Twitter広告のカンバセーションボタン&インスタントアンロックとは?拡散が狙える広告機能を解説

2022/02/28

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Twitter広告で活用できるクリエイティブ機能のひとつであるカンバセーションボタン(旧:カンバセーショナルカード)。広告ツイートにハッシュタグ付きのCTAボタンをつけることができ、ボタンをタップすると簡単に特定のハッシュタグをつけたリツイートができるため、拡散性が高いのが特長です。


今回は、このカンバセーションボタンについてと、このボタンと併用することでより広告クリエイティブの幅を広げられるインスタントアンロックについて、事例を混じえて解説します。


※更新履歴

2022年2月:最新情報を元に加筆修正しました。

2017年2月:事例を追加しました。

2017年1月:Twitter社へのメール取材をもとに、情報を追加しました。


■目次



  • Twitter広告で使えるカンバセーションボタン(旧:カンバセーショナルカード)とは?

  • カンバセーションボタンと併用できるインスタントアンロック(旧インスタントアンロックカード)とは

  • カンバセーションボタンとインスタントアンロックで可能な組み合わせと入稿規定

  • カンバセーションボタン&インスタントアンロック活用事例

  • カンバセーションボタンを使うメリット

  • まとめ


Twitter広告で使えるカンバセーションボタン(旧:カンバセーショナルカード)とは?


カンバセーションボタン(旧:カンバセーショナルカード)とは?



画像引用:https://business.twitter.com/ja/help/campaign-setup/conversation-buttons.html


カンバセーションボタンとは、「Tweet #~」という選択肢ボタンがついたツイートのことで、ユーザーの引用リツイートを促す広告機能です。以前は「カンバセーショナルカード」と呼ばれていましたが、2021年4月のTwitter広告のリブランディングで名称が変更されました。


カンバセーションボタンは、Twitter広告メニューの中のツイートを広告として配信する「プロモ広告」において、画像もしくは動画付きの広告と組み合わせて利用できます。


最大4つのハッシュタグをつけることができ、タップすると自動的にツイートが作成されます。手軽にハッシュタグ付きのリツイートができ、ユーザー自身が第2、第3の広告主となって効果的にブランドのメッセージを拡散することができます。


Twitter公式サイトによると、カンバセーションボタンはセルフサービス型(自身でクレジットカードを登録して広告を出稿する)の初期設定では利用ができない仕様で、利用するには申請の必要があります。


なお、広告機能としての呼び名は「カンバセーションボタン」になっていますが、広告管理画面上ではカンバセーションボタンを用いたカードは「カンバセ―ショナルカード」と記載されており、旧名称が残っています。


カンバセーショナルカードはどのように表示されるの?


カンバセーションボタンを用いた広告は、通常のタイムライン内にインフィード広告の形で表示されます。そのツイートの画像・動画の下部にあるボタンがカンバセーションボタン機能をもつコールトゥアクションボタンです。


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そして、ユーザーがコールトゥアクションボタンを押すと、選択されたハッシュタグと広告主によって決められたメッセージが、自動でツイート本文に表示されます。そして、この本文はユーザーによって自由に変更できるため、ユーザー視点とブランドメッセージが組み合わさった広告を出すことができます。



さらに、ブランドメッセージを拡散してくれたユーザーには、元のプロモツイートに特定のメッセージを表示することもできます。


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カンバセーションボタンと併用できるインスタントアンロック(旧インスタントアンロックカード)とは


カンバセーションボタンと併用できる、インスタントアンロック機能についても併せて解説します。


インスタントアンロック(旧インスタントアンロックカード)とは?



参考:https://twitter.com/TwitterMktgJP/status/930933449052995584(画像はツイート内の動画より作成)


インスタントアンロックとは、カンバセーションボタンを使った広告を拡散してくれたユーザーに対して様々なコンテンツを特典として設定できる機能のことです。


カンバセーションボタンを使ったツイートのクリエイティブを作成する際、「ツイートしてロック解除」の機能を有効にすることで利用できます。



インスタントアンロックの見え方


インスタントアンロックを利用した場合、ユーザーから見たツイート画面はどのように変化するのでしょうか。


まず、ユーザーにはカンバセーションボタンがついた広告ツイートが表示されます。ユーザーがカンバセーションボタンを使ってリツイート。


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その後、広告ツイートを見ると、広告主が設定した画像や動画などの特典コンテンツを閲覧できるようになります。


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画像引用:https://twitter.com/TwitterAdsJP/status/761314819869806592(GIF画像から)


元のツイートは、ユーザーがカンバセーションボタン機能を使ってツイートをするとインスタントアンロックの画像・動画部分のみが変わり、特別な動画・画像が表示されるようになりますが、元のテキスト部分に変化はありません。


対して、ユーザーがリツイートした投稿をほかのユーザーが見たときには、インスタントアンロック解除前の画像・動画が表示されることになります。


また、インスタントアンロックの機能はデバイス間の同期がされないため、リツイート後に別の端末で該当投稿をみると、他のユーザーと同様、インスタントアンロック前の画像・動画が表示されることになります。


カンバセーションボタンとインスタントアンロックで可能な組み合わせと入稿規定


カンバセーションボタンは、動画・画像のどちらかと組み合わせて使用する必要があり、どちらもインスタントアンロック(ツイートしてロック解除)を適用できます。


広告画面上で、以下のクリエイティブを選択することで利用できます(先述の通り、利用に当たってはTwitter社への申請が必要です)。



  • 動画と組み合わせる場合:ビデオカンバセ―ショナルカード

  • 画像と組み合わせる場合:イメージカンバセ―ショナルカード


いずれも、1~4つの選択肢を表示できます。


また、インスタントアンロックについては、アンロック前からアンロック後で設定可能なコンテンツが以下3パターンとなります。動画→静止画は設定できません。



  • 動画 → 動画

  • 静止画→ 動画

  • 静止画 → 静止画


注意点として、複数のハッシュタグ(CTAボタン)に対して、異なった動画を出し分けることはできません。また、アンロック前と後の動画の再生数を分けて計測することもできません。


カンバセーショナルカードに使う画像、動画の素材規定


カンバセーショナルカードに使う画像、動画の入稿規定は以下です。


静止画



  • サイズ:最大5MB

  • アスペクト比:91:1(800x418px推奨)

  • フォーマット:PNG、JPEG推奨(BMP、TIFFは不可)


動画



  • サイズ:1GB以内(30MB未満推奨)

  • 長さ:最長2分20秒(15秒以内推奨)

  • アスペクト比:16:9(800x450px推奨)

  • フォーマット:mp4、mov


GIF画像は静止画像として表示されます。


インスタントアンロックカードの素材規定


インスタントアンロック解除後の素材規定については公式サイトには記載がなく、カンバセーションボタンと同様だと思われます。


動画 → 動画



  • サイズ:最長2分20秒(15秒以内推奨)

  • アスペクト比:16:9

  • フォーマット:mp4、mov


静止画→ 動画


静止画



  • サイズ:3 MB以内

  • アスペクト比:91:1(800x418px推奨)

  • フォーマット:JPEG、PNG、GIF (静止画像)


動画



  • サイズ:最長2分20秒(15秒以内推奨)

  • アスペクト比:16:9

  • フォーマット:mp4、mov


静止画 → 静止画



  • サイズ:3 MB以内

  • アスペクト比:1.91:1(800x418px推奨)

  • フォーマット:JPEG、PNG、GIF (静止画像)


カンバセーションボタン&インスタントアンロック活用事例


以降では、カンバセーションボタンやインスタントアンロックを活用した企業の事例を紹介します。


事例1:JAL


JALの以下コンテンツは、「もしも空の上でインターネットが使えたら…」という問いに対し、4つの選択ボタンが設けられています。ユーザーがボタンをクリックしてリツイートすると、豪華賞品などの抽選をするためのURLが表示されるようになっています。


画像1_R


事例2:日清


日清は東西の有名ラッパーが、どん兵衛とそれぞれの地域についてディスリ合うという動画を配信しています。動画を見て、東か西の気に入った方を選択し、リツイートできます。


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事例3:UNIQLO


UNIQLOでは、UNIQLOのスカートとスカンツを着こなしている二階堂ふみさんの動画を配信し、ユーザーにスカート、スカンツのどちらが気になるかを選択してもらい、リツイートを促しています。


画像3_R


事例4:カルピス


カルピスでは、キャンペーン動画を配信しました。具体的にはカルピスの商品動画を流しつつ、カルピスを飲む理由をユーザーに問いかけ、ユーザーが選択をすると抽選でヤクルト商品がプレゼントされるというコンテンツです。


画像4_R


カンバセーショナルカードとインスタントアンロックカードを併用した事例


事例5:グリー株式会社:マジカルギア「ぐるぐるじゃんけんキャンペーン」


グリー株式会社では、Twitterのカンバセーショナルカードを押すことによって、ゲームに登場するキャラクターの声優とじゃんけんができるというキャンペーンを行いました。


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このジャンケンの結果はボタンを押したユーザーにしか表示されず、フォロワーには同様の告知内容とジャンケンのコールトゥアクションボタンが表示される仕組みになっています。ジャンケンの結果によって、再チャレンジを促すメッセージを送るなど、様々なアプローチができるようになっています。


事例6:コカ・コーラ: #TasteTheFeelingキャンペーン


アメリカのコカ・コーラでは、クリエイターが制作したブランドGIFアニメをカンバセーショナルカードに掲載するというキャンペーンが行われました。


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画像引用:https://blog.twitter.com/ja/2016/0805cv


その結果、キャンペーン当日にも関わらず、 @CocaColaと #TasteTheFeelingを含むツイートを18万件獲得することに成功し、Twitterトレンドの上位に表示され、カンバセーショナルカードを用いたブランド戦略に成功しました。このようなクリエイターとの協業による革新的なブランド戦略は、コカ・コーラのグローバル戦略に定着し、日本でも2016年1月20日から #TasteTheFeelingを掲げた様々なキャンペーンが行われています。


事例7:マーベル:カンバセーショナルカードと絵文字による広告


マーベルは、スーパーボウルの時期に合わせ、カンバセーショナルカードを用いて映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のプロモーションを行いました。その内容は、複数の画像や動画と共に、映画内に出てくる #TeamCap と #TeamIronManの絵文字を用い、どちらを支持するかを問いかけるというものでした。


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画像引用:https://blog.twitter.com/ja/2016/0805cv


この広告により、スーパーボウル当日に、カンバセーショナルカードを通じて約150万件の会話が発生し、さらに、スーパーボウル1週間でこの映画のブランドリフトが6.5倍に上昇するという結果となりました。ここから、カンバセーショナルカードとブランド絵文字を組み合わせることで、利用者参加率が大幅に増加することがわかります。


カンバセーションボタンを使うメリット


最後に、Twitter広告でカンバセーションボタンを活用するメリットをまとめます。


広告をツイートしてもらえる確率が高まる


カンバセーションボタン機能を使えば、ユーザーはボタンを1つ押すだけで簡単にハッシュタグ付き広告をツイートできます。アンケートのような楽しさもあり、広告をリツイートするハードルも下げられるでしょう。


また、広告をツイートする際は、ツイートの文言をユーザー自身が自由に編集できます。これにより、機械的な広告ではなく、ユーザー視点を取り入れつつ、広告の二次拡散、三次拡散を狙えます。


拡散力が高い


ユーザーがカンバセーションボタンを用いてツイートする際にも広告主によって設定された動画や画像が自動で付くため、タイムライン上で目に付きやすくなります。これにより、文字のみの広告よりも注目度が上がり、拡散力が高まります。


また、広告をツイートしたユーザーはいわば新たな広告塔。プロモツイートそのものよりも、そのユーザーのフォロワーに対して強い拡散力を持っているため広告がより広がっていくのです。


まとめ


本記事では、Twitterのカンバセーションボタン機能とインスタントアンロック機能について事例を交えて解説してきました。


ハッシュタグ付きのツイートを促せるカンバセーションボタンは、企画を工夫することでユーザーが楽しみながら参加し、かつ拡散にも貢献してくれるような活用が可能です。Twitter広告を活用する際は、ぜひカンバセーションボタンやインスタントアンロック機能の活用を検討してみてください。


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