?


今回の記事で注目するのは、このファンじゃない人(非ファン)へのリーチ。Facebookページの特徴を把握し、今後の運用方針を決める重要な指標になるので、インサイトからこの数値を取得する方法や考え方についてご紹介します。



■目次


1.「非ファンへのリーチ」の算出方法


2.なぜ「非ファンへのリーチ」が重要なのか?


3.「非ファンへのリーチ」から読み解く今後の運用方針


4.「リーチ」と「新エンゲージメント率」の相関


1.「非ファンへのリーチ」の算出方法


Facebookページインサイトから、「投稿データ」のCSVデータをダウンロードします。


「主要データ」タブのI列が「投稿のオーガニックリーチ」ですが、右の方にスクロールしていくと、T列に「通算Facebookページに「いいね!」と言った人による投稿のリーチ」という項目があります。


その下のセルでは、「通算 ページについて「いいね!」と言ったことでページ投稿を見た人の数(ユニークユーザー数)」という微妙な表現がされていますが、要するにこの列は「ファンへのリーチ数」を示しています。(以下、「ファンへのリーチ」)


つまり、「投稿のオーガニックリーチ(全体のリーチ)」から「ファンへのリーチ」を引いた数値が、『ファンじゃない人へのリーチ』(以下、「非ファンへのリーチ」)だと考えることができます。


(※ちなみに現在なぜか一部のページでインサイトが英語で出力されるという現象が起こっているのですが、皆さんのページはいかがでしょうか?詳しい原因は不明ですが、単純に表記が英語になるだけで数値に差異などは生じていません。)


2.なぜ「非ファンへのリーチ」が重要なのか?


この『非ファンへのリーチ』が多いか少ないかによって、ページ・ファンの特性が見えてきます。


1.非ファンへのリーチが少ないページの場合


非ファンへのリーチが少ないということは、つまりファンに投稿は届いているが、ファンがあまり外部に拡散していないということがわかります。


ページによっては、ほぼ「全体のリーチ」=「ファンへのリーチ」となっているものもあり、ページとファンとの距離は近いですが、そこからファンの外までコミュニケーションが広がってはいないことが読み取れます。


2.非ファンへのリーチが多いページの場合


例えば、全体的なリーチ数がそれほど多くなくても、この非ファンへのリーチがそのうちの半分を占めているとすると、それだけ積極的にシェアしてくれる拡散度の高いファンが多いということがわかります。


投稿をシェアしてくれる、いわゆるアンバサダー的なファンが多く、コミュニケーションがファンの先まで発生しているということが読み取れます。


3.「非ファンへのリーチ」から読み解く今後の運用方針


非ファンへのリーチが多いか少ないかによって、Facebookページの特徴がわかると同時に、今後の運用方針に対する考え方が変わってきます。


1.「非ファンへのリーチ」にまつわるファンの行動分析


そもそも、投稿を見たファンの反応は、どういったステップを踏むのでしょうか?大きく分けて、ファンの行動は3段階あると考えられます。




1.流れてきた投稿を見て、まず投稿を「もっと見る」


2.(リンク投稿の場合)さらに内容が気になり、「リンクをクリック」


3.リンクが良かったため、Facebook上で「いいね!・コメント・シェア」



3のステップでは、「シェア」をしてもらうことが最も効果的で理想的ですが、いいね!やコメントでも友達のニュースフィードに表示される可能性は大きく上がります。


2.非ファンへのリーチが少ないページ


非ファンへのリーチが少ないページは、つまり上記の1と2のステップでファンの行動が終了している、と考えることができます。


これは必ずしも悪いことではなく、例えば非ファンへのリーチがあまり多くなくても、「その他のクリック」や「リンククリック」は高い可能性はあるので、インサイトで他の数値も確認する必要があります。それにページのコンテンツによっては、面白くてもなんとなくシェアしにくいものというものもありますよね。


拡散狙いではなく、あくまでも「ファンとの密接なコミュニケーション」を


ここで無闇に拡散狙い・バズ狙いのコンテンツを増やすと、ファンが求めるものから外れてきて、結果的にファンからの反応も悪くなりリーチも下がっていきます。


コミュニケーションが外に広がっていなくともファンとの距離が十分に近ければ、例えば内輪ネタで攻めて一層密度の濃いコミュニケーションを計るといった運用が選択肢の一つとして出てきます。ファンからの評価が高ければ、その結果として投稿の拡散にもつながります。


また通常の投稿とは別に、ファンだけにセグメントをした広告を出稿することも高い費用対効果が期待できます。


3.非ファンへのリーチが多いページ


非ファンへのリーチが多いページは、既に一定数拡散度の高いファンが居ることが推測できます。


これは非常に良いことなので、その特性をより一層活用するように今後のコンテンツを設計してみましょう。


「友達の友達」を意識した運用


例えば、お母さん向けの子育てコンテンツを配信するFacebookページのファンは、やはり子持ちの方が多くなりますよね。そしてそれぞれのファンには、また別のFacebook上で繋がっているママ友が居ることが想像できます。


これはFacebookだけでなくTwitter・mixiなどでも顕著になりますが、ソーシャルメディアでは同じ世代・境遇・趣味・嗜好の人たちがコミュニティを形成します。


そういった「ファンの先のコミュニティ」「友達の友達」を意識して、コミュニケーションのきっかけとなるようなコンテンツを発信する、という運用方針を取ることができます。


先ほどの子育てコンテンツのページの例で言うと、例えば子持ちの人の間で議論になりそうな話題(育児休業についてなど)を発信し、それをシェアしてもらってその先でさらに友達と話し合ってもらう、といったことがこの「友達の友達」を意識した運用イメージになります。


極端な話、その友達の友達までファンにしようとする必要はなく、あくまでも「ファン」と「ファンの友達」のコミュニケーションのきっかけとなるものを提供することが重要になっていきます。


4.「リーチ」と「新エンゲージメント率」の相関


非ファンへのリーチが多いということは、その投稿が届いた非ファンの中には本来投稿に興味がない人も居るはずなので、投稿に対する新エンゲージメント率は低くなることもあります。(新エンゲージメント率は「投稿についたいいね!+コメント+シェア+クリック」÷「投稿のリーチ」)


逆に非ファンへのリーチが少ないページは、それだけファンではない人にあまり投稿が露出していないということなので、本当に好きな人にしかリーチせず、新エンゲージメント率が高めになる可能性もあります。


このように、この非ファンへのリーチを分析することは、ひいては「リーチ」か「新エンゲージメント率」のどちらを求めて運用していくのかというテーマにもつながっていきます。


これはどちらが正解というのはなく、各々のページの目的に合わせて指標を変えていく必要がありますが、理想は両方をしっかりと理解し把握していくことだと言えます。


そもそも新エンゲージメント率の計算式は、分母が「リーチ」という変動する数値なので、単純に新エンゲージメント率を見ただけではページの全てを把握したとは言えません。リーチと新エンゲージメント率は表裏一体となっています。


単純にファン数を追い求める必要はない


一つ確かなのは、先日の新エンゲージメント率に関する記事でもお話しした通り、今Facebookでは単純なファン数は重要ではなくなっているということです。


もちろん一定数のファンは欲しいですが、それ以上に無闇に増やす必要はなく、今居るファンのうちどのぐらいの人に投稿がリーチし、そのファンはどんな人たちで、そしてそれに合わせて今後どう運用していくべきか、といったことを考えるためのページに対する分析と理解が大切ですね。


以上、『【Facebook】注目すべきは『ファンじゃない人』へのリーチ!ファンの動向を知るために重要な「リーチ」の見方を解説。』でした。


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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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