LINEビジネスコネクト徹底解説。導入から活用事例、費用までご紹介!

2018/05/25

LINEビジネスコネクト

メッセージアプリLINEがインフラ化していると言われる中で、LINEを使ったサービスやPRが広がっています。企業側のデータベースとLINEアカウントを連携させることで、通常のLINEの企業アカウントとは違ったコミュニケーションがとれるようになるLINEビジネスコネクトとはどんなものなのか、また企業の運用事例、導入に必要なもの・費用など、まるごと解説していきます。


※更新履歴

2018年5月25日:最新情報を基に加筆修正しました。


■目次



  • LINEビジネスコネクトとは

  • LINEビジネスコネクトでできること

  • LINEビジネスコネクト導入例

  • LINEビジネスコネクトを導入するには?

  • まとめ


LINEビジネスコネクトとは


LINEビジネスコネクトとは、LINEと企業のシステムを連携して動作させることで、ユーザーデータをもとにしたメッセージの送信などを可能にするサービスです。LINEと企業のシステム連携には、LINEが提供するAPI(Application Programming Interface)が用いられます。



画像引用:https://linebiz.jp/service/business-connect/


生活インフラになりつつあるLINEでビジネスコネクトを展開するということ


日本におけるLINEの利用者数は今や7,300万人(DAU)にのぼっており、そのうちの約70%は毎日LINEを利用しています。ユーザーの年齢層別の利用頻度としては、若年層になるほど利用する頻度は高い傾向にありますが、15~69歳の年代を通しても90%以上の方が最低月に1回LINEを利用しており、年齢に関わらず日常的に利用されていることがわかります。


LINEもこういったユーザーの利用状況・背景に基づいて、多角的にビジネスを展開しています。アジア中心とした広告事業の展開をはじめ、LINE Payという決済システムの構築によってアプリ内で一連の購買活動をさせることも可能になりました。


生活のあらゆる場面で、LINEが使われる日もそう遠くないのかもしれません。そういった時代の到来に拍車をかけるべく、ユーザーが持つ属性・特徴に応じて個別コミュニケーションを図ることができるLINEビジネスコネクトの活用方法は、企業にとって非常に重要なポイントになるでしょう。


決済やコミュニケーション以外にも、LINE マンガやLINE PLAYなどの娯楽分野、LINE MALLやLINE バイトといった生活分野、LINE天気などの情報発信、ここでは挙げきれないほどの関連サービスを提供しています。LINEが人々の生活のあらゆるシチュエーションをサポートしてくれる時代がやってくるなら、そのプラットフォーム内の企業アカウントは、公式サイトと同じくらい重要なものになります。すぐに導入するのは難しくても、どういったものなのかは理解しておくことをおすすめします。


LINEビジネスコネクトでできること


では、具体的にLINEビジネスコネクトではどのようなことができるのでしょうか?使い方によってできることは無限大ですが、わかりやすいポイントを4つほどご紹介します。


1.顧客情報に沿った1 to 1コミュニケーションができる


LINEビジネスコネクトでは、LINEのユーザー個別識別子を取得できるため、メッセージ送信や企業側のシステムとの連携がユーザー単位で可能になります。企業の持つ顧客DB情報に応じた配信が可能となるため、購買履歴基づいたレコメンド配信やカゴ落ち商品のリマインドを、LINEを通して送信できます。


従来そういったパーソナライズされたやり取りはメルマガなどがメインでしたが、反応率や開封率が高いLINEで実施できるようになれば、企業としてもメリットが大きいでしょう。



画像引用:https://linebiz.jp/service/business-connect/


2.セグメントごとに異なるメッセージを送信できる


LINEビジネスコネクトを利用することにより、アンケートなどで取得した年齢・性別・居住エリア等の情報を基に、メッセージをセグメント配信できます。セグメント配信では、ユーザーの属性に応じたコミュニケーションをとれるため、全体に配信するメッセージよりも高い効果を期待できます。充分な顧客DBがない企業でも、LINEビジネスコネクトの利点を享受できるのです。


3.ID連携によってデジタル会員証になる


ユーザー個別識別子と企業側の会員IDを紐づけることにより、企業のLINEアカウントと友だちになるだけで簡単に顧客管理ができます。従来のようにポイントカードや会員証を発行したり、面倒な個人情報の入力などユーザー負担になるようなことがなくなるため、ユーザーの満足度・エンゲージメントを高めることが可能です。


4.Official Web Appを使えば、ユーザー利便性がより高まる


LINEのプラットフォームとしての利便性を高める「Official Web App」が、2016年10月より本格的に提供開始されました。「Official Web App」とは、ユーザーのLINEアカウントを活用し、あらかじめシステム連携した企業(サービス)への会員登録やサービス利用等をシームレスに行える機能です。


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具体的には、前述した「LINEビジネスコネクト(会員情報にもとづいたメッセージング)」機能に加え、ユーザーのLINE IDを使って、企業が持つWebサービスやコンテンツへの自動ログインを行うことできる「LINEログイン」、企業のWebサービス利用時の会員登録や商品・サービスの購入時に必要な入力情報をLINE IDに登録されているユーザー登録情報に基づいて簡単に入力できる「プロフィール+」の3つの機能があります。「LINEログイン」「プロフィール+」の機能を使うことで、ユーザーの手間を簡略化することができ、企業が提供するサービスの利用頻度や成約率の向上を見込めます。


LINEビジネスコネクト導入事例


ここまででLINEビジネスコネクトの概念的な部分を解説してきましたが、事例をみるとより「なにができるのか」のイメージが湧くと思います。ご紹介している企業アカウントを友だち登録し、実際に自分で使ってみると、より面白さがわかるのでおすすめです。


ZOZOTOWN(@ZOZOTOWN)


現在700万人(2016年9月時点)の友だちを持つZOZOTOWNの公式アカウント。LINEビジネスコネクトの導入によって、LINEとZOZOTOWNの連携を許可したユーザーに対して、お気に入り登録しているアイテムのプライスダウンや再入荷などの情報を配信しています。


元々ZOZOTOWNでは、メールベースでユーザーにパーソナライズしたキャンペーンを繰り返していたそう。そのデータが蓄積されていたため、効果の高かった施策をLINEビジネスコネクトに転用し、LINEのプラットフォームに最適化していきました。


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運用の結果、LINEではメッセージ配信からサイト遷移までの時間が短く、サイト遷移率がメールの2倍となったそうです。LINEのプッシュ通知はメールよりも気づいてもらいやすく、タイムセールや再入荷などタイミングが重要な情報は、配信されたユーザーの半数がサイト遷移するとも公表されています。


筆者もZOZOTOWNのIDとLINEを連携させていますが、実際に再入荷お知らせメッセージを受け取って数分以内に買ってしまった経験があります。在庫状況の変動が激しいアパレルとLINEはかなり相性がいいと言えるでしょう。


参考:

https://markezine.jp/article/detail/23470


ドミノ・ピザ(@dominos_jp)


ドミノ・ピザは、2015年9月よりLINEビジネスコネクトを使ってLINE上でピザの注文を受け付けています。これまでドミノ・ピザはネットやスマホアプリでも注文を受け付けるなど、顧客の環境に合った方法で注文できるよう対応を重ねてきた中で、新たなインフラとも呼ばれるLINEでも「ドミノ簡単注文」を運用しています。


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現在1,000万人(2016年9月時点)の友だちを抱えるドミノ・ピザの公式アカウントでは、LINEでのディスカウントキャンペーンをほぼ毎月行っています。ウェブ注文と比較すると選べるメニューは限られますが、ドミノ・ピザに登録して、お客様情報のコネクトを済ませていれば、新しいアプリをインストールしたり、ウェブのフォームに煩わされることなく、LINEのトーク画面で注文できます。実際に使ってみましたが、その名の通りまさに簡単です。


参考:

http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/368/368199/

http://markezine.jp/article/detail/23731


大東建託(@eheya.daito)


2014年にLINE公式アカウントの運用を始めた大東建託は、現在1,300万人(2016年9月時点)と多くの友だちを抱えています。


とはいえ部屋探しは頻繁に行うものでもなく、希望条件や時期が人によってかなり異なるので、情報の一斉配信がなかなか難しいジャンルです。アカウントブロックを防ぎながらどのようにPRしていったらいいか、そのもどかしさを解消するひとつの施策が、LINEビジネスコネクトを活用した「大東建託お部屋探しサービス」だったようです。


LINE画面上で部屋探しの相談ができるこのサービス。開始してすぐは、使い慣れたLINEで軽い気持ちで問い合わせができるため、対処しきれない程の反応があったと言います。


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大東建託では、ユーザーが問い合わせをしたときにもっとも興味が高まっているので、そのタイミングを逃さずリアルタイムで対応すること、自然なコミュニケーションを大切にし、物件紹介までのプロセスにも親しみを感じてもらえるような運用を目指しているそうです。LINEアカウントの運用では即成約となる問い合わせだけでなく、将来物件探しで複数社を比較検討するときに、御用聞き感覚で親しみのある大東建託が選ばれるというビジョンの実現を目指しています。


参考:

http://o2o-marketinglab.jp/post/138893900780/20160208

https://markezine.jp/article/detail/22671


LINEビジネスコネクトを導入するには?


LINEビジネスコネクトを利用できるアカウントの種類3つ


公式の資料では、LINEビジネスコネクトを利用できるアカウントは今のところ「ビジネスコネクトアカウント」と、API介在のやりとりも併用できる公式アカウントの「API型公式アカウント」のふたつが明示されています。しかしながら実際には、2016年7月のLINE@料金プランの変更後、3種類のアカウントで使えるようになっています。


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出典:LINE ビジネスコネクト サービス紹介資料(ServiceGuide_LINE_BusinessConnect_20160810.pdf)


LINE@の料金プランに新設された月額21,600円(税込)の「LINE@プロ」。LINE@プロでは、有効友だち数10万人までAPIを介した1:1のメッセージ配信が無制限で可能なほか、タイムラインへの投稿も無制限です。


これによって、LINEビジネスコネクトを利用できるアカウントは3つになりました。



  • API型公式アカウント

  • ビジネスコネクトアカウント

  • LINE@アカウントのプロプラン


ビジネスコネクトアカウントおよびLINE@アカウントはLINE内の公式アカウント一覧に表示されないので、新しく友だちを獲得したい場合には自社でPRが必要です。ビジネスコネクトアカウントの場合メッセージの一斉送信もできず、既存ユーザーとのコミュニケーションに特化することになります。


どちらもLINE公式アカウントより利用費用は安く済みますから、多くの企業はこのどちらかを使うことになるでしょう。自社に適切なASPサービスがOfficial Web Appのオプションを提供していればLINE@アカウントで、そうでない場合はビジネスコネクトアカウント+メッセージ送受信システムの開発、というようになりそうです。


利用するASPによっては簡単にビジネスコネクトが利用できる


LINE@のプロプランを利用する前提で、LINE@でLINEビジネスコネクトの機能を利用できるOfficial Web Appを提供をしているASPサービス会社もあります。


▼例:ネットショップ構築・運用ASPサービス「FutureShop2」


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画像引用:http://www.future-shop.jp/function/customer/lineofficialwebapp.html


▼「Official Web App」に対応するサービスを提供するASP一覧


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画像引用:https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1480


ASP提供会社はEC向けのサービスが多いようです。ECは、パーソナライズされたメッセージを送ることで購入率を高められるので、LINEビジネスコネクトとは非常に相性がいいです。サイト内でお気に入り登録した商品の値下げ情報や在庫状況を個別に送ることで、反応を得られるでしょう。


LINEビジネスコネクト活用に必要な準備


LINEビジネスコネクトでは企業がメッセージを送受信するシステムを持っていることが導入の前提となっています。企業のシステムとLINEのシステムを、LINE側のプラットフォーム上でAPIが連携する仕組みになっているからです。


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出典:LINE ビジネスコネクト サービス紹介資料(ServiceGuide_LINE_BusinessConnect_20160810.pdf)


LINEの公式ページでは、ビジネスコネクトの導入にあたって、企業の既存のシステムの改修や、新たな開発が必要な場合、LINEビジネスコネクト開発パートナーを紹介しています。


また、開発パートナーの持つパッケージプログラムを利用することで、速やかにLINEビジネスコネクトを導入できるとしています。



出典:LINE ビジネスコネクト サービス紹介資料(ServiceGuide_LINE_BusinessConnect_20160810.pdf)


LINEのパートナー企業一覧を、公式ページから探すことも可能です。LINEビジネスコネクトの導入を支援している企業一覧は、以下からご覧いただけます。


LINE ビジネスコネクトパートナー


LINEビジネスコネクトの料金


LINEビジネスコネクトのベーシックな料金体系は、「アカウント利用料(月額)」+「通数課金」のようです。LINEが公式に発表している明確な料金体系はなく、あくまで開発パートナー料金や所持アカウントによって変動するものと考えてください。


公式アカウントを利用している企業の場合、「アカウント利用料(月額)」は公式アカウント費用に含まれているため、基本的には通数課金のみ。ビジネスコネクトアカウントの企業は、「アカウント利用料50万円~(月額)」+「通数課金」となります。ただしこちらもあくまで目安なので、実際の導入にあたっては、都度パートナー選定と見積もりが必要になるでしょう。


ASPサービスを介してLINE@で運用する場合、LINE@プロの月額20,000円と月額3,000円(ともに税別)で利用できるサービスが平均的なようです。ただしこちらもあくまで目安なので、実際の導入にあたっては、パートナーの料金を確認しましょう。


またOfficial Web Appの導入で「1:1トーク」や「お店トーク」、スマホでのアカウント管理などのサービスが利用できなくなるケースもあるようなので、事前に確認が必要です。


▼参考:LINE@の料金プラン


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まとめ


LINEビジネスコネクトが提供する「1 to 1」、「双方向」のコミュニケーションによって、企業はさまざまなPRやサービスを実現できるようになりました。自社のデータベースと提携させることで、マスのPRでは難しかった効果測定も可能です。今後企業のLINEの活用がより活発化し、ユーザーそれぞれに有益で、細やかな情報やサービスが提供されるようになっていくでしょう。


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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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