【メタバース】企業のInstagramでの成功事例や今すぐ使える機能をご紹介!(House of Instagram Japan 2022)
2022/11/04
2022年10月5日(水)にMeta日本法人 Facebook Japan主催イベント「House of Instagram(以下、HOI)」が開催されました。本イベントのメタバースに関連するセッション(メインセッション「メタバースとInstagram」とサブセッション「Step into the Metaverse — メタバース時代のクリエイティブ」)では、現在Metaが注力しているメタバースがビジネスにもたらす価値や最新の成功事例、プロダクト活用方法などが発表されました。本記事では、特に編集部が「これは!」と思った内容をピックアップしてお届けします。
- ■目次
- Metaが考えるメタバースとは
- Instagramにおけるメタバースの企業活用事例
- 事例①:Wendy’s
- 事例②:LG Electronics
- 事例③:トヨタ自動車株式会社
- メタバースに関する意識調査
- メタバースに飛び込むために今すぐ使える5つの方法
- まとめ
Metaが考えるメタバースとは
現在、世界的に盛り上がりを見せているメタバースですが、実現には5~10年かかると言われています。Metaでは、5~10年先の未来を見据えて、InstagramやFacebook上でも”没入感のあるソーシャル体験”を利用者に提供し始めており、5~10年先のメタバースに向けた橋渡しに注力しているとのことです。
昨年10月にコーポレートブランドをMetaに変更し、新たに「メタバースの構築に寄与する」というビジョンを掲げています。メタバースを前面に押し出した社名ですが、Metaは引き続き、「コミュニティづくりを応援し、⼈と⼈がより⾝近になる世界を実現する」をミッションとして掲げており、人々の新たなコミュニケーションの場としてメタバースを提供していこうと考えているようです。
具体的な製品やサービスとしては、オールインワンVRヘッドセット「Meta Quest 2」の販売やバーチャル会議室の「Meta Horizon Workrooms」や仮想空間「Meta Horizon Worlds」の提供を開始しています。
「Meta Horizon Workrooms」は、日本のビジネスシーンでも活用されており、ヘッドセットを付けることで仮想のオフィスを体験することができます。利用者はアバターの姿で会議に参加し、まるで参加者全員がその場にいるかのような臨場感を体験することができます。
「Meta Horizon Worlds」は、利用者同士がアバターを使って交流ができるソーシャルプラットフォームです。利用者は仮想空間内で一緒にゲームを楽しんだり、コミュニケーションをとることができます。「Meta Horizon Worlds」の大きな特徴は、従来のようにプラットフォーム内に用意されている機能を楽しむだけでなく、利用者が仮想空間内に、新たなモノをクリエイトできるところにあります。メタバースは一つの企業が提供するものではなく、企業やブランド、クリエイター、そして利用者がともに作っていくものです。北米でローンチして以降、多くの企業・利用者が活用しているとのことです。日本でのローンチはまだですが楽しみですね!
なお、メタバースはVR(仮想現実)だけではありません。カメラアプリなどに搭載されているフェイスフィルターなどのAR(拡張現実)やライブコマースなどもメタバースにつながる技術です。そして、現在これらの技術をマーケティングに活用する企業が増えてきています。
Instagramにおけるメタバースの企業活用事例
事例①:Wendy’s:「Meta Horizon Worlds」を活用した事例
「Meta Horizon Worlds」内に、バーチャルなレストランと、バスケットボールを楽しめるエリアを公開しています。
メタバースだけでなく、元NBA選手を起用したTVCMも放映し、店頭・デジタル・メタバース空間内で同時プロモーションを実施。複数のタッチポイントで利用者と接触することで、広告効果を上げたそうです。
具体的な内容は言及されませんでしたが、多くの企業では、ブランドの無形価値の要素(匂い、味、音、感情)等をメタバース上に表現することで、ブランドのミッションや価値を表現しようと試みています。物理的制限のないメタバース上で表現することで、利用者は没入感のある今までにない体験ができるため、従来のプロモーションより強くブランドを印象付けられそうです。
事例②:LG Electronics:ARエフェクトを用いた事例
部屋に家具を置いた時のシミュレーションができるARエフェクトをプロモーションに活用した事例です。結果、購入意向が5.0ポイント上昇したそうです。さらに、先進的なブランド体験が行えたとのことで好感度の上昇にもつながりました。
事例③:トヨタ自動車株式会社:ARエフェクトを用いた事例
「車種の認知・特徴の理解・購入検討」と、複数のファネルを横断したマーケティングにおいてARエフェクトを活用し、成功を収めた事例になります。
製品認知では、利用者が手軽に遊べるARゲームを採用。フロントカメラを用いて、頭の動きに合わせて車が動くように設計されており、ゲームを通して楽しみながら車に触れることができるようになっています。
製品特徴の理解と購入検討においては、カタログにスマートフォンをかざすと、3D空間に車が浮かび上がるようになっています。360度どこからでも見ることができ、コンフィデーターでカスタマイズしながら車体を確認することができます。
これらのAR体験を通じて、最好意度を獲得しただけでなく、プラットフォーム上での関連会話量が増え、話題化にもつながったとのことです!
トヨタ自動車株式会社でプロジェクトを推進した担当者さんのコメントが印象的でしたので、ぜひご覧ください。
メタバースに関する意識調査
今回、紹介されていた事例はごく一部ですが、Metaの発表によると、75%のビジネスリーダーが2023年までにARまたはVRの活用を計画したいと回答しているそうです。
また、オーディエンスの86%がブランド提供のARを受け入れると回答しており、今後メタバースの利用がどんどん進んでいくだろうことがうかがえます。
メタバースに飛び込むために今すぐ使える5つの方法
メタバースの企業活動は今後主流になっていくことが予想されます。そこで、サブセッション「Step into the Metaverse — メタバース時代のクリエイティブ」で紹介された「今すぐ使えそうな機能」を紹介します!
①ARエフェクト
ARエフェクトはMeta Sparkから誰でも作成が可能です。
フロントカメラを用いたフェイスフィルターをはじめとするARエフェクトはすでに広く使われていますが、Meta曰く、今後はバックカメラを使ったARエフェクトが主流になっていくそうです。
初めての方は、チュートリアルが用意されているのでそちらをご覧いただくとよいでしょう。
作成したARエフェクトは広告で配信したり、ARエフェクトを活用して作成した動画をリールスに投稿することができます。
Meta Sparkを用いることで、クリエイティブの表現の幅が広がり、利用者に今までにない体験を提供することができます。今回HOIで紹介されたすぐに使える5つの方法の中でも最も手軽に活用できるため、メタバースへの第一歩として活用してみるとよいでしょう。
②クリエイターの活用
世界にはすでに数多くのMeta Sparkクリエイターが存在しており、FacebookグループのMeta Sparkコミュニティには10万人を超えるクリエイターの登録があるそうです!
企業は、Meta Sparkクリエイターの力を借りて、ARエフェクトを作成してもらったり、そのエフェクトを用いた投稿を行ってもらったりすることで、利用者に新たなメタバース体験を提供することができます。もちろん、作成したARエフェクトを用いた広告配信などを行うのも有効だと考えられます。
③ビデオ通話中のARエフェクト
ビデオ電話中に利用できるARエフェクトを提供することで、通話中の相手と一緒に没入感のある体験をできます。コミュニケーションを図りながら体験ができるため、記憶にも残りやすく、認知獲得や好意形成につながりやすいと考えられます。
④WebXR
XRはExtended Realityの略で、現実感のあるデジタル世界を可能にする技術の総称です。WebXRはWebブラウザ上でXRを実現する技術のことで、モバイルやデスクトップ、ヘッドセットなど、デバイスごとにそのデバイスにマッチした没入感を実現します。
VRだけでなくWEB上でも没入型を体験できる技術が進んでます。すぐに活用するには少しハードルが高いかもしれませんが、ご利用をご検討されているマーケティング担当者の方は、VR専門の会社にご相談いただくとよいでしょう。
⑤「Meta Horizon Worlds」
こちらは現時点では日本ではリリースされていませんが、Metaによると「近い将来リリースされる」とのことなので、その時に備えて紹介します!
「Meta Horizon Worlds」は、利用者同士がアバターを使って交流ができる仮想空間のソーシャルプラットフォームです。「Meta Horizon Worlds」はMetaが作った仮想空間を楽しむものではなく、クリエイターや企業、ブランドなど参加者が一緒に作り上げるものです。そのため、企業は自分たちのミッションや価値を「Meta Horizon Worlds」で表現することで、利用者に体験してもらうことができるようになります。従来のプロモーションより没入感が高く、体験型となることで、より利用者の理解や共感を得られる可能性があります。
実際にリリースされた際に、企業としてどのような価値を顧客に体験・提供できるのかを今から考えて、リリースに備えておくとよいでしょう!
まとめ
技術は日々進歩しており、メタバースの普及は遠い未来の話ではなくなってきています。企業のマーケティング担当者の皆さんも少しずつ取り入れながら、企業やブランドに合った手法を確立していくとよいでしょう!
告知:「House of Instagram」のイベント動画が公開されています。
本記事はイベント全体のほんの一部であり、紹介できなかった部分がたくさんございます。年内までの期間限定で、どなたでも視聴できるアーカイブ動画が公開されています。
House of Instagram Japan 2022(#インスタ公式セミナー)
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