【イベントレポート】Instagram広告で認知から獲得まで! Insta Commerce Dayで紹介された先進企業の事例やTipsまとめ

2019/06/25


Instagramにショップ機能が導入されて認知から購入まで一気通貫で行えるようになってから、企業活用もますます注目され始めました。


そんななか6月18日にFacebook社公式イベント「Insta Commerce Day」が開催され、会場は小売業界のマーケティング担当者やマーケティング支援関係者でいっぱいに。今回はソーシャルメディアラボ編集部が特に注目したセッションに絞って当日の様子をお届けします。


Text, Photo / ガイアックスソーシャルメディアラボ編集長 小東真人(@gxsoc_kohigashi)


    ■目次


  1. Insta Commerce Dayのイベント概要

  2. Instagramとダイレクトレスポンス施策

  3. Instagramとブランディング施策

  4. まとめ


1. Insta Commerce Dayのイベント概要



当日のプログラムは前半と後半に分かれており前半は全体で共通のセッション。後半はEコマースと実店舗の二種類の活用事例にそれぞれフォーカスしたセッションが開催されました(編集部は、後半はEコマース領域のセッションに参加)。


前半はInstagramが今どれくらい企業のマーケティング上重要であるのか示すために、ユーザーの態度変容やEコマースの市場規模に関するデータの発表、先進企業によるダイナミック広告の基本や活用事例、クリエイティブの工夫について紹介されました。


後半のEコマースのセッションでは、ブランディング施策について大手Eコマースサイトを運営される企業担当者の対談やTipsが共有されました。


2. Instagramとダイレクトレスポンス施策


ダイナミック広告と先進企業の取り組み



セッションの始めに行われたフェイスブック ジャパン 鈴木大海氏(写真左)と楽天株式会社 土屋信博氏(写真中央)、セブン&アイホールディングス 堀宏行氏(写真右)の対談では「ダイナミック広告」の効果について言及されました。


そもそもダイナミック広告とはFacebook、Instagramにおけるフィードやストーリーズに配信される広告で、製品単位の広告を自動的に作れる仕組み。


実装にはWebサイトやアプリにFacebookピクセルやモバイルSDKをそれぞれ設定し、製品カタログを読み込ませる必要があります。また販売店数が少なくリアルタイムで正確な在庫管理が求められる場合には「スマートピクセル」を導入することで自動的に最新の在庫や価格を反映させられます。


一連の準備さえ済めば、過去のページ訪問者に向けて人ベースでリマーケティングが行えたり、コンバージョンの傾向を読み取り機械学習をさせることで通常よりも比較的精度の高い類似ターゲティングを行うことが可能になります。






楽天株式会社の土屋氏、セブン&アイホールディングスの堀氏は自社でFacebook・Instagram広告を導入した結果、上記ツイートのような成果が上がったそうです。


Facebook / Instagram広告の効果を最大化するTips



次に行われたフェイスブック ジャパン 加古真智子氏によるセッションでは、広告効果を高めるためのTipsが紹介されました。


機械学習によって見込み顧客をより引き出すために、ユーザーの認知から購入までにできるだけ多くのシグナルを正しく設置することが重要と言います。




  • ファネル上部のシグナル

    • 検索、コンテンツビュー



  • ファネル中部のシグナル

    • ウィッシュリストに追加、チュートリアルの完了、問い合わせ、製品のカスタマイズ、所在地の検索、リード、サブスクリプション登録



  • ファネル下部のシグナル

    • レベル達成、支払い情報の追加、カートに追加、登録の完了、寄付、チェックアウト完了、購入、評価、予約、クレジットの利用、トライアルの開始、応募、アチーブメントのアンロック




この他にピクセルとSDKを両方とも活用するクロスシグナルにより機械学習の判断材料数を増やすことや詳細マッチングで自動と手動の両方を設定することが推奨されていました。


また、同社が提唱するキャンペーン設定のチェック項目「Fewer, Bigger, Better」も紹介されました。




  • Fewer, Bigger, Better

    • Fewer:キャンペーンを細かくし過ぎず

    • Bigger:オーディエンス、配信面は幅広く

    • Better:予算の自動化を




機械学習の促進には一日「15件」以上のコンバージョンを計測できた方が良いとのことで、広告セットを細かくし過ぎてこの数字を下回る場合はキャンペーン設定を再考すべきでしょう。


3. Instagramとブランディング施策


Instagramのブランド認知への寄与について



後半のセッションではInstagramのブランディング施策や実際の企業事例が紹介されました。まずはフェイスブック ジャパン 津野英梨果氏の発表からご紹介します。



こちらはインテージ社による調査データ。TVに1億円、FacebookとInstagramに1,000万円の予算をかけた場合、マス広告との重複リーチは15.9%、Facebook・Instagram広告による純増リーチは14.1%獲得でき、TV予算の1/10でリーチ補完ができるそうです。



またイプソス社の調査によるとInstagramをTVや雑誌と比べた場合、ユーザーは最新トレンドや自分のニーズに合った情報を探すのにInstagramが最も役立つと感じるようです。


Instagramをブランディングに活用した事例



最後はフェイスブック ジャパン 丸山祐子氏、BASE株式会社の神宮司氏(写真左)と楽天株式会社の水谷公輔氏(写真右)のトークセッション。


まず神宮氏は多くのBASE利用者がInstagramを活用している点を強調。ブランドの世界観をホーム画面で上手く伝えたり、ストーリーズ機能で製造工程を見せたり製品のレビューシートを公開して購入者から意見を求めてエンゲージメントを高める活用法を紹介していました。



次に水谷氏は認知と売上向上をKPIに置き、TVCMをInstagram広告に上手く最適化させた自社事例を紹介。縦長にも綺麗にハマるクリエイティブにしたり、コアメッセージや値引きの割合といった訴求ポイントを前半に出したりと工夫を伝えていました。また効果測定にはブランドリフトだけでなく、サーチリフトやビュースルーCVも見ていたそうです。



Instagramでブランディング施策を進めるためにオーガニック運用で世界観の醸成やエンゲージメントの向上を図るケースとモバイル最適化した広告を出稿して複数指標で効果検証するケースを学べました。


4. まとめ



今回は購入数や売上が気になるマーケターのために、同イベントを「ダイレクトレスポンス」と「ブランディング」の二つの軸で分けてご紹介しました。




編集の都合上一部割愛しましたが、当日の発表には、流入を増やしたり購入を促したりするためのクリエイティブの工夫も紹介されていました。


クリエイティブについて、気になる方は同社栗山氏が先月「Advertising  Week Asia」で登壇していた内容をまとめた記事「【#AWAsia レポート】Instagramストーリーズ広告のクリエイティブ制作ポイントまとめ!」を良かったら参考にしてください。


この記事を書いた人:小東真人

ソーシャルメディアラボ編集長。地方や中小ビジネス向けセミナーなどを担当。
17年ガイアックス入社のデジタルネイティブ世代。靴磨きが大好きで、休日はInstagramで関連アカウントばかり見ている。

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