LINEがWebサービスを全部もっていく?LINE@リニューアルの狙い・影響を推測してみた。
2014/04/25
ぐるなび、ホットペッパー、じゃらん…色々これからどうなる?
LINEは4月24日に、LINE@の大幅なリニューアルを発表しました。
今回店舗向けに新たに追加される機能は、
1.お店の情報(メニュー・クーポン・写真など)掲載できる『お店ページ』
2.LINEでお客様とメッセージがやり取りできる『お店トーク』
3.無料でいくつかの機能を利用できる新料金プラン
の3つです。今年の5月から提供開始で、事前登録は昨日から始まっています。
実店舗向けのサービスが一気に充実するため、多くの既存の店舗予約・クチコミサービスに影響を与えると考えられます。今回の記事では、リニューアルの概要と、LINE@の台頭で影響を受けそうなサービス・LINEの狙いを考察してみたいと思います。
- ■目次
LINE@が大幅リニューアル!3つの新機能で予約サービスに殴り込み!?
1.更に充実したお店情報を掲載できる『お店ページ』
2.コミュニケーションが取れる『お店トーク』
3.2つの新機能を『無料』で使えるプランが登場!?
予約・クチコミサービスは今後どうなる?
1.ぐるなびなどの『店舗向け情報掲載サービス』
2.食べログなどの『エンドユーザー向けサービス』
LINEの狙いは?
LINE@が大幅リニューアル!3つの新機能をご紹介
5月よりLINE@に導入される3つの新機能を、簡単におさらいしていきます。
1.更に充実したお店情報を掲載できる『お店ページ』
これまでよりも更に詳しい店舗情報が掲載できる『お店ページ』が追加されます。
※画像引用:http://blog.lineat.jp/archives/37677542.html
新たにお店ページに掲載できるようになる情報は:
・メニュー
・クーポン
・写真・動画
などです。サンプルとして紹介されているトップページはシンプルで、かなり使いやすそうな印象を受けます。
2.コミュニケーションが取れる『お店トーク』
お店ページからお客様とお店がメッセージのやり取りができる『お店トーク』も、今回新たに追加されました。
※画像引用:http://blog.lineat.jp/archives/37677542.html
今回追加された機能の目玉となるのはこちらではないでしょうか。
これまでは店舗が一方的にメッセージを送ることしかできませんでしたが、これからは双方メッセージのやりとりができるようになるということになります。
予約や意見の募集、問い合わせ対応など、様々な用途で使われることが予想されます。
LINE電話とも提携か
Markezineは先日発表された格安のLINE電話と連携して、LINE@加盟店舗に発信した場合は通話料が無料になるフリーダイヤルを提供すると報じています。
実現すると更に予約機能の充実が進みますね。
3.2つの新機能を『無料』で使えるプランが登場!?
更に上記の2つの機能の発表とあわせて、新しい料金プランを発表しました。
※画像引用:http://blog.lineat.jp/archives/37677542.html
気になるのは1番左のプラン。月額費用は無料で、メッセージ配信は月1回だけに制限されていますが、お店ページ・お店トークが普通に使えるプランとなっています。
友達数が一定を上回ると別のプランに替える必要がありますが、通常プランの5000円(税抜)も大概安いので、かなりお得なプランなのではないでしょうか。
今回発表された内容のまとめ
今回の発表から現時点で読み取れる、今後のLINE@のメリットと気になる点をまとめると、以下のような感じでしょうか。
LINE@のメリット
・破格の料金プラン(無料もある)
・リアルタイムでメッセージを送れるプッシュ通知
・クーポン・店舗情報などの店舗向けサービスの充実
・予約がリアルタイムで対応できるようになる
・LINE@と連携した無料電話予約サービス
・元々のLINEのユーザー数が多い(日本国内ユーザー数5000万人)
LINE@の気になる点
・店舗側のタスクが増えそう(LINE@の予約管理など)
・「予約したい」というメッセージに対する「自動返信機能」の有無(ここにスタンプの活路はあるか?)
・位置情報サービスと連携するのか
・クチコミ・ランキング機能の有無
まだ始まっていませんが、こういったところがポイントになりそうです。
LINE@のリニューアルで店舗予約サービスはどうなる?
さて、かなり色々なサービスに影響を与えそうなLINE@のリニューアルですが、特にWeb系店舗予約・クチコミ系サービスの勢力図がガラリと変わりそうです。
今わかっている情報から、今後LINE@にユーザーをもっていってかれる可能性のあるサービスをまとめました。
1.店舗向け情報掲載サービス
店舗から掲載料を取ってクーポンや予約システムなどを提供する店舗向けサービスは、LINE@の影響をモロに受けそうです。
ぐるなび
会員数は1330万人、有料加盟店舗数は約5万2500件の日本最大級の飲食店情報掲載サイト。レストランのサポーターとして、広告出稿などの店舗向けサービスで主に収益をあげる。
ホットペッパー
リクルートが運営する、6.6万件を超える掲載数を抱える飲食店の情報検索サイト。クーポンが充実しており、登録店舗から収益を上げる。
OpenTable
アメリカ発の、世界中に5億3000万人のユーザーを抱えるオンラインレストラン予約サービス。世界中で3万店舗が参加しており、日本でも東京・大阪・神奈川を中心に1660店が加盟。
グル―ポン
飲食店に限らず、様々なジャンルのお店で使えるクーポンを購入できる大手サービス。いわゆる「※共同購入型」で成り立っている。
※共同購入型:一定数がクーポンを購入しない限りクーポンが成立しない仕組み。クーポンには使用期限もある。
OZmall
20~30代の女性向けの、グルメや温泉、エステやサロンなどが予約ができるサービス。会員数は200万人を超え、コラムなどのコンテンツの他に掲示板も備わっている。
ホットペッパービューティー
美容室やサロンを予約できる日本最大級のサービス。登録されている店舗数は3万7478店舗。
じゃらん
日本最大級の宿・ホテル予約サイト。クーポンなどの店舗向けサービスだけでなく、クチコミベースのランキング機能付き。昨年度の予約受付人泊数は7,118万人泊。
2.エンドユーザー向けサービス
店舗向けのサービスよりも、クチコミに力を入れたユーザー向けサービスも、LINE@の拡大に伴ってユーザーをもっていかれる可能性は考えられます。
食べログ
1年間のオンライン予約数は40万件で、有料店舗数は約2万6000軒という、日本最大級のオンライン飲食店クチコミサービス。ユーザーからの課金もあり、プレミアム会員は32万人。
Retty
FacebookやTwitterと連動する、友達のおすすめに力を入れているグルメサービス。簡単にリストも作成でき、実名制であることが特徴。会員数は200万人を突破しており、総クチコミ投稿数は80万件。
Yelp
つい先日日本に上陸したばかりの、世界25カ国でサービスを展開するクチコミサイト。レビューの総投稿数は5300万件を超え、レストランだけでなく、ホテルやサロン、小売店など実店舗を持つ企業なら何でもレビューできるサイト。食べログのライバルと目されている。
LINEの狙いは?
挙げ出したらキリが無いですが、LINE@に脅かされる大手サービスはこの辺りではないでしょうか。
今回の動きから、LINEの狙いや具体的な影響を推測してみます。
LINEの狙い・具体的な影響
・特に店舗向けの『情報掲載サービス』市場狙いか
・価格を落としハードルを下げることで、LINEの代表取締役社長 森川氏の「インフラになりたい」という願いに一歩前進
・元々LINE@はユーザーを抱え込むストック型プラットフォームなので、今後はLINE@から他サービスへの流出が減る
・元々LINEはスマホに特化しているので、リアルタイム性はどのサービスよりもLINE@に分がある
・「LINEで送る」といったプラグインまで出てくると、WebページからのLINE誘導も増えて手が付けられなくなりそう
最後に
特に店舗情報掲載サービス市場に直撃しそうなので、ぐるなびやホットペッパー、じゃらん、OZmallといったサービスが、目下の対抗馬となりそうです。
また現時点ではクチコミ機能はないですが、間接的にユーザーをもっていかれる可能性もあるので、食べログなどの市場もおそらく脅かされるでしょう。
さらにLINEもSNSなので、クチコミやランキング要素など、何か仕掛けてくる可能性もあります。そうなってくると、日本上陸を宣言したばかりのYelpやRettyなどとも、真向からぶつかり合うことになります。
実店舗向けのWebサービスの勢力図が大きく変わるかも知れない今回のLINE@のリニューアル。今後も詳しくウォッチしていきます。
以上、『LINEがWebサービスを全部もっていく?LINE@リニューアルの狙い・影響を推測してみた。』でした。
ガイアックスのLINE公式アカウント・LINE@運用代行サービス
◆ガイアックスではLINE公式アカウント・LINE@の運用代行・支援サービスをご提供しています◆
ご興味がおありの方はこちらのサイト(ガイアックスのLINE公式アカウント/LINE@運用代行サービス)をご参照の上、お気軽にご相談ください。
また、LINEのアカウント導入をせずに、LINEユーザー向けにオリジナルスタンプ配信も可能になりました。詳しくはこちらのモバリストのページへ!
合わせて読みたいLINE関連記事
・これで完璧に分かるぞ!LINE公式アカウントとLINE@の違い【2014年版】
・1分で理解できる【LINE3つの新サービス】簡潔まとめ&ビジネスコネクトで出来ること
・LINEの費用対効果ってどうなの?LINEのファン獲得単価はやっぱり低そう!【試算結果を公開】
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部