運用チームは全員外国人!日本から世界に発信するFacebookページの運用のキモとは?
2016/09/01
1,800万人のファンを獲得し、海外向けFacebookページの先駆者である「Tokyo Otaku Mode」。前編のインタビューでは、これまでの成長の軌跡やFacebookというプラットフォームがどのように変化してきたかの変遷についてお話を伺いました。
後編では、今盛り上がりつつあるライブ動画の動向や運用体制、そして今後の展望を語っていただきます。
Interview / ソーシャルメディアラボ編集長 大久保亮佑
- 目次
- プロフィール
- 今アツいのはライブ配信!海外ユーザーにウケるコンテンツとは?
- 海外向けSNSの運用体制と評価指標
- オタクは尊敬の対象へ。熱中するもので共感して繋がる世界
プロフィール
秋山氏:Tokyo Otaku Mode Inc. 広報(写真右)
GIN氏:Tokyo Otaku Mode Inc. Facebookライブ配信担当(写真左)
Annie氏:Tokyo Otaku Mode Inc. SNS運用担当(海外から電話で参加)
今アツいのはライブ配信!海外ユーザーにウケるコンテンツとは?
視聴者が少なくても反応はすごくいい。Facebookのライブ配信の面白さ
大久保:Facebookの今後の動きについて、御社としてどう見ているのか教えてください。
Annie氏(以下敬称略):Facebookの方向性を考えたうえで、今Tokyo Otaku Modeとして注目しているのはライブ動画です。Facebookは、動画を配信するプラットフォームとしてもものすごい勢いで伸びたわけですが、ライブ動画の領域はまだどこが勝つかわからない状況ですよね。でもユーザーからは人気が出てきていて、これから市場として伸びるのは確実。Facebookもきっと強化してくるはずです。
GIN氏(以下敬称略):ライブ動画の場合、そのタイミングでたまたまFacebookにアクセスをしているユーザーしか見ることができないので、基本的に視聴者の数は少ない。でもリアクションはすごく良くて、短い動画でもコメントがかなり多く書き込まれることもあります。インタラクティブにやりとりできるのが、面白いポイントです。
秋山氏(以下敬称略):ライブ動画は、今までの写真や収録動画とは一味違った新しいコンテンツになると思っています。
ライブ動画のコンテンツを共有できるのは、画面の中の人と、そのときに実際に見ている人たちだけ。そこで視聴者のコメントに返しながら話をしたり、視聴者から言われたことを実際に動画の中に取り入れてやってみたりすることで、ユニークなコンテンツが作り上げられていきます。この先が読めない生感が重要です。
配信するテーマは特別なものである必要はなく、日本で普段行われていること、日常的なものを生で配信することで、その日の天気も全て含めてその時だけしか共有できなかったものになるというのが面白い。
ただ、企業として作り込んだメッセージを発信するのには適さないフォーマットなので、広告として企業と一緒に何かを作るのは少し難しそうですね。ユーザーと近いところでコミュニケーションができるところは面白いので、できることがあれば躊躇なく取り組んでみたいと思っています。
同じコンテンツでも地域や時間帯によって反応は大きく変わる
大久保:日本のコンテンツで面白がってもらえるネタはどのように判断しているんですか?
GIN:私のように、日本語も英語もできて、どちらの文化も理解している人間が運営しているというのは強みだと思います。日本で起きていることもすぐ理解できますし、それをすぐに海外の人達にもわかりやすい表現にして説明できる。どんなポイントが面白いと思われそうかは、自分の感覚で判断しています。
秋山:昔は日本人が中心になってコンテンツを選んでいたのですが、どうしても「日本人から見た外国人」という先入観にとらわれていました。「日本のオタク文化が好きな外国人は、秋葉原が好きだろう」みたいな。でもじつはそんなところはすでに知っていて、もっと新しい、今日本人の若者が注目しているところを紹介した方が、すごくウケたりするんです。
日本人だけでは海外のユーザーのツボに敏感になり切れない部分もあるし、どういう風に説明したらわかってもらえるかがわからない。だから今SNS投稿をしているメンバーは、日本人は1人もいません。
大久保:「これは海外でウケる」みたいなナレッジはありますか?
Annie:基本的に、少年ジャンプの作品に関するネタはすごく人気です。その中でも「ジョジョ(の奇妙な冒険)」は画風も独特で少しマニアックな感じですが、一度投稿してみたらすごくバズりました。ジャンプやジョジョに根強いファンがいるというのがよくわかりました。
少年ジャンプに関する投稿
また、日本でバズるタイトルが海外ではバズらないことも多くあります。中国・アジア系は日本と近い反応が返ってきやすいですが、欧米で響くものは日本と全然違うことも。
例えば声優さんの情報はアジアの中では流行っていますが、北米では全く反応されません。字幕で見ているというのもありますが、そもそも声優という職業があまり認知されていないという文化的な側面もあります。
大久保:文化的な違いを理解したうえでの投稿は大事なんですね。
秋山:そうですね。エリアによってウケるウケないもありますし、時間帯によって反応も随分違ったりするので、そこはいろいろな要素を加味しながら投稿しています。
海外向けSNSの運用体制と評価指標
SNS運用チームは外国人だけ!海外向けFacebook運用チームの作り方
大久保:SNSの運用体制について詳しく教えていただけますか?
秋山:スペイン人や台湾人など多国籍なメンバーがSNS担当として、分析や実際の投稿、ネタ選びをおこなっています。ライブ動画の配信では、GINと撮影やディレクションするメンバーが加わります。あとは記事を書いてくれる外部のライターが2~3名います。
投稿内容の提案は日本人のメンバー含めよさそうなネタがあれば随時共有するようになっていますが、最終的な投稿の決定権は外国人チームに委ねています。ネタの発掘は日本人もできますが、海外のファンが楽しめるような見せ方に転換するのは彼らにしかできません。
Facebookはエンゲージメントを重視。今伸びているのはInstagram
大久保:一番重視している指標は何ですか?
Annie:Facebookページの評価でもっとも重視しているのはエンケージメントです。
Facebook、Twitter、Google+、Instagram、それぞれフォロワー数の成長率を時間帯で追えるようにしていて、1週間単位で見ているのですが、Facebookは毎週順調に伸びている段階なので、エンゲージメントに集中するべきだと判断しています。
フォロワーの成長率で言うと、今伸びているのはInstagramですね。Instagramはいくつかアカウントがあるのですが、オタク向けのアカウントとファッション系のアカウントに特に注力して運用しています。
フォロワー数が30万人を超えるInstagramアカウント
オタクは尊敬の対象へ。熱中するもので共感して繋がる世界
大久保:今後新しくチャレンジしていきたいことや展望などがありましたらお聞かせください。
秋山:私たちが発信しているコンテンツを好きな人たちが何を使っているか、どういう楽しみ方をしているかということに敏感にアンテナを張って、次のFacebook、次のInstagramを探していくことかなと思います。
Annie: Tokyo Otaku Modeのホームページの充実も今後取り組んでいきたいですね。Facebookの変更に迅速に対応するというのは続けつつ、ですが。
GIN:個人的には日本の文化も海外の文化も理解している立場として、今後も皆さんが理解できるものを幅広く拾っていって世界の人達に伝えられたらと思っています。
「オタク」という言葉へのイメージが変わり始めていて、元々のネガティブなイメージが薄まり、広義な意味で「何かにのめり込んでいる人たち」という意味合いで捉えられることが多くなっています。私達自身もそんな意識の中で働いていて、アニメ、漫画、鉄道、原宿ファッション、なんでもいいのですが自分の趣味をもって、「自分はこういう人である」という定義ができることは、全くネガティブなことではないですよね。
そういう理解を海外の人たちにもしてもらえたらと思います。趣味を持っている人は、世界中どこにもいて、日本から発信することで共感が生まれて、いろいろな人たちとつながれたらうれしいです。
秋山:オタクという言葉の変化は面白いですよね。2011年にTokyo Otaku Modeをやっていた時は、「(社名に)オタクって付けるのはどうなの?」と言われることも正直多かったです。しかしながらだんだんアイドルやモデルの子が「~オタクです」と言うようになって、逆にそれが当り前というか、少し尊敬へのイメージに変わってきました。海外の人から「オタクっていい意味だよね」と言われることもあるので、日本でも海外でもそのイメージを根付かせていきたいですね。
▼ガイアックス提供サービス一覧
SNSマーケティング支援サービスTOP
SNS(Facebook・Twitter・Instagram・LINE)運用代行サービス
SNS(Facebook・Twitter・Instagram・LINE)コンサルティングサービス
SNS(Facebook・Twitter・Instagram)広告運用サービス
Facebookアプリ(懸賞・コンテスト・検定)サービス
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部