11月の主要SNSニュースまとめ!
2022/12/15
1. Twitter
マスク氏買収1か月 有料認証サービス 来月開始表明
米国時間11月25日、イーロン・マスク氏は、来月2日からアカウントが本人のものだと証明する有料の認証サービスを、暫定的に開始することを明らかにしました。広告に頼らない新たな収入源を確保するのが狙いです。
認証マークの付与はこれまで著名人などに限定した形では存在しましたが、今後は一般人も含め、個人は青色、政府機関はグレー、そして企業には金色のマークが与えられるとしています。
今回は人による確認で信頼性を高める考えです。
方針が二転三転していたアカウントの認証マークですが、一旦方針が定まりました。
企業としては金色のマークが取得できるということで、なりすまし対策などを考慮しても、このままいけば取得はマストと言えそうです。
ただし、イーロン・マスク氏は買収後のしばらく期間は方針が次々に変わることがあり得るということも示唆しており、これで本当に確定かは様子を見る必要があります。
幸い、この機能は先にアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国という範囲に限られており、日本ではまだそれらの国で何が起こるかを観察するだけの猶予があります。
参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221128/k10013905441000.html,
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25DHX0V21C22A1000000/
マスクCEO、Apple社の庭からツイート 「TwitterがApp Storeから削除される可能性ない」
Good conversation. Among other things, we resolved the misunderstanding about Twitter potentially being removed from the App Store. Tim was clear that Apple never considered doing so.
— Elon Musk (@elonmusk) November 30, 2022
米国時間11月30日、Twitterのイーロン・マスクCEOは、Apple社を電撃訪問し、連日のApple側との確執が解消されたと自身のTwitterアカウント上で明かしました。
Apple社の敷地内と思われる動画と共に、両社の間で雪解けがあったことを伝えました。
マスク氏は11月28日、AppleがTwitter上の広告をほとんど停止したことを報告。App Store上のアプリ内課金の手数料30%に対しても批判していました。
Apple社は他のアメリカの多くの企業と同様にTwitter上での広告展開を制限しましたが、他の企業と違う点は、App Storeを管理しているという点でした。
即ち、Twitterが恐れていたのは、社会をかく乱する危険なアプリとみなされて、App StoreからBANされる可能性でした。
実はApp StoreからParlerというTwitterにそっくりなSNSアプリがBANされたという前例がありました。
これはTwitterが2020から21年にかけての大統領選挙時にツイートの監視と規制を強めた際、多くの保守系ユーザーが流出したサービスを米議会襲撃事件の影響を指摘して行った措置でした。
今回マスク氏は、同様のことが起こらないことを確認したのだと推測されます。
参考:https://twitter.com/elonmusk/status/1598090996281413638,
https://news.yahoo.co.jp/articles/19a8b54d06883f87f845f5c9824fde910415987a
2. Instagram
今年のテーマは価値共創。インスタの「今」を総まとめしたHouse of Instagramをレポート
11月14日、9月27~28日に開催された、Meta日本法人 Facebook Japan株式会社主催のマーケター向けセミナー「House of Instagram 2022」のイベントレポート(1日目)が発表されました。
まず初めは、Facebook Japan 代表取締役 味澤将宏氏による「マーケティングを進化させるInstagram」の講演。近年マーケティング業界で重要なテーマとなっている「価値共創」と「没入型体験」に対して、Instagramが提供できる価値について話をしました。
Instagramの今後の展開が分かるHouse of InstagramはInstagramを活用する企業やマーケターにとって非常に重要なイベントで、来年以降のInstagram活用のヒントがたくさんつまったイベントです。
ソーシャルメディアラボでも取材記事を上げていて、年内で更新していく予定なので、ご確認いただきたいと思っております。
https://gaiax-socialmedialab.jp/?s=House+of+Instagram+Japan+2022&lang=jp
また、イベントのアーカイブ動画も見れるので、下記記事の末尾のリンクもご参照ください。
https://gaiax-socialmedialab.jp/post-131533/
参考:https://markezine.jp/article/detail/40350
3. Facebook
Meta、InstagramやFacebookの新機能やアップデートを発表
米国時間11月2日、MetaはInstagramとFacebookで近日中に提供されるクリエイターの体験を向上させる新機能を、イベント「Creator Week」内で発表しました。
この発表には、非代替性トークン(NFT)とInstagramのサブスクリプション、Facebookスターに関するアップデートも含まれていました。
Creator WeekというInstagramにコンテンツを投稿するクリエイター向けのイベントを行うなど、Instagramはクリエイターの活性化に積極的に取り組んでいます。
これは以前からあった流れではありますが、昨今それを強化していて、理由はクリエイターエコノミーの隆盛をみているからだと考えられます。
今までは、有名人を中心としたメガインフルエンサーがSNSを席巻する時代でしたが、良質なコンテンツそのものが評価される時代ということです。
NFTはもちろんのこと、Facebookスターはプラットフォーム内で投げ銭のようにやり取りする仮想通貨ですが、そのような機能もクリエイターエコノミーの活性化を見越していると推測できます。
参考:https://iphone-mania.jp/news-500597/
4. LINE
LINEが日本、台湾、タイでシェアを獲得できている3つの理由
11月21日、LINEは、報道関係者向けに説明会を実施、LINEの取締役CFOなどを務める黄仁埈氏がコミュニケーションサービス「LINE」やFintech、コマース事業などの海外における現況、展望などを説明しました。
日本、台湾、タイで圧倒的なシェアを獲得できている理由として、①日本とアジアのコミュニケーション文化が似ている、②ユーザーがユーザーを呼ぶ「ネットワーク効果」と適切かつ大規模なマーケティングの実施、③現地に根ざした「ハイパーローカライゼーション」、の3点を挙げました。
WhatsApp、FBメッセンジャー、WeChatが世界的には超メジャーですが、日本、台湾、タイだけはLINEが圧倒的シェアです(実はLINEの元々の資本である韓国でメジャーなのはKakao Talkです)。
ハイパーローカライゼーションは確かに機能していて、それがゆえにシェアがとれているというのも間違いではないでしょうが、ネットワーク効果の威力がやはり絶大です。
ネットワーク効果とはユーザーがユーザーを呼ぶ現象で、たとえLINEより優れたアプリがあるとしても、コミュニケーションをとりたい人がいるLINEをやっぱり選んでしまうというもので、これが続く限りLINEの地位は安泰です。
またZホールディングスの傘下に入り、様々な生活のインフラとなる機能と連携が進んでいくので、今後もメッセンジャーアプリはLINE一択という時代が続くでしょう。
参考:https://japan.cnet.com/article/35196373/
5. YouTube
短編映像をリビングへ、YouTubeがテレビでTikTokに挑む
米国時間11月7日、YouTubeでは、同社のテレビアプリの標準ホームページに、ユーザーの過去の視聴履歴に基づくおすすめのショートの映像が表示されるようになりました。
TikTokに似た短編動画プラットフォームYouTube Shortをテレビに対応させた形です。
フルスクリーンの縦型動画をテレビに導入することで、視聴者数をさらに増やしたい意向があります。
YouTubeを大画面でみるという視聴習慣は広まりつつありますが、今までYouTubeショートはサービス対象外でした。
YouTubeショートは実際に視聴者数も多く、企業の活用も進んできています。特に、新規露出の機会として多くのチャンスがあるのがメリットとして映っているようです。
この試みがうまくいくようでしたら、縦型動画シフトはさらに進む可能性があり、TikTok、Instagramのリールも含め、コンテンツとして縦型動画の制作能力が起業として求められる傾向はさらに強まるでしょう。
6. TikTok
TikTok、ゲーム専用チャネル開設へ
11月1日、中国ネット大手のバイトダンスが運営する動画共有プラットフォーム「TikTok」が、ゲーム専用チャネルを開設することを、英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」が報じました。
ホーム画面上の専用ボタンからゲームにアクセスできるようになるそうです。
ゲームの提供開始は、早ければ11月2日に開催予定のイベント「TikTok Made Me Play It」で発表される見通しです。
SNS市場は成熟して以降、各プラットフォーマーは登録者数よりも、ユーザーの可処分時間をいかにとりあうかというゲームにシフトしつつあります。
その仕掛けの一環がゲームで、大きくはふたつの方向性に分かれています。ひとつはゲーム実況を行うプラットフォームになること、もうひとつはゲームそのものを提供することです。
TikTokはゲームの提供を行うということですが、この試みがうまくいけば、ユーザーがTikTokにアクセスする回数、滞在時間が伸び、TikTokの影響力も増します。前者ではYouTube、Facebookが力を入れています。
日本の事例でもmixiでサンシャイン牧場などの成功事例があります。懐かしいと思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。
参考:https://www.excite.co.jp/news/article/36kr_207277/,
https://36kr.jp/207277/
TikTok for Businessが、日本市場におけるTikTok広告計測ソリューションを導入。ブランドセーフティとブランド適合性の計測が可能に
11月17日、TikTok for Businessが、日本市場におけるTikTok広告の計測ソリューションとして、株式会社Legolissが提供する『ZEFR(ゼファー)』を導入したことが明らかになりました。
TikTok計測ソリューションの活用により、広告主は、TikTokキャンペーンでのブランドセーフティおよびブランド適合性に関するキャンペーンのインサイトを得ること、ブランド棄損を防止することなどが可能になります。
ZEFRの導入には主にふたつの重要な意味があります。
ひとつは、ブランドセーフティ。政治的な煽動、性的なメッセージ、FX取引や怪しい副業勧誘などの詐欺的な誘導を行う広告をスクリーニングし、まともなブランディング活動を行っている企業の広告と同じフィールドで混ざり合うのを避けるという機能です。こちらは、特に真っ当なビジネスや信用を重んじるブランドにとっては重要なニュースです。
もうひとつは、Cookie廃止時代のターゲッティング精度を高めるという機能です。動画を解析し、コンテクストを読み込むことで、最適のターゲッティングができる技術をZEFRはうたっており、このことでピンポイントターゲッティングがTikTokで実現できる可能性が出てきました。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000046801.html
米IT大手人員削減の中、TikTokは採用継続
米国時間11月21日、米IT大手の一部では従業員の解雇が進められていますが、TikTokがこの傾向に逆行していることが明らかになりました。
シリコンバレーで人員削減が行われている中、TikTokは、米国拠点を含む世界中で約3000人のエンジニア増員目標を掲げ、3年計画の採用推進活動を進めている最中です。
関係者によると、TikTokはシンガポールの主要拠点でも採用を行っているそうです。
TikTokは縦型動画のプラットフォーマーの最大手として、欧米でのシェアを拡大を狙っています。
当然、日本市場の拡大も積極的で、日本国内での普及活動にも大きなリソースを割いています。中華発のSNSとして、世界をはじめてとりに行くという方針がはっきりと見てとれます。
一方で、政治的な意味でTikTokの台頭を米国中心に警戒する声も上がっています。
トランプ政権下で一度検討されたTikTok規制ですが、バイデン政権下でも検討されており、今後は政治的な理由による規模拡大の歯止めがかかるということがリスクです。
Twitterもそうですが、PEST(政治、経済、社会、技術)のP(政治)がビジネスの行方に影響するというケースが増えてきています。TikTokはマーケティングにますます欠かせなくてなっているがゆえ、政治絡みの問題にも留意しておく必要があるでしょう。
参考:https://jp.wsj.com/articles/tiktok-is-still-hiring-as-competitors-shed-jobs-11669002550