ユーザーは”企業”ではなく”投稿”を見てフォローするか決める【調査データ付き】
2017/03/16
人と人とのコミュニケーションツールとして飛躍的に進化してきたSNS。企業の参入も相次いでいるものの、なかなかフォロワーを増やせない、使いこなせないといった企業担当者の声もよく聞かれます。
そこで今回は、SNSでファンを増やすためにしっかりと理解しておきたい、根本的で本質的な考え方を解説します。そもそもSNSとはどういった空間なのか、フォロワー数を確実に増やすにはどうすべきかなどをお伝えします。
■目次
- SNSの主役はユーザー!企業は「お邪魔させてもらっている」という自覚を
- フォロワー数を増やす鍵は投稿の「内容」
- ユーザー目線の投稿でフォロワー数を増やした成功事例
- まとめ
SNSの主役はユーザー!企業は「お邪魔させてもらっている」という自覚を
SNSは人と人とをつなげるコミュニケーションツールであり、ユーザーは他のユーザーとコミュニケーションをとるためにSNSにアクセスします。知りたいのは友だちや知人の情報であり、企業の情報はあくまでついでなのです。
ですので、自社の宣伝やPRばかり強調したコンテンツは、SNSユーザーに嫌がられるばかりか、「SNSを荒らす空気が読めない企業」というようなイメージダウンにもつながります。
SNSの主役は一般ユーザーであり、SNSごとに文化や世界観が異なります。企業はそういった世界観を正しく理解し、それぞれのSNSにあった振る舞いをしなければなりません。
<参考記事>
ガイアックスが考えるSNSマーケティング
フォロワーを増やす鍵は投稿の「内容」
なぜ企業のアカウントをフォローするのか
では、SNSを活用するにあたってどのようなことを注意すべきなのでしょうか。以下の「企業アカウントをフォローする理由」を見てみましょう。
SNSで企業アカウントをフォローしているユーザーに「なぜフォローしているのか」と聞いたアンケートの結果です。
ユーザーは企業アカウントをフォローするかどうかを決めるとき、その企業が発信している情報が「自分にとって有益な情報であるか」を重視していることがわかります。すでに知っていて好きな企業かどうかよりも、投稿の内容が決め手になるのです。
なぜフォローを解除されてしまうのか
では逆に、SNSユーザーがフォロワーを解除する時の動機を見てみましょう。
上のアンケート結果では、投稿内容が自分に無関係だったり、有益ではなかったりした時にフォローを解除するという回答が上位になりました。
つまり、もともと企業が好きでも投稿が有益でなければフォローし続けることはないし、有益な情報を適度な頻度で投稿してくれるアカウントであればフォローし続けてもらえるということです。
企業がSNSを使って発信すべきなのは「ユーザーにとって有益な」情報
この2つの調査結果から見ても、ユーザーが企業のSNSアカウントに求めるものは「自分にとって有益な情報」だと分かります。言い換えれば、自分のためにならない一方的な宣伝は要らないと感じているのです
企業がSNSへ投稿する際は、「企業目線」ではなく「ユーザー目線」で情報を捉え、ユーザーが知りたい情報と企業が発信したい情報の重なり合う部分を投稿していく必要があります。そこでもし重なり合う部分が見つからなかったとしたら、企業目線よりユーザー目線の内容に比重を重く置かなければなりません。
また、投稿のタイミングも重要です。ユーザーが負担に感じない程度に適度な回数で更新する必要があります。投稿が多すぎたり頻繁すぎたりすると、より重要な友だちの投稿が企業の投稿に埋もれてしまうなど、ユーザーにとって好ましくないからです。内容、タイミングとも「ユーザー目線」を意識するとよいでしょう。
「ユーザー目線」の投稿をしている企業事例
スカパー!(Facebook)
https://www.facebook.com/skyperfectv/
16万4千人以上にフォローされているスカパー!のFacebookページでは、取り扱っている番組のあらすじが紹介されています。数秒で番組のあらすじがわかる動画とともに、番組の小ネタを盛り込んだ文章を投稿しています。
最小限の時間で楽しい情報や貴重な映像が見られる構成となっており、スカパー加入者が閲覧する番組を選ぶのに役立つ情報になっています。また、スカパーでどのような番組がみれるのかが詳しくわかるので、まだ入会していない人向けにも有益です。
<参考記事>
事例で学ぶ! エンターテイメント業界のFacebook活用法
ヴィレッジヴァンガード(Twitter)
面白い雑貨を扱うヴィレッジヴァンガード。商品紹介が中心ですが、思わず笑ってしまうような紹介内容になっています。Twitterの世界観にあった突っ込みどころのある投稿になっているのがポイントです。
また、ほかのSNSと比較すると一般ユーザーと企業アカウントの交流が活発なのもTwitterの特徴。ヴィレッジヴァンガードのTwitterアカウントは、ヴィレッジヴァンガードの商品に関するユーザーのツイートを積極的にリツイートしています。
リプライは難しくても、リツイートなら簡単にできるので、こういったユーザーとコミュニケーションは積極的に真似したい部分です。
<参考記事>
おもしろ商品宣伝から、リツイート戦略まで! EC(通販)サイトのTwitter活用
チキンラーメン(Instagram)
https://www.instagram.com/chikinramen_hiyoko/
チキンラーメンのInstagramアカウントに投稿されているのは、イメージキャラクターの「ひよこちゃん」の、季節に沿ったほのぼのとした写真や動画です。ちょっと笑えるひよこちゃんの画像に、ユーザーからは「かわいい」「癒される!」など好意的な反応が寄せられています。
Instagramはそもそも写真メインのSNSなので、テキストで有益な情報を伝えるよりも、写真でユーザーにプラスの感情を呼び起こすのが重要です。チキンラーメンの場合「ほっこり」や「癒される」という感情を得たいユーザーにとって有益な投稿になっています。
ほかにも「おしゃれ」や「かっこいい」など、企業が表現したい世界観を写真で伝えるのが重要なポイントです。
<参考記事>
事例で学ぶ!食料・飲料業界のInstagram(インスタグラム)活用法
まとめ
「ユーザー目線」の投稿ができている企業の事例を見てきましたが、どれも企業側の押し付け感はなく、自然にユーザーに受け入れられる内容となっています。フォロワーを増やすために、まずはユーザーを意識したコンテンツ作りを実践してみてはいかがでしょうか。