イベント1日で1,500投稿、1,600万リーチ。SnSnap社が考える、リアルでの特別体験の価値が高まる若者世代のマーケティングで重要なこと
2017/04/04

- ■目次
- プロフィール
- リアルイベントの広告効果が可視化できる?#SnSnapが提供する価値
- 1日のイベントで1,000投稿、6,800万リーチを獲得した導入事例
- 企業がイベントでSNS投稿促すために重要な4つのポイント
- 今の若い世代はこんなに違う!SNSをめぐるユーザーの変化
- SnSnap社の今後の展望
1. プロフィール
西垣 雄太氏:株式会社SnSnap 代表取締役 / CEO
2. リアルイベントの広告効果が可視化できる?#SnSnapが提供する価値
リアルとデジタルを繋げてマーケティングデータ化
大久保:#SnSnapがすごく好調ということで、多くの企業で使われていますよね。SNSに写真を投稿してもらって、それを印刷できるという機能は分かりやすいのですが、それ以外のサービス内容を教えてください。 西垣氏(以下敬称略):SNSに投稿した写真を印刷できる機能は、ユーザーにブランドの世界観を体感してもらえること、さらにノベルティとしてフォトカードをお持ち帰りいただけるという、企業にとってリアルな場でユーザーとコミュニケーションをとることができるという価値があります。 さらに#SnSnapの付加価値は、マーケティングデータやSNSに投稿されることによる広告効果を可視化できる点や、使い方にもよりますがプリントしたフォトカードの裏をクーポンなど広告媒体として使える点などです。 特にマーケティングデータの部分が支持されていて、今までのイベントは最終的に広告換算でどれくらいの価値があったかを測れませんでした。でも#SnSnapを1台置くだけで、どれくらいコストがかかって、どれくらいリーチがあって、どれくらいいいねやフォロワーが増えたかなどをデータで取れ、それを可視化したレポートも出せます。 例えば、イベントに関するハッシュタグのついた投稿がどれだけあり、投稿してくれたユーザーの友達はどれだけいて、投稿に対するリーチ数も全部とれる。そうすると全体で何万リーチ、何十万リーチしていることになって、Instagramに数百万円分の広告を出稿したのと変わらないぐらいの効果があったことが明確になります。だから導入したマーケターは、イベント来場者に限定した単なる写真ノベルティのプレゼントで終わることなく、SNS上での広がりによる広告換算ができ、オフラインとオンラインでの立体的な効果測定が可能となります。これは、イベントの振り返りや次回に役立てることができ、さらに会社への説明がしやすい。 大久保:確かにそういったデータが見られるのは企業としては非常にうれしいです。投稿に反応したユーザー向けにターゲティング広告配信ができる

フォトカードをクーポン代わりにすれば、リアルな場でのエンゲージメント獲得も
大久保:プリントしたフォトカードの裏を広告媒体として使えるというのは? 西垣:例えば百貨店に#SnSnapを導入した場合、プリントしたフォトカードの裏に「期間中にこのカードを見せて、店頭で3,000円以上の買い物をしたらノベルティプレゼント」というクーポンを印刷して。そうすると、店舗でのエンゲージメントも図れます。 今クーポンってキリがないほどあるじゃないですか?メール、レシートクーポン……。でも手軽なものほどすぐに忘れちゃって、いざ使おうという時にはもう失くしている。一方で、自分が写っているものは愛着が湧くので簡単には捨てないし、記憶にも残ります。 ユーザー側はアナログで愛着が湧く、思い出に残る。マーケター側はノベルティとしてお客に楽しんでもらえて、さらにエンゲージメントを生むクーポンまで渡せる。 ただ写真をプリントするのではなく、ユーザーとマーケター双方に価値を提供できるサービスになっています。3. 1日のイベントで1,000投稿、6,800万リーチを獲得した導入事例
大久保:成功した導入事例などを教えてください。 西垣:#SnSnapではなく、最近リリースした#SwingSnap(3D動画を生成できるサービス)の事例なのですが、ある外資系ブランドのイベントは大盛況でした。 1日だけのイベントでしたが3,000人以上来場され、1,500人弱が#SwingSnapを使って動画を投稿してくれました。イベントブースへの入場に行列ができ、さらに#SwingSnapにも行列という状態で。 それらの投稿のリーチ数を全部追うと、1,600万リーチしていました。 大久保:1,600万リーチ、すごいですね! 西垣:ユーザーアカウントも全部データがとれるので、そこにあとからほかの新商品の広告を打つこともできます。イベント告知として#SwingSnapで撮影したコンテンツを使うこともできるし、当日に体感してもらった人やその友だちに対してイベント後にプロモーションもできる。イベントの効果を最大化するために#SwingSnapをフル活用していただきました。▼#SwingSnapを使って撮影された動画
4. 企業がイベントでSNS投稿促すために重要な4つのポイント
もっとも重要なのはハッシュタグの周知!イベント告知段階から意識すべき
大久保:リアルイベントなどでユーザーに何かしら投稿してほしい場合、マーケティング担当者レベルでできる工夫みたいなものってありますか? 西垣:ノウハウはたくさんありますが、大きく4つ。まずなにより「ハッシュタグの周知」、あとは撮影場所など「投稿してほしいものの明確化」、「投稿したくなるコンテンツ作り」、「撮影・投稿の障壁をなくす」ことです。 SNSへの投稿促進とイベントを拡散させたいなら、指定のハッシュタグがあることとそれを認知させるのがすごく重要です。成功している企業はあらゆるものにハッシュタグを書いていますし、イベント告知のときもハッシュタグを強調しています。そうしておけば、ユーザーが投稿するときに何のハッシュタグをつければいいのかすぐに分かるし、間違いも減らせます。ユーザーがSNSに投稿しやすい環境づくりも念入りに
西垣:投稿してもらいたいモノの明確化でいうと、オペレーションも絡んでくるのですが、どこで写真をとればフォトジェニックなのか、どんな風に撮って欲しいのかなど、撮影場所や目玉となるものを分かるようようにしておかないとダメです。かつそこに人が滞留してしまわないように対策して、多くの人がそこでベストな写真を撮れるようにします。 投稿したくなるコンテンツ作りも少し重複しますが、企業側がフォトスポットを作っても、そこが魅力的じゃなければ何の意味も無いので。 例えば企業やサービス名のロゴが大きく入ってしまうようなものだと、ロゴ自体に価値があるおしゃれなブランドならいいですけど、そうじゃなければ絶対に投稿してくれません。意外と多くの企業がやってしまいがちなミスです。 最後に撮影・投稿の障壁をなくすという部分です。イベントであれば、写真OK、SNS投稿OKというのが分かりやすい。 でも例えば店頭にフォトジェニックなブースを設けていて、「買わなくても気に入った商品持って、そこで写真とってもいいですよ」みたいにしているところがよくありますが、お客さんは写真撮りたくても、本当に撮っていいのかわかりません。ブランドのバッグを買いもせず写真撮るって、普通できないですよね。 でもそこで店員さんがコミュニケーション取るなり、案内するなりすれば、投稿数は上がります。細かいですけど、こういった工夫が重要です。 大久保:なるほど、ありがとうございます。5. 今の若い世代はこんなに違う!SNSをめぐるユーザーの変化
ユーザーのSNS慣れにより、SNSマーケティングの難易度も高まっている
大久保:ユーザーさんに実際に投稿してもらうためには、環境づくりやオペレーションが重要ということですが、SNS投稿に対するユーザーの変化はどのように感じていますか? 西垣:ユーザーがSNSを使いこなすようになった分、企業が対応すべきことが増えていると思います。 #SnSnapの立ち上げ当時は、Instagramはここまで人気ではなかったですし、SNSの使い分けも今ほどありませんでした。だからどんな写真でも上げてもらいやすかったんです。今はダサい写真はInstagramに絶対あげられないじゃないですか? 大久保:間違いなくそうですよね。Instagram使い慣れている人は、写真へのこだわりがすごい。 西垣:ブースで写真撮って投稿してくれても、タイムラインから一回消してストーリーにあげ直す子とかもいます。「同じフィルターで統一してるから、タイムラインに残しておくのは無理。ストーリーにしかあげない」みたいに。 だからフォトブースもちゃんとおしゃれにしないと、「写真撮りたい、カードもらいたい、だけど投稿はできない」となってしまいます。マーケター側はそういったユーザーの変化に対応しなければなりません。 例えば、デジタル加工でフレームつけたり、顔認証でSNOWみたいに面白く、かわいくしたり、先ほどの外資系ブランドのように本当に豪華でフォトジェニックな空間を作ったり、そういったところをしっかりと考えないといけなくなっているんです。 大久保:ユーザーさんに投稿してもらうためのハードルがかなり高くなっているのは確かですね。一般ユーザーさんの写真のクオリティーは本当に上がってますし。アナログなものが新しい価値を生み出している

6. SnSnap社の今後の展望
結婚式で#SnSnapが使える?!新たな販路を拡大中
大久保:現在も色々なサービスを提供されていると思いますが、今後はどのようにサービスを展開していくご予定ですか? 西垣:大きく2つの軸があり、#SnSnapの新しい売り方、使い方を展開しマスに広げることがひとつ、もうひとつが新しいサービスをローンチし続けてクライアントにもユーザーにも新たな体験を提供し続けたいと考えています。 #SnSnapの今までのクライアントは予算のある企業に限られていました。ニーズはあるのに予算が合わず提供できませんでした。プロダクトや運営部分を改善し、各業界に合わせいたパッケージを提供する予定です。一番の導入障壁である価格に関しても低価格のものも用意しようと考えています。 例えば一般のカップルが結婚式で#SnSnapを使いたいというニーズがあったんです。確かに弊社としては人が幸せな瞬間をシェアするために使ってもらえるのは嬉しい。でもカップルは既存のマーケティングデータ分析等がついた#SnSnapは必要ないですし、1日50-100万円のレンタル料も払えません。なので最低限の印刷機能がついたウェンディングパッケージ版を作っていく、というようなイメージです。パッケージでは機能を制限して、低価格でユーザー体験を高めてもらえるようにしていければと思っています。 一方で、弊社のクライアントであるお金をかけてでもユーザーに新しい体験を提供しブランディングやプロモーションに役立てたいという企業へは、さらに今後進化を続ける機能性の充実した#SnSnapはもちろん、新たにリリースしたの立体動画サービスの#SwingSnapなり、引き続き新たな商品を新しいコミュニケーションとしてどんどん活用していただきたいです。そのために常に期待値を超える新たなプロダクト作成を心がけています。 他にも実機を常設してもらうような月額制、年間契約のような販売モデルも考えています。これは全国展開のショッピングモールやエンターテインメント施設など、規模の大きい企業を想定しています。 あとは東京オリンピックに向けて観光地にも導入してもらいたいですね。会場はもちろん、浅草寺といった観光名所に#SnSnapを置いて観光客の方々がSNSに投稿してくれたら、グローバルにむけた観光プロモーションになると思うんです。 大久保:まだまだ伸びしろがありますね!加えて新しいサービスも展開していくのでしょうか?新サービスを生み出す根底にある理念「実りある人生を送るためのサービスを生み出す」
