【Facebook】いいね!と超いいね!の相関関係は?リアクションからみるユーザー心理を分析!
2016/02/19
1月、皆さんのニュースフィードにも突如現れた、新しい「いいね!」機能。これによりユーザーは、友だちや企業のFacebookページの投稿に対して、悲しみや驚きといった気持ちを「悲しいね」や「すごいね」を使って、より豊かに表現できるようになりました。
導入から1ヶ月が経ち、投稿者と見た人のコミュニケーションがより活発になったと思います。そこで本記事では、実際の投稿に付けられたリアクションを調べ、ユーザーの心理を考察してみました。
なお、調査ではFacebookページのなかでもファン数が多く、投稿頻度も高い、なるべく多種多様なジャンルの人気アカウントを選び、それぞれ過去1ヶ月分をさかのぼって調べました。以下になります。
アマゾン、楽天、スターバックスジャパン、マクドナルド、コカコーラ、サッカー日本代表、au、ソフトバンク、ANA、JAL、無印良品、ユニクロ、スポットライト、grape
■目次
1.リアクションに相関性はあるのか
2.「どう反応すべきか難しい」投稿へのリアクション
3.最も使われにくい「ひどいね」から考えるユーザー心理
4.まとめ
1.リアクションに相関性はあるのか
「いいね!」と「超いいね!」の相関性について
ラボ編集部が集めた投稿をリスト化し、リアクションの数字を見比べたときの印象から、「『いいね!』と『超いいね!』には相関性があるのではないか?」と仮説を立てました。つまり、「いいね!」がつけば「超いいね!」も伸びてくるのではないか、ということです。
そこで、実際に相関関係を調べてみました。現在、「いいね!」が10,000を超えると、百や千の位といった、細かい数字が分からなくなってしまう仕様なので、そうした投稿は除外して、前述したアカウントの投稿を計算します。
Rの2乗が、「1.0」に近いほど相関性が高いとされる近似曲線。結果は0.59(小数点第3位以下切り捨て)となりました。
編集部は希望的観測も込めて、「0.8くらい?」と思いましたが……すべてのアカウントを調べたわけではありませんが、まあまあ相関するという結論に至りました。
「超いいね!」と「すごいね」の相関性
「他のリアクションとの相関性は?」ということで、いいね!以外に押される頻度が高い「超いいね!」と「すごいね」の2つも調べてみました。
こちらは0.33(小数点第3位以下切り捨て)と、いいね!と超いいね!に比べると相関関係が弱い結果に。したがって、それぞれのリアクションの多寡は、コンテンツのジャンルや性質を抜きにして、簡単には説明できなさそうだといえます。
ポイント
・必ずしも、それぞれのリアクションに相関性があるとはいえない
まだリアクションが導入されて間もないことや、調査が人気アカウントに絞っていることもありますが、ある程度の参考値にはなったと思います。ここから、「いいね!」と「超いいね!」はどちらか選んで押される場合がある一方、その他のリアクションは、コンテンツ次第でバラけると分かります。一部後述しますが、「悲しいね」や「ひどいね」は比較的押される場面が少なく、今回じっくり検証することは諦めました。
2.「どう反応すべきか難しい」投稿へのリアクション
リアクションが豊富になったことで、「何か反応したいけど、何を押せばいいんだ…」と一瞬、困ったことはありませんか? この項では、企業の投稿に対して、ユーザーのそうした心理が反映されているものを、ピックアップしてみました。(下記の投稿は、2016年2月17日時点のもの)
楽天「一平ちゃん チョコ(味)」の投稿
コクのあるソースで有名な明星の人気商品「一平ちゃん」に、チョコソース味が。それを楽天が、自社サイトへ誘導させるFacebook投稿をしたところ、非常にたくさんのリアクションが生まれました。
そのユニークさから、「すごいね」が多くつきました。加えて、「悲しいね」や「ひどいね」も目立つ結果となりました。もしかしたら、従来の味に思い入れの強いファンのブーイングや、冷やかしの気持ちなのかもしれませんね。いずれにせよ、それまでの「いいね!」だけでは表せなかった、ユーザーの隠れた感情をリアクション機能がうまくカバーしています。
ソフトバンク「災害用伝言版/音声お届けサービス」の投稿
こちらは、阪神・淡路大震災が起こった1月17日に合わせて投稿された、ソフトバンクの災害用伝言版/音声お届けサービスに関する投稿です。「いいね!」の数もありますが、やはり「悲しいね」が目立ちます。
頼もしいサービスが提供されて嬉しい気持ちと、当時の被災者に対する追悼の気持ちが表れています。どちらのリアクションにせよ、押したユーザーの気持ちが理解できる投稿です。元々、リアクション機能の導入の背景には、「悲しいニュースに『いいね!』は付けられない」という不満がユーザーにはありました。そうした意味では、Facebook側がうまく対応し、エンゲージメントの向上につなげたといえます。
ポイント
・リアクションから、ユーザー同士でも盛り上がりが分かるようになった
ユーザーのリアクションには、上記で取り上げたような個人差がでてくることがあります。さまざまなリアクションを獲得した投稿は、ユーザー間で盛り上がりが見えるので、それだけ面白く話題性があると分かります。いまや、単純に“「いいね!」数が多い=面白そう”という図式はなくなったといえます。そこで、さまざまな反応が得られそうなコンテンツを予想し、定期的に狙いをつけて配信することで、ユーザーのアクションをさらに活発にしたいですね。
「一平ちゃん チョコ」以外にも、リアクションされやすい投稿がいっぱいの楽天市場
3.最も使われにくい「ひどいね」から考えるユーザー心理
前述したアカウント群のなかで、リアクションが多いものを選びだしてみてみると、「ひどいね」が多く押された投稿は、わずか2つでした。スポットライト「虐待を受けていた犬が…」の投稿と、先ほど紹介した楽天「一平ちゃん チョコ」の投稿です。
一般的には、悲しい報道や残忍な事件といったニュース性の高いトピックを取り上げる場合に、「ひどいね」がつきやすい傾向にあります。そのため、自社の商品やサービスをPRしているFacebookページに、「ひどいね」がされることは基本的に稀です。操作ミスやイタズラもあるので常に0だといえませんが、編集部が調べた人気アカウントの範囲では、「ひどいね」が10つ以上のものは非常に少ないです。
ポイント
・企業アカウントの投稿では、「ひどいね」の押される場面が少ない
ユーザーの心理として、「ひどいね」を押すぐらいなら、何も押さないでページをスクロールしてしまう人もいそうです。また、投稿にたいして不満をいだく人の中には、リアクションではなく、コメント欄で感情をぶつける人もいるでしょう。
■まとめ
いかがでしたか。導入されて間もない、あくまで現時点での調査でしたが、少しでもみなさんの参考になれば幸いです。それでは、今回のまとめに入りましょう。
・必ずしも、それぞれのリアクションに相関性があるとはいえない
・リアクションから、ユーザー同士でも盛り上がりが分かるようになった
・企業アカウントの投稿では、「ひどいね」の押される場面が少ない
以上、「いいね!と超いいね!の相関関係は?リアクションからみるユーザー心理を分析!」でした。