LINE@の追加機能が発表、米Facebookでは番組視聴も! 8月のニュースまとめ

2017/09/08


8月はFacebookの度重なるニュースフィードのアップデートや動画視聴タブ「Watch」の告知(実装は9月)、LINE@へのリッチメッセージ導入発表など押さえておきたいニュースがたくさんありました。SNS運用担当者の方はぜひ目を通しておきましょう!


    ■目次


  1. 全般

  2. Facebook

  3. Instagram

  4. Snapchat

  5. LINE/ LINE@


1. 全般


世界のSNS利用状況について



世界で最も利用されているSNSの一つFacebookについて、インドではユーザー数がアメリカを上回りました。欧米だけでなくアジアでもユーザー数を確実に伸ばしています。そうしたなか、ソーシャルメディアの専門家であるヴィンチェンツォ・コセンツァ氏によると、世界の国々の大半でFacebookによるトラフィックがトップを占めるものの、日本におけるトップはTwitterでした。


東南アジアやアフリカ諸国を中心に、世界ではスマートフォンの普及が急速に進んでおり、スマホアプリのユーザーも今後増えていくと考えられます。


現在Facebook社は「グローバルコミュニティ」作りを掲げ、通信技術が発達していない地域のユーザー獲得にも動いています。Facebookのユーザーが世界中で増えるほど、国内企業が海外進出する上で、英語やスペイン語など多言語によるページ運用や広告配信する重要性が増すのではないでしょうか。


参考:

http://digiday.jp/platforms/how-people-spend-time-on-social-platforms-globally-in-5-charts/

https://news.yahoo.co.jp/byline/satohitoshi/20170815-00074516/


国内動画・画像投稿メディアの利用状況



http://www.soumu.go.jp/main_content/000492876.pdf


同記事では総務省が7月にまとめた「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を基に、動画や画像投稿メディアに焦点を当てて分析しています。それによると、Youtubeの利用者数はほぼ全ての年代で成長し続けています。一方でニコニコ動画の利用者数は全体的に低下しています。


スマートフォンで高画質な画像や動画が撮影できるようになってから、それらを投稿可能なソーシャルメディアの利用が盛んになっています。そうした中でも画像投稿SNSInstagram」の20代におけるユーザー増は驚異的で、同調査では31.5%(2015)から45.2%(2016)に急伸しています。


企業担当者がアカウント運用や広告出稿を考える際、基本機能だけでなく上記のような各メディアのユーザー層まで押さえておくべきでしょう。


参考:

https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20170823-00074728/ 


SNS動画広告に関する調査


4月、サイバーエージェントの広告サービスを扱う部門「アドテクスタジオ」では縦型動画専門のチームを新設しました。記事では同社の縦型動画広告の効果に関する統計をまとめた資料が紹介されています。そこでは、横型よりも縦型動画の方が商品機能理解や利用意向、購入意向などの面で優れていることを示しています。


縦型動画はいちいちスマートフォンを横に持ち直す手間がなく、再生ボタンを押してすぐに動画を視聴できる操作性が魅力です。SNSでは比較的短めの動画が流れることが多くため、すぐに見られるメリットはその分大きいです。


また縦型動画のもう一つ魅力は「没入感」です。Instagram StoriesやFacebookのキャンバス広告が分かりやすい例だといえます。画面いっぱいに動画が広がり、ユーザーは意識が集中します。そうした利点を生かして画面上の選択肢を押させるなど、ユーザーのアクションを促すインタラクティブな作りの縦型動画が増えてきました。


参考:

http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/072100008/080300002/

https://www.jiji.com/jc/article?k=000000345.000000624&g=prt


2. Facebook


ニュースフィードのアップデートが相次ぐ



https://newsroom.fb.com/news/2017/08/news-feed-fyi-showing-you-stories-that-link-to-faster-loading-webpages/


8月はFacebook公式ブログで「ニュースフィード」に関する告知が非常に多く掲載されました。読み込みが早いページの優先表示や、うっかりクリックを誘導する動画再生ボタン対策、誤情報発信者への対策など数多く伝えられました。


6月にザッカーバーグ氏が発表した同社新ミッションの説明には「人々が多様な意見を交換し合えるようにするだけでなく、共に前進できるように共通認識を築けるようにすることが必要です。」という一節があります。そうしたプラットフォームには、ユーザー同士が安心して情報をやり取りできる仕組みが大切になります。


8月はニュースフィードに関するアップデートが多かったですが、どれもユーザーの役に立つ投稿を優先表示するものや、ユーザーが質の低いコンテンツに誘導されないようにアルゴリズム調整するものでした。企業担当者が投稿コンテンツを手がける際は、やはり「ユーザー目線」で正しい情報をちゃんとした形で届ける義務があるといえます。


参考:

https://japan.cnet.com/article/35105224/, http://jp.techcrunch.com/2017/08/18/20170817facebook-fake-play-buttons/, http://jp.techcrunch.com/2017/08/09/20170808facebook-unintentional-clicks/


動画視聴タブ「Watch」を発表



米国時間8月10日、Facebook社はオリジナル動画視聴セクション「Watch」の導入を発表しました。先々月から本レポートでも取り上げていますが、今月はイニシャルの番組本数が判明しました。同社が提携する出版社やコンテンツ制作会社から、およそ40番組がラインナップされると記事では取り上げています。


現地メディアで当初出回っていた情報から少し遅れはしましたが、9月現在、ついに米国でWatchが導入されました。日本における導入時期などはまだ明らかにされていません。


やはりポイントは、同セクションの番組目当てにFacebookを開くユーザーの増加ではないでしょうか。まだ広告配信の可能性について公式的に言及されていませんが、Facebook社としては動画コンテンツの視聴時間を増やして、ユーザーのプラットフォーム全体の滞在時間を伸ばしていきたい考えがあるでしょう。


参考:

http://digiday.jp/platforms/bij-facebook-watch/, http://jp.techcrunch.com/2017/08/10/20170809facebook-watch/, https://www.gizmodo.jp/2017/08/facebook-watch-business.html


消える動画「Stories」をテスト中


現在スマホ版アプリで利用可能なFacebook Storiesですが、デスクトップ版でもテストが始まっているとTechCrunchが伝えています。一部のユーザーが対象となり、ページの右上に数件のストーリーが表示されるようになっているそうで、本格的に導入されるまではまだ検証が続くと考えられます。


ユーザー投稿だけでなくページ投稿も表示されるニュースフィードは近年込み合って来ており、普通の投稿だけではユーザーにリーチしづらくなっています。


その点、24時間という期間付きでも上部の目立つ位置に動画を投稿できることはユーザーの目につくチャンスといえます。今後デスクトップのストーリー機能導入が本格的に行われるのかまだ分かりませんが、手の込んだ長い動画ではなく、簡単なスライドショーからでも利用を検討してみてはいかがでしょうか。


参考:

https://techcrunch.com/2017/08/03/facebook-begins-testing-stories-on-the-desktop/, https://japan.cnet.com/article/35105293/


3. Instagram


ライブ動画配信に関するアップデート



米国時間8月8日、ライブ配信者がゲストを迎え入れて会話しながら動画配信できる機能をInstagram公式ブログが発表しました。現在はまだ少数のユーザー間でテスト中のようです。現状のライブ同様、撮り終えたライブ配信はInstagram Storiesに24時間配信できるようです。今後数か月で世界中で利用可能になると、記事では伝えています。


Facebook LiveやYoutubeと連携したGoogleハングアウトなど、最近ではライブ配信にゲストを迎え入れて盛り上がる機能がソーシャルメディア上に増えてきました。Instagramのストーリー機能はDAU2.5億人以上でよく見られている動画セクションです。ライブ配信された動画を24時間という期限付きでコンテンツ化することで、ロイヤリティの高いファンを引き付けられる点は非常に魅力的です。


企業が直接一般ユーザーを招き入れて何かを直接プロモーションすることは少ないかもしれませんが、タレント同士や、有名人に選ばれた一般ユーザーが参加型でコミュニケーションを取るなどテレビ番組のような企画が今後見られる可能性はあります。


参考:

https://japan.cnet.com/article/35105512/, http://jp.techcrunch.com/2017/08/03/20170802instagram-stories-anniversary/, http://thebridge.jp/2017/08/facebook-faces-new-scare-that-teens-are-like-totally-going-to-snapchat-and-instagram-again


4. Snapchat


17年第2四半期の歳入報告



米国時間8月10日、「Snapchat」を提供するSnap社は第2四半期の歳入報告を行いました。同アプリではDAUが700万人、収益は35億の成長が見られたものの、現地の投資家たちが当初期待していた結果にまだ及んでいない状況をDigidayは伝えています。


Snapchatは若者の間で「消える動画」が流行り始めた当時、まさに旗振り役でしたが、Instagram Storiesに機能を模倣されてから、アクティブユーザー数・収益ともに成長が鈍化してしまいました。一方、Instagram Storiesでは広告が出稿できるようになり、国内でも企業の出稿事例が出てくるなど成果が出始めています。


「消える動画」領域での大敗を糧にしつつ、 VR技術を使ったフィルター機能やメガネ型カメラ「スペクタクル」など、新しい機能や技術でまた動画SNS市場を盛り上げられるのか今後も注目です。


参考:

http://digiday.jp/platforms/cheatsheet-snap-continues-to-buckle-under-the-weight-of-facebook/,http://www.moguravr.com/snapchat-ar-3/


5. LINE / LINE@


新機能「チャットライブ」の提供開始


8月中旬、トークルーム内でライブ中継ができる「チャットライブ」機能の提供を開始しました。最大200人まで映像を共有でき、それを見せながら閲覧者とチャットが行えます。


画面サイズは画面の上半分を使うものや、フルスクリーン、画面の1/8サイズなど複数のレパートリーから選択できます。


FacebookやTwitterに比べて、発信する投稿内容やメッセージが特定の人にしか届かないクローズドな仕組みのLINEですが、この度ライブ配信機能が追加させました。


同機能は一般ユーザーが利用できる機能として導入されたものですが、ゆくゆくLINE公式やLINE@などにも採用され、企業が一般ユーザーを囲んでリアルタイムなチャットでコミュニケーションを取れる未来が到来するかもしれません。もしそうなった場合、企業担当者にとってはクローズドな空間にいるユーザーに対して密にやり取りできる有益な機会が与えられるともいえます。


参考:

http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1075914.html, http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1708/16/news084.html


LINE@, 新機能・サービスの展開を告知



https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2017/1849


LINE株式会社は今年10月上旬に「LINE@」において機能やサービスのアップデートを発表しました。公式アカウントで既に導入されている「リッチメニュー」や動画再生後に任意のURLへ誘導できる「リッチビデオメッセージ」、動画や音声メッセージが送信可能になるなど大幅な更新がされる予定です。


これまでのLINE@ではクーポン機能やリッチメッセージなどが利用できましたが、今回発表された機能が追加されることで、表現の幅がより広がるといえます。


LINE@はLINE公式アカウントに比べて低予算で始められる、中小ビジネス向けに作られたものです。同じく発表された「地方自治体のアカウントを無償化」や「審査規準の緩和」といった動きを見ると、同社は大手企業だけでなく、中小ビジネスでもLINEがより活発に使われていって欲しいという狙いがあると考えられます。そういう意味では、将来「LINE@を開設するのが当たり前」になるかもしれませんね。


参考:

https://japan.cnet.com/release/30205001/