東南アジアで盛り上がる!ソーシャルコマースの解説と7つの分類
2017/03/01

- 目次
- ソーシャルコマース(Social Commerce)とは?
- ソーシャルコマース7つの種類
- ソーシャルコマースの実例
- ソーシャルコマースの最新動向
- まとめ
1.ソーシャルコマース(Social Commerce)とは?
ソーシャルメディアを利用し、従来のeコマースに欠落していた社会性的要素を組み込ませ、更なる利便性を追求した新しいインターネットショッピングの形、それがソーシャルコマースです。ソーシャルコマースの社会的要素
これだけインターネットショッピングが盛んになった現代においても、ショッピングモールやデパートを利用する人が多いのはなぜでしょうか。それは従来のeコマースには「社会的要素が欠けている」ことが理由のひとつと言えるでしょう。 ショッピングはもともとソーシャルな行動です。友人や家族とお店へ行き、彼らや店員さんと会話や相談を楽しみながら物を買う。ところが従来のeコマースは人との関わりをもたず、個人の独断で行うものでした。つまり、ソーシャルな部分が欠落していたのです。 その欠落を満たせるものが、ソーシャルコマースだと言えるでしょう。ソーシャルコマースの利便性
従来のeコマースでは、例えばあるサイト(モデルのブログなど)で見つけた商品を購入したいと考えた場合、一度そのサイトから離れ、ブランドサイトや通販サイトを開き、煩わしい登録をその都度行うというプロセスが必要でした。その間に意図しない宣伝サイトにとばされ、目的のページに辿り着けないまま諦める、、、なんて経験をしたことのあるユーザーも多いのではないでしょうか。 ソーシャルコマースの場合、事前にソーシャルメディアサイトなどに登録しておいた支払い情報を使って、魅力的な商品と出会った時にいつでもその場で決済までできます。友人や家族、信頼のおけるユーザーがシェアした商品を、サイトを離れずにすぐ購入できる-この社会性と利便性が、近年注目を集めるソーシャルコマースの魅力なのです。2.ソーシャルコマース7つの種類
ソーシャルコマースはサイトの特性によりいくつかのタイプに分類されます。本稿ではアメリカの大手メディアサイトMashableの7分類(-The 7 Species of Social Commerce)を参考としてご紹介します。1.C2Cタイプ (eBay, Amazon Market Place等)
個人同士が直接コミュニケーションを取り売買するマーケットサイト。2.ソーシャルメディアタイプ (Facebook, Pinterest, Twitter等)
既存のソーシャルメディア上で他ユーザーのシェア等をもとに取引を行うサイト。3.グループタイプ(Groupon, LivingSocial等)
他ユーザーと協力し、企業側が指定した希望人数が達成すれば商品やサービスの割引を受けることができるサイト。4.レコメンドタイプ(Amazon,Yelp等)
Amazonで代表的なレコメンデーション機能や購入者レビューの様に、同じ趣向の利用者が購入している商品とその評判をもとに取引を行うサイト。ソーシャルメディアを使用して商品やサービスをシェアした利用者には特典を付与するサイトなどもある。5.ユーザーキュレーションタイプ(The Fancy, Lyst等)
各自のユーザーが作成しシェアしたショッピングリストをもとに取引を行うサイト。6.ユーザー参加タイプ(Threadless,Kickstarter等)
消費者が投票やファンディングを通して実際に商品の制作に携われるサイト。7.O2Oタイプ(Motilo,Fashism等)
オフラインショッピングをする際にサイトを通して友人や他ユーザーのアドバイスや意見を交換できるサイト。ソーシャルコマースに参画する場合には、上記のタイプ選択が非常に重要となります。自社の特性やターゲット層をよく調査し、条件に見合うサイトタイプを慎重に選択しましょう。3.ソーシャルコマースの実例
Facebook (F-commerce)
Facebookでは年々ソーシャルコマース利用企業が増加しています。企業はFacebookページ上で自社カタログを配信したり広告を掲載したりするだけでなく、メッセンジャーを通じて消費者と直接取引の連絡までできるなど、自社サイトさながらのショップページを開設できます。 また、消費者は事前にFacebookに支払い情報を登録しておけるため、Facebookのページを離れることなく、まさにワンクリックで決済できる仕組みになっています。 実際にFacebookのソーシャルコマースを活用している企業の成果をご紹介しましょう。アメリカの時計販売会社MVMT WatchesはFacebookのソーシャルコマースページを設立後、以下のような成果が得られたと言います。- 7日間で1,500人からのアクセス
- 90日間で60,000人からのアクセス
- 5%のコンバージョン率、$15,000の利益を記録
- シェア(PinterestでPin)されるアイテム数が1,000%増加
- サイトへの再訪率が30%増加
- PIneterest経由の購入者が35%増加
Snapchat
Snapchatは2016年より、サイト上の広告からそのまま購入に進める「Deep Linking Ads」と、利用者が事前に支払い情報を登録しておける「Auto-fill」システムをテストしています。この機能が利用できるようになれば、事前に入力しておいた情報を使ってワンスワイプで商品を購入できます。 まだFacebookやInstagramと比較して規模は小さいものの、今後強い勢力になると見込まれています。 参考:http://www.pymnts.com/news/retail/2017/snapchat-tests-social-commerce-waters/4.ソーシャルコマースの最新動向
ここ数年で大きな成長を遂げているソーシャルコマースですが、とりわけ注目に値するのは東南アジアにおける成長です。東南アジアにおける2016年のオンライン販売のうち、30%がソーシャルメディアを通じて購入されているのです。また東南アジアの消費者のうち80%が商品のリサーチにソーシャルメディアを用いていることも明らかになっています。 ここまでソーシャルコマースが浸透した一因として、南アジアのインターネット利用状況があります。南アジアでは個人でPCを所有する割合が少なく、インターネットユーザーのほとんどがスマートフォン経由。そのためアプリが主流のソーシャルコマースが使いやすく感じられたのでしょう。 一方でアメリカではそこまでの成果はまだ見られていません。約3億人いると言われるインターネット利用者の中で実際にソーシャルメディアを通して買い物をしたユーザーは、7%だったという事がGlobal Web Indexの調べにより判明しています。 参考:http://www.pymnts.com/news/mobile-commerce/2016/singapore-thailand-love-instagram-ecommerce/ しかしながらソーシャルコマースの歴史はまだ始まったばかり。2016年にSnapchatやInstagramがソーシャルコマースに乗り出した事により、欧米においても今後大きな成長が期待されます。5.まとめ
さらなる将来性が見込まれるソーシャルコマース。もしこの革命に参画するのであれば、上述したタイプから自社の特性に合うものを検討し、まずはひとつのプラットフォームに絞って展開したほうが賢明です。 なぜなら各プラットフォームに自社ページを持つことは、一等地に新店舗を構えることと同様の意味を持つからです。魅力的なコンテンツの作成や、売れ行きに沿った正しい在庫管理など、業務量は格段に増えます。実際の店舗こそないものの、新たな人材も必要になるかもしれません。 自社戦略を入念に見直しながら、着実に拡大していくことがソーシャルコマース運営の成功の鍵となるでしょう。この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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