グローバル展開しているBtoB企業のSNS活用を徹底解説! おすすめSNSと活用事例3選

2020/06/25


BtoB企業は専門性の高さやターゲットの狭さのために、BtoCに比べてSNSの活用が難しい部分があることは否めません。しかしSNSを通じて普段からユーザーと接点を持つことで、必要なときに検索需要を喚起させたり、潜在層へ訴求できたりと、結果的に売り上げへつなげられる施策になります。


この記事では、グローバルにビジネスを展開するBtoB企業のSNS活用戦略について、実際の事例を紹介しながら解説します。


    ■目次


  1. グローバル×BtoB企業に適したSNSとは

  2. グローバルBtoB企業のマーケティングにおけるFacebookとLinkedInの強み

  3. グローバルBtoB企業のSNS活用事例3選

  4. まとめ


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1. グローバル展開×BtoB企業に適したSNSとは



マーケティングに活用できるSNSの選択肢はさまざまですが、グローバル展開しているBtoB企業と相性がいいのはFacebookとLinkedInです。


日本国内ではTwitterとInstagramのユーザー数が多く、BtoB企業でもその2つのSNSに力を入れるところが増えています。


しかし世界的にみるとFacebookのユーザー数が圧倒的に多く、グローバルという観点ではアプローチできるユーザーを最大化できます。また、LinkedInは日本国内のユーザー数こそあまり多くないものの、海外ではビジネスSNSとして活発に使われています。グローバルかつBtoB分野の企業であれば、FacebookとLinkedInに注力するのが良いでしょう。


2. グローバル展開しているBtoB企業におけるFacebookとLinkedInの強み


Facebookの特徴と強み



Facebookの強みはなんといっても、圧倒的なユーザー数の多さです。国内のユーザー数はInstagramが上回りましたが、グローバルでは多くのユーザーを抱えています。特にフィリピンやタイなどの東南アジア圏ではインターネット人口のうち80%以上の人がFacebookを使っているという調査結果もあり、インフラレベルと言ってもいいほどに普及しています。


また、広告のターゲティング精度の高さも企業にとって大きな魅力です。


Facebook広告のターゲティング



Facebookは原則として実名で登録することが義務付けられています。それに伴い、比較的精度の高いデモグラフィックデータが集まっており、性別や年齢、居住地などの情報が蓄積されたプラットフォームになっています。加えて、利用端末、アクティビティ、興味関心などのデータもあり、ターゲティングに活用できる情報の量や精度が高いのです。


さらにカスタムオーディエンス(自社が保有しているデータをFacebookユーザーデータと照合できる機能)のデータを元に、それらのデータに近いユーザーを探し出し、ターゲットオーディエンスを拡張することができます。自社の既存顧客や見込み顧客のデータを活用することで、効率的にターゲットを拡張できるのです。


LinkedInの特徴と強み


LinkedInはビジネスに特化したSNSで、名刺や履歴書代わりに使われることもあり、就職・転職の際の情報収集や企業側のヘッドハンテンィングなどに利用されています。国内ではそれほど認知度が高くありませんが、世界200カ国以上で6億人を超えるビジネスパーソンが利用しているというデータもあります。


ユーザーも企業もビジネスに関する情報を求めているため、企業のブランディングや製品の訴求などを違和感なく届けられる点が強みです。


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日本では普及するか?企業のLinkedIn活用方法・事例まとめ


ビジネスパーソンのデータベースとしてのLinkedIn


LinkedInは、ユーザー情報として役職や会社名、学歴、ビジネススキルなどを登録できる点が特徴的です。個人の「ビジネスに関するデータ」が集まっているといえるでしょう。


また、趣味や興味関心などもLinkedIn側でセグメント設定できるので、ターゲットを定めたアプローチもできます。


3. グローバル展開しているBtoB企業のSNS活用事例3選


グローバルに活躍するBtoB企業がどのようにSNSを活用しているのか、FacebookとLinkedInの投稿内容を見てみましょう。


事例1:Caterpillar(キャタピラー)


油圧ショベルやホイールローダーといった建設機器や鉱山用機械、ディーゼル及び天然ガスエンジンなどをグローバルに展開している、世界最大級の製造企業です。Facebookのフォロワー数は約179万人、LinkedInのフォロワー数は約100万人です。


Facebookの運用事例



https://www.facebook.com/caterpillarinc/


写真や動画を中心に、ほぼ毎日投稿されています。一般の人にも広く分かりやすい内容の投稿が多くみられ、いいね数は数百から時には1,000以上になることもあります。



https://www.facebook.com/caterpillarinc/posts/10156729334995764


世界的に外出自粛が続く中で、塗り絵や迷路、間違い探しなど子どもが遊べるような作品がアップされています。働く車としてCaterpillar社の重機が好きな子どもも多いとみられ、コメント欄には重機のおもちゃで遊ぶ子どもの写真や実際に子どもが塗った塗り絵の画像とともに感謝の言葉が寄せられています。コメントは100件以上、シェア数にいたっては500件以上と、多くの反響を獲得しています。



https://www.facebook.com/caterpillarinc/posts/10156703167565764/


イースター(復活祭)に乗じて投稿されたこちらの画像は、重機に興味がなくても思わずシェアしたくなるようなコンテンツです。自社の製品をうまく活用し、製造業に興味がないユーザーにも親しみやすさを与えている例と言えます。


LinkedInの運用事例



https://www.linkedin.com/company/caterpillar-inc/


毎日のように高頻度で投稿されています。Caterpillar社の社会的な取り組みや従業員にフォーカスした投稿が目立ち、Facebookとは明確に投稿内容が区別されています。いいね!数は数百から1,000以上になることもあり、コメントも毎回数件ついています。



https://www.linkedin.com/posts/caterpillar-inc_iamcaterpillar-activity-6661602831457406976-9lA1


こちらの投稿では50歳を迎えたという一人の女性従業員を紹介し、仕事への思いやどのようにキャリアを積んできたのかを動画にまとめています。リンク先ではCaterpillarの公式サイトでさらに詳しい内容を読むことができます。


事例2:ABB


スイスに本社を置く多国籍企業で電力機器や重工業を展開し、産業用ロボットやパワーグリッド事業などを手掛けています。Facebookのフォロワー数は約74万人、LinkedInのフォロワー数は約200万人です。


 


Facebookの運用事例



https://www.facebook.com/ABB


画像や動画を中心に、自社製品の紹介や業務内容についての紹介がほぼ毎日投稿されています。CMのように手の込んだ編集をされた動画など、コンテンツとして見応えのある投稿が目立ちます。いいね数は20から50程度、コメントやシェアは数件にとなっています。



https://www.facebook.com/ABB/posts/10158331671602262


自社のロボットで医療用のフェイスシールドを製造する様子を動画で紹介した投稿です(動画の投稿自体は「ABBRobotics」のもの。ABB本体のFacebookページが同投稿をシェアしている)。すでに6,000枚以上を寄付したことにも触れ、技術力と共に社会貢献についても訴求しています。この動画は200件以上シェアされました。


LinkedInの運用事例



https://www.linkedin.com/company/abb/


ほぼ毎日投稿しており、Facebookと同じ内容の投稿も多く見られます。いいね!数が1,000を超えることも多く、コメントは数件から20件以上つくこともあります。



https://www.linkedin.com/posts/abb_ai-robotics-automation-activity-6643144003069976577-YwiD/


グループ会社のSami Atiya氏の投稿を引用したものです。登壇したときの画像を添えつつ、新しいビジネスや業界の成長についての意見を丁寧に伝えています。


事例3:Bechtel Corporation(ベクテル)


石油コンビナートや発電所、ダムなどの建設を担うアメリカの建設会社です。Facebookのフォロワー数は約10万人、LinkedInのフォロワー数は約62万人です。


Facebookの運用事例



https://www.facebook.com/bechtelcorp/


事業内容や企業としての社会活動を紹介する内容などが、画像を中心にほぼ毎日のように投稿されています。いいね数は200から500ほどで、コメントは100件近くつくこともあります。



https://www.facebook.com/bechtelcorp/posts/2843153145727850


子どもや学生にエンジニアリング活動を提供する非営利団体と提携し、エンジニアリングの学びを提供している様子を発信しています。社会貢献への取り組みを訴求し、広く共感を得られる投稿です。



https://www.facebook.com/bechtelcorp/posts/2951755744867589


マスクや手袋を医療施設や警察などに寄付をしたという投稿には、400以上のいいねと30件以上の称賛コメントが寄せられ、20以上のシェアにもつながっています。


 


LinkedInの運用事例



https://www.linkedin.com/company/bechtel-corporation/


投稿頻度や内容はFacebookと同じ部分も多く、明確に使い分けられてはいない様子です。いいね数は300から1,000ほどですが、3,000を超えるいいねを獲得している投稿も見られます。



https://www.linkedin.com/posts/bechtel-corporation_gastech2019-wearebechtel-activity-6580199382501605376-3nwU/


ビジネスカンファレンスの光景を早送りの動画で投稿したものです。常に人が多く集まり、会場の盛況ぶりや業界で注目されている様子が伝わります。


4. まとめ


Caterpillar社のように、Facebookでは一般向けに親しみやすさを意識した投稿を、LinkedInでは従業員インタビューや仕事内容を紹介する投稿をするなど、SNSをうまく使い分けることでブランディングに成功している事例も見られます。また、同じ投稿をしたとしてもFacebookとLinkedInでいいね数やコメント数の反応が違うことも珍しくありません。


潜在顧客へのリーチや人材確保、企業イメージの向上など、SNS活用によって得られるメリットは多くあります。グローバルに展開する企業ならば、特にFacebookとLinkedInの活用に注力すべきだといえるでしょう。


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