海外に比べて遅れている日本のモバイル普及率。今後、拡大の可能性は?【カンター・ジャパン調査】

2016/04/08

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近年、オンライン広告市場が著しい拡大をみせており、日本の広告市場全体をけん引しているといえます。


本記事では、カンター・ジャパン様の調査「Connected Life2016」を参考にしながら、日本のモバイル・タブレット普及状況、今後の展開を考えます。



      ■目次


1. 世界からみた日本のモバイル・タブレット普及状況


2. SNSの進化がすすみ、変わりつつあるモバイル端末のあり方


3. まとめ


1. 世界からみた日本のモバイル・タブレット普及状況


まだ、これから? 日本のインターネットの接続は、いまだにPCがメジャー


この項では、日本を含めた世界の国々のモバイル・タブレットの普及状況を紹介します。


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このように比較してみると、右端の日本はまだPC利用がメジャーだと分かります。同じアジアでも隣国の中国や香港、台湾の方が日本よりもモバイルへシフトしていますね。また、中国製の携帯電話・スマートフォンが普及している東南アジア地域や、人口が急激に伸びているサハラ以南アフリカ地域では、そもそもPCからインターネットに接続しない人が多そうです。


人口や各デバイスの普及台数に違いはありますが、日本のモバイルシフトが世界とくらべて遅れているのは確かです。


伸びつづける 国内のモバイル・タブレット端末接触時間


メディア接触時間の伸び率


世界の国々とくらべて、まだまだPC利用中心の日本ですが、モバイル端末の接触時間は急激に伸びています。上記の図は2006年を100%とした場合の各メディア接触時間を表しています。過去10年で、テレビやラジオ、新聞、雑誌などが軒並み100%を割るなか、「携帯電話・スマートフォン」は6倍以上の数字を記録しています。ここ数年で、いかに急伸したかが伺えます。


モバイル・タブレット端末急伸のカギは、やはり若年層


若年層のスマホシフト


こちらはそれぞれの年齢層が、どのデバイス・メディアを一日でどれほど利用しているのか表しています。16-24歳の若年層は合計6.3時間のうち、モバイルとタブレットを合わせて36%(一日2時間以上)も利用していると分かります。この36%という数字は、45-54歳の14%と比べるとなんと2.5倍以上。若年層が、国内のスマホシフトを先導しているといえます。


2. SNSの進化がすすみ、変わりつつあるモバイル端末のあり方


LINEがスマホをリリース?! MVNO事業に参入


LINE pay image


(参照:http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1603/26/news014.html)


昨今、コミュニケーションはメールではなくメッセンジャーアプリで行い、ニュースもアプリで見るのが普通の時代になってきました。従来のPCやガラケーよりも、SNSというプラットフォームが生まれたことで、SNSがスマートフォンやタブレット端末をより便利にしてくれたことは言うまでもありません。


そうしたなかで、これからよりモバイルが普及してくる理由のひとつに、既存の領域を飛びこえるようなSNSの進化が挙げられます。


LINEは今年3月にMVNO(仮想移動体サービス)事業の参入を発表しました。つまり、LINEが他の通信事業者(この場合はドコモ)から借り受けた通信基盤を使って、自社サービスを付けたモバイルを提供するということです。


LINE MOBILEと名付けられたそのサービスは、基本的なLINEの機能である電話やチャットには通信費が掛かりません。また、別料金でTwitter、Facebookも使い放題になるプランも予定されています。


その背景には、スマホの普及がここ数年で落ち着いてきたことがあります。今年3月末に行われた「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」にて、取締役 CSMOの舛田淳氏は、日本ではスマートフォンが49.7%しか普及しておらず、そこをLINE MOBILEで解決できると説明しています。


現状、海外にくらべてモバイルシフトが遅れている日本ですが、急伸を見せるSNS業界がモバイル端末市場を刺激し、開拓していくのではないでしょうか。


3. まとめ


いかがでしたか。日本人のモバイルシフトが世界にくらべどれほど進んでいるのか、どういった特徴があるのか、またその背景にある若年層の端末利用状況についても理解できたと思います。それではまとめに入ります。


・世界とくらべて、まだまだ日本はPC利用時間が中心。しかし、若年層を中心にモバイル・タブレットもしっかり伸びてきている。


・LINE MVNO事業戦略など主要SNSが変化していき、モバイル市場の発展つながるのではないか。


以上、「急伸!モバイル・タブレット利用時間 日本で特有な普及状況とは? 【カンター・ジャパン調査】」でした!



      【記事での参照情報】


◆カンター・ジャパン


http://kantar.jp/index.html


◆ニュースリリース


http://kantar.jp/whatsnew/Kantar%20Japan%20release_%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E5%88%A9%E7%94%A8%E7%8A%B6%E6%B3%81-1_JP%20%282%29.pdf


◆「Connected Life2016」


http://kantar.jp/whatsnew/2016/03/_pcconnected_life2016.html