【初心者向け】ゼロから分かるTikTok! 企業が活用するための基礎知識を徹底解説
2022/02/25
縦型短尺動画SNSとして人気のTikTok。近年は企業のビジネス活用も盛んに行われています。この記事では、TikTokの活用に興味はあるものの馴染みがない方向けに「企業が活用するにあたって知っておきたいこと」を網羅的に解説します。
- ■目次
- TikTokとは?特徴や理解しておきたいポイント
- 企業がTikTokを活用するメリット
- TikTokの企業活用事例と活用のポイント
- 投稿分析も可能!TikTokのビジネスアカウントについて
- まとめ
1. TikTokとは?特徴や理解しておきたいポイント
https://apps.apple.com/jp/app/id1235601864
TikTokは、中国のByteDance社が運営する短尺動画プラットフォームです。日本では、2017年にリリースされました。全画面表示の縦長動画を投稿できるSNSで、アプリから動画の撮影、加工、投稿などが可能です。他のSNSと同じようにフォローやいいね、コメントなどの機能もあります。
TikTokのユーザー数(国内/国外)とユーザー層
TikTokの海外月間アクティブユーザー数は10億人。国内の月間アクティブユーザー数は950万人です。
若年層を中心に人気が拡大しており、特に10代のTikTok利用率は全体の3割を超えています。
TikTokの特徴① 縦型短尺動画のプラットフォーム
TikTokはショートムービーのプラットフォームです。日本国内以外も含めると10億人のユーザーを抱えており、短尺の縦型動画に関するデータ量は随一です。
このデータ量がユーザーの閲覧行動や、より支持される動画をレコメンドする精度の高さにつながっています。
TikTokの特徴② 高精度のレコメンドによる新規リーチのしやすさ
コンテンツをレコメンドする精度が高く、ユーザーもフォローしていない人の動画も表示される「おすすめ」のフィードをよく利用しているため、新規リーチがしやすいのがTikTokの特徴です。
デモグラフィックデータや、アプリ内行動から分かる興味関心とユーザーの環境、そして動画の特徴を掛け合わせ、AI が「おすすめ」に掲載するコンテンツを決定しています。このためユーザーの興味関心に合ったコンテンツ配信ができるのです。
TikTokの特徴③ 1日当たりの滞在時間が長く、国によってはYouTubeを超える
TikTokは1日当たりのユーザーの滞在時間が長く、国によってはYouTubeを超えています。
米国の調査会社AppAnnieのレポートによると、米英ではTikTok利用時間がYouTubeを上回っています。また、同社の別の調査によると、ユーザーの1日当たりの滞在時間も40分と長い点が特徴です。短時間でさまざまなコンテンツに触れられるフォーマットが支持されているようです。
またTikTokが生まれた当初から人気のリップシンクや、踊ってみた系の投稿に加え、近年は英会話や生活の便利術などの動画も投稿されるようになりました。コンテンツの幅が広がり、お役立ち情報の収集目的としても利用されています。
参考:https://realsound.jp/tech/2021/07/post-807827.html
https://markezine.jp/article/detail/31770
2. 企業がTikTokを活用するメリット
TikTokの流行以降、縦型短尺動画自体への注目も集まっており、Instagramではリールが生まれ、YouTubeもYouTubeショートに力を入れている様子です。
企業としてもこの流れは無視できないものであり、縦型短尺動画の活用を視野にいれている企業は多いでしょう。TikTokは中でも有力なプラットフォームの一つであり、公式アカウントの開設や広告出稿など、様々な活用方法が考えられます。ここでは、企業がTikTokを取り入れるメリットをまとめます。
1. 若年層をメインに幅広い世代にアプローチできる
TikTokは、SNSの中でも特に若年層へのアプローチに強みを持っていると言えます。10~20代のユーザーを中心に人気を博しており、先述の調査結果によれば10代の3割が利用。閲覧はもちろんのこと、実際に動画を投稿したり、TikTokを使って動画を撮影したりという使い方をしている人は若年層が多いと考えられます。
同時に、実はユーザーの平均年齢は34歳。ミレニアル世代のリーチにも有効です。ユーザー層が広がりつつあるため、今後はアプローチできる対象も広がっていく可能性が高いでしょう。
2. 企業アカウントの投稿が一般の投稿に馴染みやすい
どのようなクリエイティブを活用するかによりますが、TikTokは企業アカウントの投稿が一般の投稿に馴染みやすいUIになっています。
縦型動画が全画面に表示され、ユーザーはコンテンツに意識を集中します。このため、アカウント運営者が企業であるかどうかをユーザーが意識しにくいのです。実際に、企業アカウントの投稿に対して「公式だと気づかなかった」というようなコメントがついているのも見られます。
TikTokで反応がいい(ウケがいい)コンテンツを作れれば、企業でも一般ユーザーやインフルエンサーのように拡散することが可能です。
3. ユーザー参加型のプロモーションが盛ん
TikTokでは、ハッシュタグを用いてユーザー投稿を促すキャンペーンが盛んに行われています。このキャンペーンは企業によるプロモーションもあれば、TikTok自体が主催している場合もあります。
キャンペーンに便乗して拡散を狙ったり、フォローを増やしてインフルエンサーになろうとしたりするユーザーの動きもあり、ユーザー参加型のキャンペーンやUGCの創出に取り組みやすい土壌ができているのです。
UGCが増えれば、自社アカウントのフォロワー以外にもサービス内容や企業名が届きますし、創出されたUGCをさらにプロモーションに活用することなども可能です。
3. TikTokの企業活用事例と活用のポイント
ここからはTikTokの企業事例を挙げながら、活用のポイントを紹介します。
ポイント①親しみやすい、”企業アカウントっぽくない”コンテンツ・運用方針
TikTokを企業として活用するなら、まず「親しみ感の醸成」がポイントです。サービスの宣伝や紹介もほかのユーザー投稿と同じように、コンテンツとして調和させる方が視聴数は伸びやすくなります。
事例1:ほっともっと
お持ち帰り弁当のチェーン店である「ほっともっと」のアカウントです。フォロワー数は12万人を超えており、投稿動画は多いときで100万回以上再生されています。
多くはお弁当の盛り付け動画ですが、TikTok内で流行っている音源を使い、その音源に合わせた表現をしているため、一般の投稿とも馴染みやすく、ユーザーにも受け入れられています。
@hottomotto_com こう見えて実はほっともっと… #ほっともっと #ほっともっとしか勝たん #hottomotto #お弁当 ♬ เสียงต้นฉบับ – inosuke22164 –
この投稿は、「こう見えて実は…」と意味深なフレーズを提示、先を気にならせるというTikTokによくあるフォーマットをまねて作成されています。再生・逆再生や、ズームイン・ズームアウトなどの撮影テクニックもフル活用して、「TikTokっぽい」動画に仕上がっています。。
事例2:サッポロポテト
日本のスナック菓子メーカー・カルビーが販売する「サッポロポテト」の公式アカウントです。フォロワー数は約3万人。多く再生されている動画は、100万回再生を超えています。
レシピ動画をメインに、自社商品を使ったリュックの作り方や食べ終わったあとに袋を小さくたたむ方法など、ネタ投稿、役に立つ投稿を組み合わせて運用されています。
@calbeesapporo 好きなじゃがいも料理を教えてね#カルビー #サッポロポテト #いももち #今日何食べた ♬ Wink – Sound Effect
この投稿では、商品を使ったアレンジレシピを紹介しています。使う材料を極力少なくし、「サッポロポテト」メインのレシピを考案。「こんなふうに食べられるんだ!」という意外性により、ユーザーの興味を惹きつけています。
参考:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/4036/
事例3:サブウェイ
サンドイッチのファーストフードチェーン・サブウェイの公式アカウントです。フォロワー数は2万9,000人で、よく見られている投稿は再生回数200万回を超えています。
サンドイッチを作成している様子の動画を中心に、働いたことがある人だけがわかる裏方あるあるなどの動画も投稿。トマトスライサー(まるごとのトマトを瞬時に輪切りにする器具)の投稿は、全体的に人気を博しています。
@subwayjapan Reply to @tuckinshuichiro 注文方法はコメント欄へ→#tiktok動画コンテスト #tiktok教室 #サブウェイ #終わらないで夏 ♬ YouTube funny and nimble melody(895132) – RK Sound
この投稿では、動画についたTikTokユーザーからのコメントに答えるかたちで動画を作成。野菜のイメージが強いサブウェイのサンドイッチですが、リクエストに応えて「肉ドデカ盛りサンド」を作る様子を紹介しています。ユーザーからの「~なサンドないですか?」という質問を拾って答えるような動画も多く、ユーザーと交流している様子が見受けられます。
ポイント②TikTok広告の活用も有効
TikTok広告には、運用型インフィード広告とタイアップ広告があります。
少額から始められる運用型インフィード広告、UGG 創出なども狙えるタイアップ広告など、企業の目的に合わせてさまざまな活用方法が考えられます。以下は、広告を使った企業の事例です。
※TikTok広告の種類や事例については、以下の記事でより詳しく解説しています。
TikTok広告とは? 種類や費用、入稿規定などを分かりやすく解説
事例4:進撃の巨人(ハッシュタグチャレンジ)
https://activity.tiktok.com/magic/eco/runtime/release/61f48fe229b051031ff15bb7
「#巨人チャレンジ」というハッシュタグを付けて投稿すると、抽選で『進撃の巨人』のBlu-rayが当たるプレゼントキャンペーンです。この、特定のハッシュタグでの投稿を促す広告メニューは「ハッシュタグチャレンジ」と呼ばれており、TikTok広告のメニューのひとつです。
お手本動画やステッカーの使い方を解説する動画を公式アカウントが投稿して、ユーザーがハッシュタグキャンペーンに参加しやすくなるよう工夫をしています。
事例5:ヴィセ(ブランドエフェクト)
画像引用:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/9297/
化粧品ブランド「ヴィセ」は、新商品「パノラマデザイン アイパレット」を疑似体験できるキャンペーンを行いました。オリジナルブランドエフェクトを選択すると、商品のアイメイクを使ったCMのような動画を撮ることができます。まばたきするたびにアイカラーの色が変化し、全5色のカラーシミュレーションが可能。実際のテスター代わりになり、ユーザーの商品購入を促しました。
この、動画撮影を通して商品やブランドを体験できるエフェクトを提供するのが、広告メニューの「ブランドエフェクト」です。エフェクトの設計により、さまざまな体験を提供可能です。
事例6:インフィード広告のクリエイティブ例
以降では、TikTokの運用型インフィード広告で参考になりそうなクリエイティブ事例を紹介します。一般ユーザーの投稿動画に馴染む広告クリエイティブにはどのようなものがあるのか、参考にしてください。
ライフスタイル情報アプリ
左:広告動画 右:遷移先
こちらはファッションやグルメ、暮らしなどのアイディアを発見する、ライフスタイル情報アプリの広告です。旅行風景を撮影したVlog風のクリエイティブを使用して、旅の中で撮影したような動画を組み合わせ、コメントを添えています。
転職サイト
左:広告動画 右:遷移先
飲食業界の転職サイトの広告です。道を歩いている画像に文字入れした動画クリエイティブで、一般ユーザーの投稿にも見られる形式です。他の投稿と馴染みやすく、ユーザーが目にしても広告を見せられている感覚があまり起きません。
ゲームアプリ
左:広告動画 右:遷移先
こちらは、ゲームアプリの動画広告です。縦型全画面を使用しており、キャラクターの動きがユーザーの目にグッと入ってきやすいクリエイティブです。
4. 投稿分析も可能!TikTokのビジネスアカウントについて
TikTokのビジネスアカウントとは
TikTokのビジネスアカウントは、TikTokのインサイトが閲覧可能になるアカウント設定のことです。個人・企業などを問わず、誰でも無料で設定可能。ビジネスアカウントなら投稿の分析はもちろん、TikTok公式が提供するビジネスコンテンツガイドや、動画のトレンドを把握できる「人気動画ショーケース」も閲覧できます。企業で活用するなら、設定しておくとよいでしょう。
ビジネスアカウントの設定方法
手順1:プロフィール欄右上にある、ハンバーガーメニューをタップします。
手順2:下部に表示される「設定とプライバシー」をタップします。
手順3:「アカウント管理」をタップします。
手順4:「ビジネスアカウントに切り替える」をタップします。
手順5:「次へ」をタップします。
手順6:活動内容に合ったカテゴリーをタップ後、「次へ」をタップすれば設定完了です。
ビジネスアカウントになると、投稿の分析ができるように
ビジネスアカウントに切り替えることで閲覧可能になるTikTokのインサイトで、確認できる数値をご紹介します。
概要
▼アプリ版のインサイト画面
▼PCブラウザ版のインサイト画面
まず、インサイト概要欄で閲覧できる数値は以下のとおりです。
※各項目の設定期間を選べます。(例:最近7日間、最近28日間など)
- エンゲージメント
- フォロワー数
- コンテンツ数
- LIVE数
さらにコンテンツ・フォロワー数・LIVEを選択すれば、それぞれの詳しい分析データを閲覧できます。
コンテンツのインサイト
- 各投稿の視聴数
- いいね数
- コメント数
- シェア数
- 人気上昇中の動画
各コンテンツの分析では、以下のさらに細かい数値を確認できます。
- 総合閲覧時間
- 平均閲覧時間
- どのセクションから動画に遷移したか
- 動画のフル視聴率
- リーチした視聴者数
- 地域(国)別の視聴率
フォロワー数のインサイト
- トータルフォロワー数
- 性別
- 地域
- フォロワーアクティビティ
※性別、地域、フォロワーアクティビティは、フォロワーが100人を越えると閲覧できるようになります。
LIVEのインサイト
- 総視聴数
- ユニーク視聴数
- ダイヤ数(LIVEで獲得したギフトの合計に応じて、還元される人気指標)
- ギフトを贈った人数
- 新しいフォロワー
- 総配信時間
- 最大同時視聴者数
※LIVEは、質の高いコンテンツを継続的に発信しているなどの要件を満たすことで利用できます。
5. まとめ
TikTokは企業アカウントの投稿も一般の投稿に馴染みやすく、ユーザーとの距離が縮まりやすい点が特徴です。親しみやすいコンテンツ作りを意識することで視聴数が伸び、ブランドや企業の認知拡大が可能になるでしょう。
現在TikTokは若年層中心のイメージがありますが、ユーザー層は広がっており、より多くのターゲット数/層にアプローチできるようになっていくと予想されます。ぜひTikTokの企業活用を検討してみてください。
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