月間再生数6,100万。C Channel編集長が考える「SNS時代に求められる動画コンテンツ」とは?

2016/03/17

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月間動画再生回数が6,100万回を超える女子のための動画ファッションマガジン「C CHANNEL」。


今回はそのC CHANNEL編集長山崎さんにSNS時代に求められる動画コンテンツと作成のコツを取材してきました。


text / ソーシャルメディアラボ編集長 大久保亮佑


    ■目次


  1. C CHANNEL編集長プロフィール

  2. 動画コンテンツが作成プロセス

  3. 動画のコツは「1コンテンツ1メッセージ」

  4. テキストコンテンツと動画コンテンツの共通点と違い

  5. ユーザーの反応が全て。指標は動画再生回数

  6. Facebook上でユーザーからアクションを得る秘訣

  7. 反応の良いコンテンツは「ちょっとした工夫でやってみたい」と思えるもの

  8. 今後の展望


C CHANNEL編集長プロフィール


山崎 ひとみ 氏


2007年サイバーエージェント入社。Amebaプロデューサーや「アメーバピグ」立ち上げプロデューサー、スマートフォンコミュニティ事業部長などを担当し、2014年女性向けキュレーションメディアby.S編集長。


2015年12月よりC CHANNEL 編集長に就任。01


動画コンテンツの作成プロセス


大久保:女性向けの動画コンテンツということで、世の女性たちの興味をどのようにリサーチしているのですか?


山崎氏:C CHANNELのターゲットはいわゆるF1層なので、そういう女性たちの多くが見ているコンテンツにはできるだけ触れるようにしています。ネットだと女性がよく見るようなキュレーションメディアや、あとは女性がよく見るテレビ番組もそうですね。

女性誌も読むのですが、紙メディアはトレンドを提案するものなので現状の女の子達とは時間差のギャップがあるんです。なのでリアルがどういうところにあるのかな、というのを外さないようにしています。


大久保:コンテンツの企画や制作はどのように進めているのですか?


山崎氏:C CHANNELの動画は大きく分けて二つあります。ひとつがC Channelで制作撮影・編集している動画と、クリッパーという女の子達が投稿している動画です。


前者は、企画会議を週1ペースで行っています。クリッパーが投稿している動画に関しては、こちらから今人気のあるコンテンツを教えたり、動画作成のコツをレクチャーするためにオフィスに集まって勉強会をしたり、人気のクリッパーに講師になってもらい他のクリッパーを育てるような講習を行ったりします。


動画のコツは「1コンテンツ1メッセージ」


大久保:具体的に動画制作のコツとは?


山崎氏:これまでの動画コンテンツはYoutubeを中心にした「横型で5~10分程度と長めのもの」が主流でした。今は縦型動画やソーシャル動画という流れが来ています。どちらも伝えたい内容が変わらなくても、時間が1分前後くらいとぐっと短くなりました。それくらいの時間で、無駄なことを言わずにポイントを伝えられるか。ここがコツですね。1コンテンツ1メッセージでちょうどいいくらいだと思います。02


テキストコンテンツと動画コンテンツの共通点と違い


大久保:以前も女性系メディアの編集長をしていらっしゃいましたが、テキストコンテンツと動画コンテンツの共通点はありますか?


山崎氏:Webコンテンツにユーザーが求めるものは、娯楽性があるものから少し実用性のあるものまで、じっくり楽しむというよりはある程度即効性があるものだと思います。その点で、情報が氾濫している現代の中で選ばれるようなコンテンツを作っていくという点は変わらないなと思います。例えばヘアメイクのHOW TOを作っていても、すごくリッチなコンテンツが求められているわけではなくて、少しのコツで可愛くなれるとか、「これを読んで一つ何か持って帰れる」ような、そういうのが求められている。そこはテキストでも動画でも恐らく一緒ではないかと思います。


大久保:逆に異なる点は?


山崎氏:当たり前ですが、まず制作方法やそこに関わる人が違ってきます。


それから「動画」は型が世界的にもあまり確立していない点ですね。キュレーションメディアやテキストメディアは数も多く、ある程度確立されて洗練されていて、それに伴って切磋琢磨しながらお手本になるようなメディアも色々あったのですが、動画はまだまだそのステージにないと思っていて。そこはテキストコンテンツとの大きな違いだと思います。


ユーザーの反応が全て。指標は動画再生回数


大久保:そんな中でも、意識している他社の動画コンテンツはありますか?


山崎氏:今はないですね。どちらかというとユーザーとの戦いです。ユーザーの反応が全てで、今は動画再生数を主な指標にしていま


※参照:分散型メディアの効果測定指標に関する記事

「Buzzfeed」や「NowThis」……海外でイケてる分散型メディアのPVに代わる効果測定指標とは何か


Facebook上でユーザーからアクションを得る秘訣


大久保:話は変わりますが、若い層に人気なInstagramやTwitterよりも、C CHANNELは圧倒的にFacebookのファン数が多いのは何か理由があるんですか?


山崎氏:フォロワー数はどれも堅調に増えていますが、facebookで特にC Channelの動画の反応がいいことがあります。理由としては、例えばInstagramは仕様上、ひとつひとつの投稿が画面上大きいのでログイン1回あたりの表示件数が比較的少なくなる可能性があるのと、facebookほどタイムラインの表示アルゴリズムがない(※)。そう考えると、投稿の質やフォロワーとのエンゲージメントを育てていくのはまだまだ手がかかります


そういう意味だと、Facebookは投稿の質や運用をしっかりしていけばファンとのエンゲージメントを育てやすい設計だと考えています。


※インタビュー後の3月16日、Instagramの表示アルゴリズムの一新が発表されました。


Instagramが表示アルゴリズムを一新―最新の投稿ではなくもっとも関心を引きそうな投稿がトップに






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C Channelさんの投稿 2016年3月3日





反応率の高いレシピ動画


 


大久保:Facebookでシェア数やユーザーのリアクションを促す秘訣はありますか?


山崎氏:若い女性、特に日本の女性は「どう見られるか」を気にする傾向があるので、シェアのハードルが高いんです。ただその感覚を掴めばかなり強みになる。


動画コンテンツのシェア数はテキストと比べると反応が圧倒的に高いので、Facebook上での可能性はまだまだあると感じています。


反応の良いコンテンツは「ちょっとした工夫でやってみたい」と思えるもの


大久保:ちなみにどんな投稿が反応がいいとか、傾向はあるんですか?


山崎氏:正直、出してみないと最後何がヒットするのかわからないところがあるんですよ。ただリッチなものじゃなくて、「少しの工夫でキレイに見える、可愛くなれる」などのコンテンツは人気ですね。あとは見せ方の部分で、作り込み過ぎると逆によくない等もあります。テーマとして、最近は料理やヘアメイクの動画が人気です。






割れたチークを再生〜練りチーク〜落として割れちゃったお気に入りのチーク、「捨てるしかないかな?」という時ありますよね。でも大丈夫!ワセリンを使って練りチークにできます!(^-^)伸びも良く、ほんのり色づいて、使い勝手抜群^^ぜひお試しください♪Shot on Galaxy


C Channelさんの投稿 2016年2月25日





簡単に出来てやってみたいと思える練りチーク作りの動画


 


今後の展望


大久保:今後の展望を教えてください。


山崎氏:配信するコンテンツに関しては、ある程度ユーザーが求めているものをやっと形にできるようになってきたかな、とは思っています。「動画によって女の子の知りたいを解決する」というような、そういう分野をもっと掘り下げていきたいですね。今はヘアメイクや料理が人気コンテンツですが、それ以外の分野にも挑戦していきたいです。


取材後に「C Channel・トランスコスモス等、 Facebook向けネイティブ動画広告サービスで提携」のニュースが発表されました。着々と動画広告市場に展開しているC CHANNELにますます目が離せません。


この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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