ソーシャルメディアを利用する企業は知っておくべき9個の消費者のホンネ調査|何を企業に期待しているのか?
2012/04/17
今回は、海外の『SOCIAL BRAND EXPERIENCE』という調査を元に、ソーシャルメディア上でブランドと繋がる消費者のホンネをご紹介します。
彼らが関わりを持つブランドに何を求め、どういう対応を望んでいるのかを理解する一助になれば幸いです。
■目次
Q1. ブランドと繋がる理由は?
Q2. ブランドとコミュニケ―ションを取りたい時はどんな方法で?
Q3. トラブルの解決策や商品アドバイスが欲しい時はどうする?
Q4. オンラインのカスタマーサービスやサポート対応では返信はいつまでに欲しい?
Q5. 最近の新しいソーシャルメディアの使い方は?
Q6. ソーシャルメディアのおかげで何をするようになったか?
Q7. ブランドに”いいね!”する理由は?
Q8. ブランドに”いいね!”したら何を期待するか?
Q9. 最近ソーシャルメディアを通してブランドと関わった時どうだったか?
Q1. ブランドと繋がる理由は?
A. 1位はゲーム/コンテンツ/プロモーションのため(65%)
消費者は、なぜソーシャルメディア上で企業とつながりを持とうとするのでしょうか?
『ゲーム/コンテンツ/プロモーションのため(65%)』という回答が最も多く、次に『新しい商品情報を得るため(55%)』という回答が多く集まりました。
注目したいのは以下の3つの声です。
- 3位 :ファンであることを周りに示すため(38%)
- 4位 :素晴らしい体験について話すため(32%)
- 6位 :ブランドの他のファンと繋がるため(25%)
このように言ってくれるファンは、他のファンに対しても良い影響を与えてくれます。はじめてその企業とつながったユーザーも、こういった高ロイヤリティユーザーの声・姿を見て、その企業に対する信頼感が増して行きます。
ソーシャルメディアで一からロイヤリティユーザーを育てるのではなく、他の接点でも「本当のファン」になって貰えるユーザーを育てられると、ソーシャルメディアの運用もスムーズに行きます。
<データの日本語訳>
- 1位 ゲームや、コンテンツ、プロモーションのため(65%)
- 2位 新しい商品情報を得るため(55%)
- 3位 ファンであることを周りに示すため(38%)
- 4位 素晴らしい体験について話すため(32%)
- 5位 キャンペーンが好きだから(27%)
- 6位 ブランドの他のファンと繋がるため(25%)
- 7位 特別なイベントやユニークな経験機会を狙って(20%)
- 8位 サービスやサポートを受けるため(13%)
- 8位 新しい商品や特徴について自分の持っている意見をシェアするため(13%)
- 10位 良くない経験に関して不満を言うため(8%)
- 11位 ソーシャルメディアを全く知らない(4%)
Q2. ブランドとコミュニケ―ションを取りたい時はどんな方法で?
A. 1位はメールを送る(65%)
消費者がブランドとコンタクトをとる場合、メールやwebなどのオンライン上でのやり取りが多いようです。
反対にFacebookページへの投稿や、対面での関わり方をしている人は少ないようで、顔の見えない手軽なやり取りを望む傾向にあります。
FacebookがEメール、カスタマーサポートへの電話より少ないのは『何か相談しようと目的意識が働いた時の連絡手段として、メール・電話という方法が意識付けされている』という理由かなと思います。(私も何か困ったら、まずはその会社のサポートに電話しますし。)
Facebookページでのコミュニケーションは、普段の親近感の醸成や、セレンディピティの提供、価値ある情報の提供などに努めつつ、もし仮にサポートの場所としてFacebookページを育てたい場合は、そのように意識付けしていく取り組みが必要だと思われます。
Facebookページのメッセージ機能が、この調査実施段階で実装されていなかったことも、33%しかFacebookと答えなかった理由の一つかと思います。
<データの日本語訳>
- メールを送る(65%)
- 企業HPのフォームに記入する(50%)
- カスタマーサービスに電話する(44%)
- 企業のFacebookページに投稿する(33%)
- 自分のFacebookページに投稿する(29%)
- 小売店を訪ねる(25%)
- フォーラムのディスカッションに参加する(23%)
- SMSメッセージを送る(12%)
- ツイートする(12%)
- イベントに参加する(6%)
Q3. トラブルの解決策や商品アドバイスが欲しい時はどうする?
1位は、その会社のHPに行って関連情報を探す(77%)
1~3位までをオンラインでの行動が占め、特に企業のウェブサイトに行くや、同じような問題を抱えた人を探すと回答した人は6割を上回っています。
サポートセンターなどの充実ももちろんですが、消費者が気軽にアクセスできるようにオンラインコンテンツでの情報開示や、ケーススタディーを増やしておくと良いでしょう。
<データの日本語訳>
- 1位 その会社のHPに行って関連情報を探す(77%)
- 2位 同じ悩みがある人の声をネットで検索する(63%)
- 3位 製品に詳しい人をネットで検索する(46%)
- 4位 その会社のHPに行って質問・要望を書き込む(44%)
- 5位 お店に行って誰かに直接相談する(29%)
- 6位 会社に電話する(25%)
- 7位 メーカー以外のニュースサイトなどを探す(17%)
Q4. オンラインのカスタマーサービスやサポート対応では返信はいつまでに欲しい?
A. 1位は、24時間以内(47%)
やはり消費者側としては早めの対応が望ましいようです。
「すぐに」「一時間以内」も合わせて、およそ9割の人たちが一日以内での回答を期待しています。
悪い評判が広まりやすいのはもちろん、Facebookでは良い評判も波及しやすいため、こうした一人一人への素早い対応が結果ブランドイメージの向上に繋がります。
<データの日本語訳>
- 1位 24時間以内(47%)
- 2位 すぐに(22%)
- 3位 1時間以内(19%)
- 4位 数日以内(12%)
Q5. 最近の新しいソーシャルメディアの使い方は?
A. 特別優遇や割引といったアドバンテージを取得する(79%)
twitterでのフォローや、Facebookで”いいね!”することを除けば、ディスカウントなどの特別待遇や、ゲーム、アプリなどの個人消化できるコンテンツが活発であるようです。
他の消費者からアドバイスをもらったり、したりという他者との関わりは上位回答に比べると低い数値で出ています。
『特別優遇や割引といったアドバンテージを取得する』というユーザーニーズに対しては、4/13に日本でもスタートしたFacebookクーポン(Facebook Offers)も上手く組み合わせてみるとよいでしょう。
※『Facebook Offers』に関して詳しく知りたい方は、「遂に4/13から日本でも開始!Facebook offers(オファー)の使い方を完全ガイド」をご覧下さい。
<データの日本語訳>
- 1位 特別優遇や割引といったアドバンテージを取得する(79%)
- 2位 ゲームをしたり、コンテンツに参加したり、お気に入りにのブランドが出しているアプリをダウンロードする(60%)
- 3位 ブランドをツイッターでフォローするか、フェイスブックでいいね!する(52%)
- 4位 自分の経験談を使っている商品と共にシェアする(51%)
- 5位 他の消費者から商品に関してのアドバイスをもらう(39%)
- 6位 自分の商品に関する知識をシェアして、他の消費者を助ける(19%)
6.ソーシャルメディアのおかげで何をするようになったか?
A. 1位は友達が提案した事に挑戦するようになった(80%)
結果を見ると、
- 友達の薦めで新しいこと(もの)に挑戦した(80%)
- 友達に新しい商品を薦めた(74%)
- 好きなブランドとより関わりを持つようになった(72%)
とソーシャルメディアによって消費者にかなり前向きな変化が起こっていることが分かります。
逆に、
- ブランドや商品の良くない経験をシェアした(42%)
- 悪い体験談を知り商品を買うのをやめた(32%)
とネガティブな行動も確かにありはしますが、ソーシャルメディア上ではポジティブな行動の方が遥かに誘引されやすいという結果が出ました。
こうした話題は前から行われているもので、既にご存じの方も多いと思いますが、改めてSNS上でのバズ、ファンとの緩やかな結合がどれだけ効果があるのかが伺えるデータです。
<データの日本語訳>
- 1位 友達の薦めで新しいことに挑戦した(80%)
- 2位 友達に新しい商品を薦めた(74%)
- 3位 好きなブランドとより関わりを持つようになった(72%)
- 4位 ブランドや商品のネガティブな経験をシェアした(42%)
- 5位 悪い体験談を知り商品を買うのをやめた(32%)
Q7. ブランドに「いいね!」する理由は?
A. ロイヤルカスタマーだから(49%)
いづれの選択肢も5割を超えて回答されたものはなく、「いいね!」する理由に偏りはないようです。
「ロイヤルカスタマーだから(49%)」や「ブランドや商品の更新情報を知りたい(46%)」といった純粋なファンの声もあれば、「インセンティブや報酬を望んで(46%)」や「特別割引やイベントを望んで(43%)」というご褒美目当てのファンも半々くらいいます。
<データの日本語訳>
- 1位 ロイヤルカスタマーだから(49%)
- 2位 ブランドや商品の更新情報を知りたいから(46%)
- 2位 インセンティブや報酬が欲しいから(46%)
- 4位 特別割引やイベントを狙っているから(43%)
- 5位 コンテンツに賛同できるから(30%)
- 6位 聞いたことをやってみたから(26%)
- 7位 貢献したり、他の消費者を助けたいから(24%)
- 8位 お気に入りのブランドを友達に薦めたり、繋げたりしたいから(19%)
- 9位 他の消費者と関わりたいから(17%)
Q8. ブランドに「いいね!」したら何を期待するか?
A. 1位は、見合った特別優待(67%)
6つの選択肢のうち、4つが過半数の人に投票されていることから、消費者のニーズは多岐に渡り、一概に「これ」と断定できないことが分かります。
見合った特別待遇(67%)や、ゲーム、コンテンツ、その他のユニークな体験(57%)はこれまでのデータからも納得がいくものと言えます。
ここで注目すべきは、他の消費者と関わったり、自分の経験をシェアする(60%)という回答。
ブランド側としては、Facebook上で交流が生まれるようなコンテンツ作りも今後重要に来ると考えられます。
<データの日本語訳>
- 1位 見合った特別優待(67%)
- 2位 他の顧客と関わり、自分の経験をシェアすること(60%)
- 3位 ゲーム、コンテンツ、他のユニークな経験機会を見つけること(57%)
- 4位 サービスやサポートを理解すること(50%)
- 5位 新しい商品や特徴への考えをシェアすること(41%)
- 6位 特にない(25%)
Q9. 最近ソーシャルメディアを通してブランドと関わった時どうだったか?
A. 1位は、良い経験が出来たがもっと良い経験をしたい。
合計が101%になってしまっていますが、概ねいい印象を感じている消費者が多いようです。
悪い印象を抱いた消費者は全体の10%程度という結果が出ました。
<データの日本語訳>
- 1位 良い経験が出来たが、もっと良い経験をしたい。
- 2位 私が思っていた以上のものだった。
- 3位 参加したが体験は普通だった。
- 4位 経験という経験はしていない。
- 5位 時間を無駄にした。
調査概要
調査方法 | インターネットリサーチ |
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調査対象 | 64歳までの男女 |
有効回答数 | 約1300サンプル |
調査日時 | 2011年の4ヵ月間 |
調査主体 | Lithium |
以上、『ソーシャルメディアを利用する企業は知っておくべき9個の消費者のホンネ調査|何を企業に期待しているのか?』でした!
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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部