7ヵ月でファン数97万人!Facebookページ国内No.1の会社が明かす成功するための11個の秘訣【後編】

2011/12/06

こちらの記事は、『7ヵ月でファン数97万人!Facebookページ国内No.1の会社が明かす成功するための11個の秘訣』の後編です。前編をご覧になる方はこちらからお願いします。




3.公開頂いた情報 その3:ウォールの運用設計、投稿内容


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ウォールの運用設計




ガイアックス 井出:



Facebookページを始める方々の多くが、ウォール運用の業務設計に悩んでいらっしゃいます。


パーゴルフさんでは、投稿内容や投稿する時の人格(キャラ設計)はどのように考えていたのですか?




パーゴルフ 松井様:



幸いにも、パーゴルフは雑誌の編集部があるため、投稿のネタは困りませんでした。


投稿ネタはいくらでもある


例えば、ゴルフは毎週金曜日に大会があります。そういった毎週のイベントに対してのコンテンツが、常に編集部から入ってくるので投稿のネタはいくらでも用意できます。


もちろん、大会以外にも雑誌用に取材したコンテンツが多くあるため、むしろ取捨選択して「何を投稿しないようにするか」を考えています。


また、情報の間違いはよくありません。投稿内容に問題がないか、Facebookページ運用チーム側でも徹底してチェックをしています。


常に鮮度の高い投稿を


週刊誌は毎週が締切との戦いです。だからこそ、日々新しいゴルフ情報が入ってきます。


その情報を、できるだけ新鮮なうちにファンに届けるようにしています。Facebookはリアルタイム性が強みなので、そこを大事にしています。


人格は「パーゴルフ編集部」として


特に、人格の設計をどうするかは迷いませんでした。


他の会社さんですと、キャラクターを作ったり、広報担当として名乗った上で投稿しているところも多いかと思います。


パーゴルフは雑誌が主体のビジネスなので、その雑誌が表に立つように、編集部として投稿しています。但し、「編集部の●●です」といったように名乗ってはいないですね。


編集部として投稿すると「お得感」を出せるメリットも


あと人格の部分で意識したのは「お得感」が出るように、という事です。


雑誌は1冊あたり税込380円と有料です。


その有料の雑誌を出している編集部としてウォール運用もしたほうが、雑誌だと有料なものが「ここだと無料で見られる」とFacebookページのファンになる動機付けに繋げられると思います。


もちろん、Facebook側で紹介しているのは、雑誌のコンテンツの極一部です。それでも、ファンになる動機付けとしては十分かなと思います。


また、「Facebookページでゴルフに興味を持つ」→「雑誌購入」というファンの意識の流れも、編集部として運営したほうがスムーズに行くかと考えました。


ウォールの具体的な投稿手法




ガイアックス 井出:



ウォールに投稿する内容はどのように意識されていますか?




パーゴルフ 松井様:



「内容とタイミングのケア」に気を付けています。


質へのこだわりが表示を獲得する


ニュースフィードが変わったこともあり、ますます「ハイライト」に表示されることが重要になってきています。


ハイライトに投稿内容を表示するためには、1つ1つの投稿の質を高める事が重要です。


※補足(ガイアックス 井出):エッジランクについては『これだけは覚えておきたい!Facebookの「エッジランク」の3要素と、各要素の優先順位』の記事をご覧ください。


反応が良かった投稿を2つご紹介します。


投稿例1:上田桃子選手の優勝写真


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上田桃子選手が優勝した時の投稿も多くの反響がありました。


日本で行われた全米女子ゴルフツアー「ミズノクラシック」です。パーゴルフでは、この記事を2回に分けてウォールで紹介しました。


マスメディアとは違う切り口を


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メディアで使う写真は、優勝した選手の優勝カップを手にしている姿、スイングをしている姿など、多くても数枚程度でパターンも限られています。


紙媒体はページが限られていますから、メディアとしての役割、読者のニーズを考えると致し方ない側面があります。


一方で編集部では使われない写真も多く保有しており、今回はそこに着目し、あえて通常のニュースでは使わない写真も集めて記事にしてみました。


Facebookは他のネットメディアとは違う


Facebookのアルバムは、キーボードのカーソル操作で快適に一連の写真を見れます。


情報サイトではページのトップやサイドメニューに広告バナーが都度表示されます。一方Facebookでは、不要な広告を目にすることなく、高解像度の写真を見て貰えます。


通常のニュース記事では伝わりにくい大会の臨場感、ドラマ、選手の闘い、ゴルフの魅力を、一人でも多くの人が感じてくれたと思います。


投稿例2:『負けるな日本』


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https://www.facebook.com/pargolfonline/posts/226640024068924


もう一つは「投稿例2」と同様、上田桃子選手が優勝したミズノクラシック関連の投稿です。ただ、こちらは日本のゴルフファンの方々向けに投稿しました。


日本の皆さんの励みに


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涙を浮かべる上田桃子選手の帽子には、「まけるな日本」のバッジが輝いています。


日本のゴルフ場で開催された米国女子ツアーの大会の活躍は、多くの日本人にとって励みとなるメッセージになると思いました。


シェアする時のコメントには、一言だけ「負けるな日本」と書きました。


帽子のバッジに気付いてくれた人は、多くは無いかもしれませんが、ファンの方から「もらい泣きしました」という内容のコメントを多数頂けたのは、運営している側の人間としても嬉しかったです。




ガイアックス 井出:



「タイミングのケア」という点では、どういったところに気を付けていますか?




パーゴルフ 松井様:



投稿する時間曜日に気を付けています。


日本人向けだと4つの時間帯で出し分けを


ゴルフ好きな方は会社で働いている人が多いので、大きく「朝」「昼」「夕方」「夜」という4つのタイミングで出し分けしています。


そして、どういった投稿であれば、どの時間帯が良いかどうかを見ています。


例えば、見るのに時間がかかる動画であれば、夜に流すようにしています。朝・昼の忙しい時間には見られる方は少ないと思いますので。


アジア向けだと前後2~3時間を見る


パーゴルフの場合は、日本以外にアジアも意識しなければいけません。


ファンが働いている時間を意識する、という事は変わりませんが、大体2~3時間の時差を見込んで、適度な時間になるように投稿しています。


曜日はゴールデンタイムを狙う


曜日はゴールデンタイムを狙っています。


業界ごとによって違うかと思いますが、ゴルフ業界では、金曜日の夕方と夜です。


土日にゴルフをやる方が多いので、ゴルフやりたい!という気持ちをさらに高められて、ついつい反応してしまうタイミングがここだと思っています。


月曜日も狙い目


金曜日だけではなく、実は月曜日も狙い目です。


月曜日は、土日にゴルフをやった後に、成績が良くて喜んでいたり、逆に成績が悪くて落ち込んでいたりするタイミングです。ここで、上手く上達につながる情報を発信できれば、反応が高まるのではと思っています。




ガイアックス 井出:



パーゴルフさんは、アジアのファンも多いという事で、投稿時間以外にも気を付けている事はありますか?




パーゴルフ 松井様:



投稿する時に、日本語と一緒に「英語」も書く用にしています。


例えば、こういった形です。


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また、日本人向けに日本語だけの投稿をするときは、ウォール投稿の公開制限を付けています。


※補足(ガイアックス 井出):国別の公開制限は、ウォール投稿時に以下の設定をすれば出来ます。


 ▼国別の公開制限の仕方


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4.公開頂いた情報 その4:誌面との連動の仕方公開頂いた情報


IMG_0689



ガイアックス 井出:



よく、パーゴルフさんは、Facebookページと誌面を絡めた面白い取り組みをしていると聞きます。他の出版社さんの参考にもなると思いますので、詳しく教えて頂けませんでしょうか?




パーゴルフ 松井様:



大きく、「紙面情報のFacebook展開」と「表紙カバーアプリ」という2つの連動のさせ方をしています。


1.誌面情報のFacebook展開について


前述のように、誌面では掲載できる情報が限られています。良い写真や原稿などがたくさんあったとしても、多くが掲載されません。それをFacebookページ側で紹介しています。


先日あった『プレジデントカップ』であれば、


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といった写真など数枚程度しか出せていませんでした。Facebookページでは以下のように25枚の写真と、大会の模様を伝える原稿も雑誌以上に載せる事が出来ました。


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「Facebookページ to 雑誌」の流れも


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雑誌の情報をFacebookページで紹介するだけではありません。


『Weekly ParGolf from Facebook』というコーナーを作り、Facebookページでの反応を、雑誌側でも紹介しています。


また、このページでは「今週のいいね!」のコーナーを作っています。


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こうすると、ファンの方々も「いいね!」のし甲斐を持ってくれますし、雑誌を見ている方々が、Facebookページに興味を持ってファンになってくれます。


2.表紙カバーアプリについて


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『求む!表紙のゴルファー』という企画をしています。


自分の写真を使った「パーゴルフ」の表紙を作れるアプリをFacebookページ上で提供しています。11月18日までで1,220回も表紙が作成されています。


ここで皆さんに表紙を作って頂き、実際にその写真を雑誌側でも紹介しています。


▼雑誌での紹介例1(9月20日号に掲載)


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▼雑誌での紹介例2(11月15日号に掲載)


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掲載した号が書店に並んだ時には、書店でわざわざ購入してくれた方もいますし、自分の写真が載ったという事で喜んでくれた方も多くいました。購買にも、ロイヤリティの増加にもつなげられた良い取り組みだったと思います。


※この表紙作成アプリ「Make ParGolf Cover」は、こちらから体験できます。


http://www.facebook.com/pargolfonline?sk=app_250285748333096


※参考ページ


「求む!表紙のゴルファー」週刊パーゴルフの誌面に掲載された皆さん!


クライアント案件の雑誌連動事例




ガイアックス 井出:



「ゴルフメーカー様から雑誌広告と合わせて、Facebookの活用についても相談を頂く」との事でしたが、実際どのような取り組みをされたのですか?




パーゴルフ 松井様:



テーラーメイド ゴルフ株式会社様の事例をご紹介したいと思います。


本誌のタイアップ企画をFacebookと連動させたクロスメディア展開


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週刊パーゴルフの本誌でのクライアントタイアップ企画をFacebookと連動させ、クロスメディア展開しました。


掲載内容


タイアップのターゲットは、テーラーメイドゴルフさんの<R11>という新商品を、北海道のゴルフ場で試打してもらうというイベントです。


本誌で呼び掛け、イベントの内容を当日にFacebookで紹介し、後日、本誌でも記事にして紹介しました。


▼本誌での呼びかけ


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▼Facebookページでの呼びかけ


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https://www.facebook.com/media/set/?set=a.191200214281682.45428.133554483379589&type=1



効果


Facebookページでの投稿は、20万インプレッション、784いいね!を超え、クライアントからは非常に高い評価を頂きました。


Facebookページも色々なものがある中、当然のようにより大きなメディアを活用したほうが効果が出やすいです。



タイアップの注意点


正直、クライアントとの連動は試行錯誤をしているところですが、ポリシーとして一方的に商品を宣伝するような表現を極力避けるようにしています。


Facebookは個人がプライベートで使っているメディアでもあるので、ファンになって下さった方々のニュースフィードで、会社の宣伝記事が目立ちすぎてしまうのは、あまり好ましくないと考えています。


このあたりは今後も企画を試行錯誤しながら、より良い方法を見つけていきたいと考えています。


5.公開頂いた情報 その5:Facebookページの今後の目標




ガイアックス 井出:



長時間に渡り、具体的なノウハウや体験談などお話し頂きまして有難うございました。最後に、今後のFacebookページの展開にあたっての目標などお伺い出来ますでしょうか。




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パーゴルフ 松井様:



パーゴルフは日本で40年の歴史のあるゴルフ雑誌ですが、今年からロードマップにアジアにおける市場開拓を描いています。Facebookにおける取り組みは、それを実現するための一つの手段です。


現在、このFacebookの取り組みがきっかけとなり、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナムなど、現地の会社、媒体との業務提携やグローバルな会社と新規事業の話なども進んでいます。特に、ASEAN各国のFacebook人口は、その国の人口の半数近くに達しています。


それほどFacebookに関心が向かっているので、ビジネスにも繋がりやすいのでしょう。バーチャルでアジアと繋がり、リアルな交流の初動に使うのに最適なツールがFacebookであると体感しています。事業で連携するのに必要な要素は相手の信用力ですが「ソーシャルグラフ」が公開されているFacebookでは、その企業や個人が誰と繋がりどのような評価をされているか?どのような意見を述べているか?すべてが公開されているので相手を判断しやすいのですね。もちろん、当社はFacebookゴルフジャンルではアジア一ですから相手からの信用力は絶大のようでビジネス交流がスムーズに進んでいます。


まだ具体的な話はできませんが、来年以降、Facebookがきっかけとなった事業のニュースリリースがたくさんできるかと思います。Facebookだけでなく今後のパーゴルフの展開にもご注目ください。


この記事を読まれた方が、一人でも多く、そして一社でも多くの会社がソーシャルメディアを通じ、海外へ市場開拓していくことに可能性を感じられたら嬉しく思います。


パーゴルフは日本の一企業として、今後もFacebookで先陣を切って前へ進む存在でありたいと考えています。これからも、多くの方々に話題にしていただけるようなページを目指します。


また、海外のファンの方々には、ゴルフに関する情報に限らず、日本の文化や風土に興味をもっている方も数多くいます。日本のファンの方とともに、日本の魅力を発信していけるような場を、皆さんといっしょに作っていけたらとも思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします!




以上パーゴルフさんへのインタビューでした。


最後にお伺いした話を元に、パーゴルフさんがFacebookページで成功した秘訣をまとめました。皆さんのFacebookページ運営の参考になれば幸いです。


6.<まとめ>成功するための11個の秘訣


秘訣1 :「具体的」な目的、「高い」目標設定を行う。


秘訣2 :目標はファン数だけではなく、いいね!・シェアなど「エンゲージメント」に関するものも立てる。ファンの友達へのリーチ数も意識する。


秘訣3 :ファン獲得は「クチコミ」での拡散を狙う。


秘訣4 :広告を運用する場合は「高頻度」「多クリエイティブ」で行う。


秘訣5 :広告クリエイティブは「写真」が命。ターゲットユーザーへの興味喚起はテキストで行う。


秘訣6 :広告・ウォール投稿の連動でエンゲージメント率の向上を狙う。


秘訣7 :ファンの心に響くウェルカムページを作る。


秘訣8 :ウォール投稿ネタは社内と連携して高品質のものを用意する。


秘訣9 :「お得感」を出してファンになるメリットを出す。


秘訣10 :ウォール投稿は「タイミングと質のケア」を行う。


秘訣11 :リアルと連動して相互の流れを作り出す。




パーゴルフさんへのインタビューご希望の方


・パーゴルフ松井さんにインタビューされたいメディアの方は、こちらまでご連絡下さい。順次ご紹介差し上げます。


→ social-media-lab@gaiax.com


この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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