“動画広告=ブランディング”を覆す!獲得型動画広告市場を切り拓くCyberBullの挑戦
2016/09/20

- ■目次
- プロフィール
- 動画広告はTVCMの代替だけじゃない
- 結果からわかる動画広告の破壊力
- “SNS別”動画広告で気をつけたいポイントと今注目のプラットフォーム
- 将来的には、AIが広告クリエイティブを自動で改善する?!
プロフィール
中田大樹氏:株式会社CyberBull 代表取締役社長
動画広告はTVCMの代替だけじゃない
ダイレクトマーケティング領域においての動画活用
小東:ブランディングに特化した動画だけでなく、コンバージョンに重きをおいた動画を制作されているということでしたが、その背景を教えてください。 中田氏(以下敬称略):弊社はダイレクトマーケティングにおける動画広告の活用に目をつけ事業をスタートしました。理由は市場に強いニーズが存在していたのと、まだどこもその領域に踏み込んでいなかったからです。 会社を立ち上げてから、様々な企業に動画広告へのニーズをヒアリングしていくなかで、ブランディングにもニーズはあったのですが、よりダイレクトマーケティングにおけるニーズも多いと感じました。実際にバナー広告を使っていたお客様が動画にシフトしていく流れを感じ、制作領域に業界の課題があったので、商品開発の方向性をそちらに定めました。 ブランド広告主側でデジタルシフトが起こっているといっても、当社はブランディング広告はまだテレビに依存している部分が大きく、いわゆるデジタルの運用という世界に移行するまでには時間がかかる、と感じていました。対して動画をダイレクトマーケティング領域で使おうとしている広告代理店はおらず、チャンスだと思いスタートを切りました。バナー広告に変わる運用型「動画広告」を開発
小東:そういった状況に合わせて開発されたのが、「HAYABUSA」というプロダクトなのですね。サービス内容を詳しく聞かせていただけますか。 中田:HAYABUSAを簡単に説明すると、「バナーと同じようなスピード感で動画を大量生成する」ソリューションです。 動画広告をダイレクトマーケティングの手法で使う場合、クライアントにとっての一番の課題はクリエイティブのPDCAです。バナーと比較すると動画の制作工数は10倍以上。バナーと同じようなスピード感でクリエイティブを作り替えて最適化していくというのは、動画ではできないと思われていました。 そこで弊社は社内にスタジオを作り、動画制作の一連の工程を内製化。可能な部分は自動化することで、動画制作にかかる時間とコストを大幅に減らしました。たとえば朝撮ったものを夕方にはFacebookに配信しているといったようなスピード感で、クリエイティブを改善しています。
社内スタジオの様子
小東:なるほど、それでクライアントの課題が解決されて、バナー広告の代替手段として動画広告を使っていただけるようになっていったということでしょうか。 中田:そうですね。もちろん一番の懸念点は「動画にしたら本当に効果上がるの?」という点でしたが、個人的には過去に広告営業していた際の経験から、高い確率で効果が出ると踏んでいました。 というのも、シネマグラフという技術を使ってバナーの一部分を動かすようなクリエイティブを試したことがあり、それらを静止画のバナーと比較するとCTRやコンバージョンが大きく改善したんです。 もともと動画は静止画より圧倒的に情報量が多く、表現の幅も広い。獲得型広告であっても、それは大きな武器になると思いました。そして実際に試してみたら、かなりの改善が見られました。これで仮説が確信に変わりましたね。 参考記事: トレンドの「シネマグラフ」でCTR5.7倍も!思わず目を留めてしまう “半分写真で半分動画”の不思議な映像技法を徹底解説 | movieTIMES ムービータイムス:http://www.movie-times.tv/feature/8104/結果からわかる動画広告の破壊力
小東:動画制作を効率化することで、短期間でのPDCAを可能にしているということでしたが、どのようにクリエイティブを改善しているのか、具体的に教えてください。 中田:基本的にバナーやLPと考え方は同じです。訴求軸や商品の見せ方などを変えたいくつかの動画でA/Bテストをし、効果が高かったものへとどんどん改善していきます。ただ動画の場合は、バナーよりも改善すべき変数が多いです。たとえば視聴時間や尺、最初のアテンション、そして視聴データというものを見ながら、優先順位をつけてPDCAを回していきます。 小東:では具体的に、バナーを動画に変えて何パーセントくらい改善したなどの事例はありますか? 中田:大抵、コンバージョンは圧倒的に改善します。通販コスメの事例では、月間のコンバージョン数が静止画の2.3倍に伸びました。 それ以外にも、Facebookのバナー広告の効果が落ちてきたから廃止していた金融系のクライアントの事例では、バナーと同じ切り口のコミュニケーションを動画で表現し、再度配信したところ1,000万、2,000万といったボリューム感で復活しました。 特にソーシャルメディア広告は動画にすることでかなりの改善が見込めます。動画はタイムライン上で自動再生されるのでアテンションがとりやすく、ユーザーとの接触時間も静止画と比較すると圧倒的に長くなります。そうすると、伝えられる情報量も多くなるので、コンバージョン率も上がっていくのかなと思います。実際に手に取った感じ、商品の包装の質感など、バナー以上に前後のストーリーが伝わる動画
“SNS別”動画広告で気をつけたいポイントと今注目のプラットフォーム
小東:プラットフォームごとに動画の表現や構成を変えているなど、気をつけているポイントはありますか? 中田:それぞれのプラットフォームにいるユーザー属性に合わせて変えています。 Twitterだと、2ちゃんねるやニコニコ動画に近しいような表現方法が受けやすかったりしますね。その他の例だと、LINEなら動画の中にタイムラインを出してしまって、その会話から動画が始まるとアテンションが取りやすい。動画のサイズもプラットフォームによって違います。通常の映像は16:9フォーマットですが、Facebookは1:1・4:3・2:3など、など縦長のフォーマットも配信可能なので、フォーマット検証も実施しております。 それぞれのメディアに合わせて細かくカスタマイズすればするほど、成果がでます。

今おすすめなLINEタイムライン広告
将来的には、AIが広告クリエイティブを自動で改善する?!
小東:最後に、今後のサービスの展望についてお話いただけますか? 中田:ランディングページ(LP)における動画マーケティングの体系化、クリエイティブ制作フローのシステム化、あとは更なるクリエイティブのリッチ化です。 HAYABUSAによってバナー広告を動画化することができるようになってきましたが、今後はそれを他の部分にも広げていきたいです。たとえばランディングページ(LP)動画化は効果が出ると思います。それに向けて独自ツールの開発を進めています。 またAIの活用についても動き出していて、レスポンスデータ・撮影データを自動で紐付けAIを活用して編集作業の一部を自動化する機能の搭載を予定しています。もちろん最終的には人の手の編集が必要ですが、動画製作フローにはまだまだシステムによって解決出来る点が多く、うまく連携できたらと考えています。 また、現在はブランド広告主向けに、低価格でリッチな動画クリエイティブを製作し運用するサービスもリリース予定です。CMを主体としてマーケティングを行ってきた企業もようやくデジタルシフトし始め今後は必ずCM素材をそのままWebで流すだけではなく、Web独自のクリエイティブを複数製作し運用するようになってくるので、そこに対応していきたいと考えています。 小東:AIのシステムが実現したらかなりおもしろそうですね。本日はお話ありがとうございました。この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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