総務省発表のメディア利用時間データに見る、10〜20代の圧倒的ソーシャルメディア利用率
2015/08/24
総務省情報通信政策研究所が2015年5月に「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」と題したデータを公表しました。
「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」は、13歳〜69歳までの男女1,500人を対象にアンケートを実施し、テレビ・インターネット・新聞・ラジオなどメディアの種類とPC・スマートフォン・フィーチャーフォン・タブレットなど機器やサービスについて各利用率や利用時間の調査データになります。
■既存メディアとソーシャルメディアの利用率は?
全世代、利用率・利用時間ともに一番利用されていたのは「テレビ(リアルタイム視聴)」であり、続いて「インターネット」となりました。
しかしながら10代〜20代へフォーカスすると、利用時間は「インターネット」>「テレビ(リアルタイム視聴)」となり、なかでも「ソーシャルメディア」は他年代に比べダントツに高い数字を叩き出しています。
さらに20代〜30代のソーシャルメディア利用率は、いずれも8割〜9割程度の高水準で推移しており、40代も7割超、50代も半数近くに達し、ソーシャルメディア自体の発展も追い風に、幅広い年代で利用が進んでいるようです。
※ここではLINE, Facebook, Twitter, mixi, GREE, Mobageの6つについて。
この調査からもわかる通り、メディアに対する消費者の行動が変わりつつあるのは明らかです。常に消費者の一歩先を行かなければならない企業は、この急速な変化に対応できているのでしょうか。
同じく総務省の「通信利用動向調査(企業編)」のソーシャルメディア活用状況を見てみると、平成23年調査時12.2%、平成26年調査時17.6%という結果で、消費者の変化に比べて緩やかな増加率になっています。
平成26年の業種別ソーシャルメディア活用状況ですと、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、サービス業、その他は20%を超えてきており、上記業種は比較的ソーシャルメディアが浸透しやすい業界のようです。
さらに各社の活用まで分解してみると、大企業ほど割合は高くなりますが、それでも40%を切ってくる程度の利用状況が現状です。
■各社のソーシャルメディアの利用内容は?
企業がソーシャルメディアをいかにして利用しているのかについても見てみましょう。活用目的・用途については以下の順で割合が高くなっています。
「商品や催物の紹介、宣伝」63.3% 増加傾向↑
「定期的な情報の提供」59.2% 増加傾向↑
「会社案内、人材募集」32.3% 減少傾向↓
上記の傾向から企業は情報発信の仕方について意識し始めているのではないでしょうか。
「会社案内、人材募集」というと中長期的スパンで提示し、興味関心の「高い層」に見に来てもらう必要がありますが、人的リソースを縮小し、効率化を求める傾向にある現代において、「会社案内、人材募集」をすることの優先度が下がりつつあるのではないでしょうか。
また「商品や催物の紹介、宣伝」「定期的な情報の提供」に関しては、マネタイズする手法の一つとしてソーシャルメディアが認識され始め、選定した商品・催物に的を絞って積極的に発信していく、継続的に消費者の目に留まるよう潜在ニーズに訴えかけていくといった消費者がついつい食いついてしまうような施策としての利用になってきているのではないでしょうか。
一部の企業でこのような変化が起きている中で、大企業でも若い担当者をソーシャルメディア担当として立て、運用し始めています。
消費者のソーシャルメディアへの浸透の加速は一層強まることはデータからも明らかです。そのため現在、社会人でありながら消費者である現ユーザーに対してフォローをしつつも、今の10代のソーシャルメディア世代の子供たちの動向を追いながら、彼らが社会人となった時のことを考え、準備・体制作りをしておく必要がありそうです。
参考URL:
http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/seika/houkoku-since2011.html
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05b2.html
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部