【12月の主要SNSニュースまとめ】Twitter法人向けのサブスク発表・Instagram「Notes」などの新機能を発表!ほか
2023/01/13
あけましておめでとうございます。今年もラボ編集部より、SNSニュースをお届けします!
1. Twitter
休眠中の15億アカウントを削除へ
Twitter will soon start freeing the name space of 1.5 billion accounts
— Elon Musk (@elonmusk) December 9, 2022
米国時間12月9日、Twitterのイーロン・マスクCEOは、休眠中で最近活動がない15億アカウントをまもなく削除するとツイートしました。
マスク氏は「15億のアカウントのユーザー名を開放する」と表明、対象となるのは、何年もツイートせず、ログインもしていないアカウントです。
削除することで、現在使われていないアカウント名を、新たなユーザーが使えるようになります。
Twitterでは、価値の出そうな珍しいユーザー名や、有名なブランドや人物のユーザー名を取得するだけ取得して、塩漬けにしておくということが横行しています。
取得の目的は、いつか買い手が現れた時に売却したり、Twitterを使う予定はなくとも勝手に名乗られたら困る人物名や商標を保護することなどがあります。しかし、それにより他ユーザーが不本意なユーザー名を強いられるという不合理が蔓延していました。
今回はその解決を狙っていますが、これを機にしたアクティブなユーザーの呼び込みも狙いだと思われます。本意のユーザー名を取得できると、そのユーザーはアカウントを維持するために積極的にTwitterを使用したり、Twitter Blueの課金ユーザーになる可能性があるからです。
参考:https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1462726.html
文字数制限を4000文字にまもなく拡大か、長文が一括投稿できるように
12月12日、海外メディアの報道により、Twitterがまもなく文字数制限を現在の280字から4000字に拡大することが明らかになりました。
これはCEOであるイーロン・マスク氏が、「長文ツイートの準備がほぼ整った」とツイッターに投稿したことによるものです。
なお文字数は全角で140文字、半角で280文字までのため、日本語では2000文字まで投稿になると予想されています。
今までTwitterでは長文をスクリーンショットで投稿するという文化がありましたが、それは悪いUXだとイーロン・マスク氏は考えているようです。
また、長文を読ませるために外部サイトにリンク遷移させることも、閲覧者がTwitterというプラットフォームから流出することにつながる悪い事態だと言えるでしょう。
これらを解決すればさらなるTwitterの利用につながる可能性はありますが、問題はUIです。長文の長いツイートがタイムラインを独占するような見た目は考えにくいので、何かしらの形で折りたたむことにはなるでしょう。そうなると、展開のクリックを誘導するハックが流行するでしょう。
参考:https://buzzap.jp/news/20221212-twitter-character-limit-to-4000/,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2212/12/news109.html
金色バッジが登場、有料の認証サービスを再開
米国時間12月12日、米Twitterは、企業向けの認証バッジとして金色のチェックマークの提供を開始しました。日本を含む各国の企業の認証バッジが、順次金色に置き換えられています。
ツイッターの認証バッジでは、従来の青色マークに加えて企業向けに金色、政府機関向けにグレーのチェックマークを新たに採用。グレーのチェックマークは、間もなく各アカウントに表示されるそうです。
二転三転していた認証バッジの問題に一旦解決が見えそうです。
企業としては、Twitter Blueを個人が取得することで、公式のなりすましが起こるリスクが減少したので、歓迎すべき変更といえます。
Twitterは、相次ぐリストラと退職にともなう人員不足に加え、この方針がなかなか定まらなかったことで、ただでさえ遅れがちな認証バッジ申請の許可がさらに遅くなっていると言われていました。まだ完璧ではありませんが、かすかに希望の光は見えたといえるでしょう。
参考:https://www.fashionsnap.com/article/2022-12-13/twitter-gold-badge/,
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2212/13/news097.html
法人向けの「Twitter Blue for Business」発表、まずは試験運用
Today, we’re rolling out Twitter Blue for Business, a new program that lets businesses distinguish their brands and key employees on Twitter. These accounts will show a square company badge next to their display names. pic.twitter.com/d6sNPqFNnY
— Twitter Business (@TwitterBusiness) December 19, 2022
米国時間12月19日、Twitterは、Twitter Blueの企業向けパッケージ「Twitter Blue for Business」の提供開始を発表しました。まずは限定された企業において試験運用が始まっており、2023年にはより多くの企業が利用できるようになります。
「Twitter Blue for Business」は、法人向けに提供される機能。契約することで、企業はスタッフやブランドなどをいくつでも自分のアカウントに関連付けられ、その提携アカウントには青色か金色のチェックマークが表示されるようになります。
注目すべきは、企業、ブランド、従業員や役員などの関係性がTwitter上で明示できるようになることです。関係者の個人アカウントはより強いビジネスインパクトを持ちます。
この機能は、LinkedInなどには類似のものがあったのですが、Twitterでも可能になりました。これにより、発言の公式性、真実性、本人性は高まり、なりすましのリスクは軽減します。
一方で、関係性が明示された上で発言の本人性が高まると、従業員など個人アカウントの発言が企業やブランドに及ぼす影響力も強くなるので、よりルール作りやトレーニングは必要になるといえるでしょう。
参考:https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1465126.html,
https://appllio.com/news/2022-12-20-35816-twitter-blue-for-business
2. Instagram
60文字でメッセージを伝える「Notes」などの新機能を発表
https://about.instagram.com/ja-jp/blog/announcements/updates-to-instagram-messenger-and-stories
米国時間12月13日、Meta Platformsは、「Instagram」のいくつかの新機能を発表しました。「Notes」やテスト段階の「Candid Stories」「Group Profiles」などを使うと、関心がある人やグループとつながりやすくなるとしています。
Notesは、Instagramのユーザーが、相互フォローしている相手や「親しい友達リスト」に含まれるユーザーらに自分の考えを共有するツールです。受信箱のトップにアクセスし、テキストや絵文字で60字以内の短いメッセージを入力すると、フォロワーの受信箱に24時間表示されるそうです。
NotesのイメージとしてはストリーズのDM版のようなものでしょうか。正式に送るにはハードルが高いちょっとしたアイディアや感想、感情などを特定の相手とシェアすることができます。ユーザー同士のコミュニケーションが生まれるきっかけとして期待できる機能です。
「Candid Stories」「Group Profiles」は関心の対象を見つけやすくするということですが、このようにInstagramでは、映えるビジュアルコンテンツをシェアする場所から、普段から相互コミュニケーションが展開する、ユーザー同士のインタラクション全般のプラットフォームとして進化する道を探っていることが分かります。日本でいえばLINEの領域を狙っているということです。
参考:https://japan.cnet.com/article/35197360/,
https://about.instagram.com/ja-jp/blog/announcements/updates-to-instagram-messenger-and-stories
3. Instagram・Facebook
Metaのターゲティング広告モデル、EU規制当局の新たな決定に直面か
現地時間12月5日、欧州連合(EU)のプライバシー規制当局は、Meta Platformsが運営する「Facebook」と「Instagram」が、これらのアプリ内での操作に基づくターゲティング広告に同意することを、同アプリを利用する際の条件にしてはならないとする裁定を下したと、The Wall Street Journal(WSJ)が報じました。
この裁定はまだ公表されていないが、EUでMetaを規制しているアイルランドのデータ保護委員会に対し、その決定を反映した公式の命令を出し、制裁金を科すよう求めているそうです。
もともと、自動的に付与されるクッキーを利用した広告規制は進んでいました。しかし今回の内容「そもそも広告に同意することを、同アプリを利用する際の条件にしてはならない」というのは、ターゲッティング広告に対してより一段厳しい規制となります。
もっとも、これらの広告規制は欧州では強烈なものになりがちです。欧州に向け広告を配信する企業は痛手ではあるものの、他の地域への影響はまだ少ないでしょう。
ただし、その他も含めた広告ターゲッティングの技術的制約は、政治的な駆け引きの材料になりやすいため、普段からオーガニックで顧客とつながりを作っておくことの重要性は増しています。
参考:https://japan.cnet.com/article/35197049/
Meta、アバターストアを日本を含むアジア太平洋地域で導入
https://about.fb.com/ja/news/2022/12/avatars_store/
12月12日、Metaは、Instagram、Facebook、Messenger、VRで利用できる「Meta アバターストア」を日本を含むアジア太平洋地域でも導入したことを発表しました。
アバターストアでは、これまで無料で展開されていた服装やアクセサリーに加えて、ラグジュアリーブランドやサッカークラブ、Netflixの人気番組に登場する人物の服装など、様々なデザインを有料で購入できるようになりました。アバターをカスタマイズする方法が増えたことで、利用者はより自由に自分らしさを表現できるようになります。
Meta社は経営不振からVR上に展開する大規模なメタバース空間の構築には一旦ストップがかかりつつありますが、VR以外の空間に展開する広義のメタバースへの進出は着々と進めています。
VRではなくても、アバターを通じて体験する世界に没入する行為は、ゲーム『フォートナイト』や『あつまれ どうぶつの森』などで実際に普及しています。またゲーム性がなくても、複数人でのオンラインコミュニケーション自体が目的になるなど、物理空間とは違う電脳世界に遊ぶという習慣は広まりつつあります。
今回のアバターストアのように、経済活動と一体化させれば、物理空間で仕事をしたり、モノを買うのと同じように、メタバース上で過ごす時間も増えていくことになるでしょう。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2022/12/avatars_store/
4. Facebook
AWS、MS、Metaらがオープンな地図データを実現する「Overture Maps Foundation」結成 2023年前半にはデータ公開へ
米国時間12月16日、オープンソースを推進する非営利団体のLinux Foundationは、米AWS、米Microsoft、米Meta、オランダTomTomの4社がオープンな地図データを実現する「Overture Maps Foundation」を同団体の傘下に設立したと発表しました。
作成される地図データはOverture Maps Foundationの参加企業や市民団体、オープンデータなどからのデータソースを組み合わせて作成され、オープンデータライセンスの下ですべての人に公開される予定です。
Googleマップは全世界を車載3Dカメラと衛星で撮影することで地図を作っていますが、このプロジェクトはその車載3Dカメラをユーザー参加型に変えようというプロジェクトだといえます。
地図サービスをどのプラットフォームが支配するかは、プラットフォーマーにとってはかなり重要な課題です。なぜならば、あらゆる施設、地域、ビジネス、遺跡、自然などのデータは地図データと紐づけられて記述されるからです。
もしMeta社がGoogleマップを上回る地図データを手に入れることになれば、Facebook、Instagram、そしてメタバースにおいてもユーザーを囲い込むのに非常に有利になります。
参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2212/19/news093.html
5. TikTok
YouTubeと対決? TikTokが横長動画をテスト中
12月16日、TikTokは、横長アスペクト動画のテスト中であることを、海外メディアのTechCrunchに対して認めたことが明らかになりました。
TikTokは縦長ショート動画の動画配信サイトで、若者のスマートフォンを覗き込むと、高い確率でTikTokを楽しんでいるほどブームとなっています。
TechCrunchによれば、正方形または長方形の動画に新しい「フルスクリーン」ボタンが表示され、このボタンをタップすると、動画表示が水平方向のフルスクリーンモードに移行するとのことです。
YouTube、Instagram、Facebookが縦型動画でTikTokに追い付け、追い越せを試みている最中にTikTokは横型にトライしていることが明らかになりました。
以前に比べて、スマホでの動画視聴に音声が伴うことは普通になりましたし、TikTokにアップされる動画は長尺化の傾向もあります。
そうなると、スワイプして次々に新しい動画を手繰る必要のない横長の可能性を探りたいという意識が働くのは当然のことでしょう。
参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/58da99aabb730cd042edc389c56c63000d46b3c3
6. Pinterest
Pinterest が予測する来年注目のトレンド:Pinterest Predicts 2023 レポートを公開
12月7日、ビジュアル探索プラットフォームの Pinterest は、インスピレーション溢れる来年のトレンドを選出した年刊レポート「Pinterest Predicts 2023」を発表しました。
Pinterest Predicts 2023 は、数か月に及ぶデータ収集や分析によって導き出された、2023 年に世界中で話題を呼ぶことが予測される幅広いトレンドレポートです。これまで、Pinterest のトレンド予測は高い精度を保っており、過去3年連続で予測したトレンドは、平均して約8割の的中率を誇る実績を持ちます。
ファッションはエアリースタイル、インテリアはヴィンテージ、ヘアスタイルはツートンカラーなど、2023年流行るものの予測を展開しています。
Pinterestは直近の投稿データから、近未来をかなり精度高く予測することができますが、これは主に欧米圏のデータをベースにしていると考えてもよいでしょう。ただし、日本への影響も強いです。
発表を読み解くと、2023年は全体として「明るいカラフルなもの」や「ホッとするもの、落ち着くもの」が流行る傾向がありそうです。
97%が非指名検索 潜在ニーズが顕在化する場、Pinterestのマーケティング活用
12月15日、Pinterest Japanは、去る年11月18日に開催された宣伝会議主催「宣伝会議サミット2022」セミナーの様子を報じました。
「ひらめきを行動につなげるプラットフォームPinterest」と題し、3つのセッションからなるセミナーでは、Pinterestアドの特長の考察や議論、パネルディスカッションが行われました。
特長のひとつに、検索の97%が特定のブランドと紐づいていない非指名検索であることが挙げられました。ユーザーは、自分が興味のあるカテゴリーや商品を広いワードで検索しているといえます。
TwitterやInstagramは口コミや評判を検索されやすいメディアだと言えますが、Pinterestは自分のイメージと合う未知なものと出会う場所として認識されていることが分かる面白いインサイトです。
これはユーザーの行動変容やブランドの乗換、新しい体験へのチャレンジを誘導しやすいメディアだといえるということでもあります。
一方で、ユーザーが欲してはいるが明確化されていないイメージを企業は言語化する必要もあるため、高度なセンスやユーザー理解が求められるともいえるでしょう。
参考:https://www.advertimes.com/20221215/article406480/
7. その他
マストドンの月間ユーザー数、8倍の250万人に ツイッターの競合SNS
12月21日、米Twitterの競合サービス「マストドン」のユーザー数が10月の30万人から11月の250万人へと約8倍に増えたことが分かりました。マストドンを立ち上げたオイゲン・ロチコ氏がブログ上で明らかにしたためです。ツイッター利用者の間で他サービスに乗り換える動きが相次ぐ中で発表されました。
20日午前の時点で、マストドンはグーグル「グーグルプレイ」の無料SNSアプリランキングで8位、アップル「アップストア」のSNSカテゴリーで11位となっています。
保守層に歓迎される施策や発言を連発するイーロン・マスク氏に反発し、主にリベラルな思想を持つ人々がTwitterを離れるという傾向が続いています。
その代わりに選ばれているのがマストドンということですが、250万人というデータは確かに急成長なものの、TwitterやInstagramに遠く及ばないデータです。注目度が上がったTwitterのアクティブユーザー数が増えているという話もあり、マストドンがTwitterにとって代わるということは当面なさそうです。
一方で、Twitterを使い続けるとブランド毀損になるのではないかという一部企業も外資中心に出てきているため、他の人気媒体への移行は一定考えられます。
参考:https://www.cnn.co.jp/tech/35197689.html