【#AWAsia レポート】Instagramストーリーズ広告のクリエイティブ制作ポイントまとめ!

2019/06/03


前回記事「【#AWAsia レポート】デジタル広告の最前線! 注目の「インクリメンタリティ計測」とは?」に続き、ソーシャルメディアラボ編集部はアドバタイジングウィークアジアの二日目も参加してきました。


そこでInstagramストーリーズのクリエイティブに関するセミナー「ビジュアルでブランドの世界観を伝える、Instagramクリエイティブのルール」を拝聴し、記事にまとめました。


会場では動画付きで紹介されていたのですが、できるだけ文章だけで伝わるように編集しています。


Text, Photo / ガイアックスソーシャルメディアラボ編集長 小東真人(@gxsoc_kohigashi)


    ■目次


  1. 登壇者

  2. Instagramのビジネス活用について

  3. Instagramストーリーズ広告の制作ポイント

  4. 最後に


1. 登壇者


フェイスブックジャパン  クリエイティブストラテジスト

栗山修伍 氏



 


2. Instagramのビジネス活用について


Instagramはショッピング機能が導入されてから、顧客の認知から購買までをアプリ内で一気通貫で完結できることを強調しています。


今回もビジネス活用におけるメリットを広告主に対してアピールしていました。



こちらは日本を含めた世界各国で、Instagramが役立つと生活者に感じられた場面と回答の割合をまとめた調査結果です。



  • 新しい製品やサービスを見つける:83%

  • 製品やサービスについて調べる:81%

  • 製品やサービスを導入するかどうか決める:80%


発見や調査、比較検討までの段階で8割を超える結果となっています。他にも、認知から購買(トランザクション)までの段階毎に効果的な施策が紹介されました。



ポイントはオーガニック、広告それぞれ目的に応じて有効に使い分けするところです。



  • 認知:ブランドを確立する

    • アカウントとプロフィール

    • フィードとストーリーズ



  • 検討:詳しい情報を提供する

    • フィードとストーリーズ広告

    • インスタントエクスペリエンス



  • リテンション:つながりを強める

    • インタラクティブなストーリーズ

    • IGTV

    • ライブ



  • 取引:アクションを促す

    • ダイレクトレスポンス広告

    • ダイナック広告

    • ショッピング




また具体的な見た目は下記になります。ひとつの企業アカウントの事例ではなく、Facebook社が厳選した複数社の事例です。



やはりフルスクリーンで没入感のあるストーリーズのフォーマットはInstagramの大きな魅力であり、ビジネス活用においても目が離せません。


これから、本題であるストーリーズのクリエイティブ制作のポイントをご紹介します。


 


3. Instagramストーリーズ広告の制作ポイント



栗山氏は「絶対の正解があるわけではなく、効果検証するのが前提である」と伝えたうえで、ストーリーズのクリエイティブ制作には「ルック&フィール」「ブランドと製品」「フォーマットの活用」という三つの点が重要だと言います。


それではこれから、一つずつ見ていきましょう。


①ルック&フィール


アテンションを捉える



まずは「ルック&フィール」についてです。「一秒目から惹きつけるような工夫を」と栗山氏は言い、海外事例を紹介しました。


特に編集部が気になったのは写真左のRITZ(リッツ)のクリエイティブです。


RITZと言えば色々な盛り付け方が楽しめるお菓子ですが、チーズやフルーツなど盛り付けの異なった複数枚の静止画を中央に置き、パラパラとページを捲るようなクリエイティブに仕上がっていました。


美しく、一言で伝える



次に、情報を端的に伝える重要性についても言及されました。


ストーリーズはTVCMとは違いかなり短尺で、視聴されるスピードも速く、たくさんのことを言っても伝えられない。そのため広告の目的は何で、最も訴求しなくてはいけないのは何か突き詰める必要があります。


②ブランドと製品


ブランド名から表示する



続いて「ブランドと製品」について。ブランド認知度を向上させるために、冒頭に商品ロゴやパッケージなど生活者がブランドを想起しやすいものを表示させると効果的だそうです。


目的に応じた手段を選ぶ



次に目的とクリエイティブの表現方法(手段)について。


Instagramを運営するFacebook社が調査したところ、人にフォーカスした広告(写真左)ではブランド認知効果が、商品にフォーカスした広告(写真右)では獲得効果が7割以上の確率で見受けられたそうです。


CTAを強化する



この項目の最後にはCTA(コールトゥアクション)の重要性が触れられていました。


そもそもコールトゥアクションとは「詳細を見る」とか「フォローする」といった生活者がブランドに対して起こす次のアクションを指す言葉です。


ストーリーズ広告で成果を出すためには、下部に「SWIPE UP(スワイプアップ)」とポップアップを表示させたり、矢印のアニメーションが入っていたり、目立つ色の吹き出しをつけたりして、見た人が押したくなるように上手に促すことが求められます。同社の調査によると、このCTAの強化が有るか無いかで比較すると、有った方がが9割近く効果が上がったそうです。


③フォーマットの活用


静止画と動画をMIXする



最後に「フォーマットの活用」について。


同社の調査によるとストーリーズ広告を配信するときに動画だけ、もしくは静止画だけで配信したときよりも、両方ミックスに配信したときの方がパフォーマンスが向上したそうです。


会場ではスーツケースをオンライン販売するALRO SKYE社を例に挙げ、二つのクリエイティブのうち片方は静止画で、もう片方がパラパラ漫画のようにくるくるとスーツケースが回転する動画のクリエイティブが紹介されました。


フォーマットで遊ぶ



最後は「フォーマットで遊ぶ」。


Instagramストーリーズでは閲覧者がクイズや投票できる参加型のスタンプが使えますが、広告にも応用可能です。


上記は国内の資生堂「マキアージュ」の事例で、クリエイティブ画像で左右の選択肢を選ばせた場合か、アンケートスタンプで選択肢を選ばせた場合では、後者の方が参加率、CTR、3秒再生率ともに高かったそうです。


 


4. 最後に



ストーリーズが導入されて今年で早3年。栗山氏のプレゼンでは「ニュースタンダード」と表現されていましたが、たしかに今では縦型動画クリエイティブが市民権を得てきたと言えそうです。


今回、クリエイティブ制作において「ルック&フィール」「ブランドと製品」「フォーマットの活用」という点から多くのTipsが紹介されていましたが、絶対の正解はなく、自社で応用する場合は効果検証を繰り返す必要があります。