動画コマースの成功事例となるか? Facebookショップ機能を活用する「CRAFT.jp」の立ち上げ理由と戦略
2017/04/19

- ■目次
- プロフィール
- なぜ伝統工芸品を動画で発信? 動画コマース「CRAFT」を始めた理由
- ターゲットは「モノへのこだわり」を持つ世代。ストーリーやうんちくを動画にのせて
- 載せる場所によって中身は変える! 動画へのこだわり
- 今年は動画コマースの基盤固め。将来的にはオフラインイベントや海外展開も視野に
1. プロフィール
井手康博 氏:ニューワールド株式会社 代表取締役
2. なぜ伝統工芸品を動画で発信?動画コマース「CRAFT」を始めた理由
小東:最初にCRAFTを立ち上げた理由を教えてください。 井手氏(以下敬称略):もともと弊社は「動画と買い物をつなげる」ということを事業コンセプトにしていて、動画コマースを作り上げていこうという方針のもとで、2016年の8月にCRAFT.jpを開始しました。▼Facebookページ:CRAFT.jp

https://www.facebook.com/craft.neworld/
▼ECサイト:CRAFT

3. ターゲットは「モノへのこだわり」を持つ世代。ストーリーやうんちくを動画にのせて

▲取材させて頂いた日のオフィスには、同社が扱う日本の伝統工芸品が並んでいました。
小東:SNSのなかではFacebookにもっとも力を入れているかと思いますが、Facebookページを始めたのはどのようなきっかけだったんですか? 井手:僕らのターゲットがいる場所がFacebookだと思ったんです。 伝統工芸のものづくり商品は、現状だと基本的に30代後半~40代がメインターゲットになっています。この人たちは、テレビのドキュメンタリー番組などを見て、伝統工芸品に興味を持ったり、買ったりすることが多いんです。 でも、こういった「モノへのこだわり」を持っている人は20代後半ぐらいからすでにいる気がして。その人たちはもうあまりテレビを見ていないんです。そこに対して情報発信をするのであれば、その人たちが時間を使っている場所でやらないといけないよね、ということでSNSでの発信を強化していきました。 「モノのストーリーで価値観を変える」というビジョンを実現するために、今のメインターゲットより若い世代にまでコンテンツを届けたくて、そのために最適な経路がSNSだったんです。 なかでも伝統工芸品のストーリーや「こうやって作られていて、こんなこだわりがあるんだよ」というようなうんちくが好きな人は男性に多いですよね。扱っている商品自体はフォトジェニックなものも多いのでInstagramでもいいんですが、Instagramは女性がメインで、見た目のおしゃれさやかわいさがより重視されるイメージ。 職人のこだわりや経年変化、うんちく的な要素により共感してくれるのは男性が多いですし、そういう人が多いのがFacebookかなと思って注力しています。4. 載せる場所によって中身は変える! 動画へのこだわり
Facebookは最初の3秒がポイント! サイトではより深いストーリーまで伝える
小東:ECサイトとFacebookページでは、動画の構成が違っているものもありますよね。コンテンツはどのように使い分けているのでしょうか? 井手:動画の長さや見せ方など、それぞれ再生回数などのデータを見ながら最適化しています。 SNSなら大体30~40秒くらいが今のところベストです。そして最初の3秒のインパクトがなにより大事なので、そこにものづくりのキーになるシーンやメッセージテーマを持ってくるのは意識していますね。 逆にサイトに載せる動画は、短すぎるとストーリーが伝わりきらないので、もう少し長めの動画を使います。そのなかでも、注意をひきつけて、興味・関心を刺激して、購買のステップを踏んでもらえるような構成を考えて作っています。動画の長さも1分30秒ぐらいなので、SNSの倍くらいですね。 基本的にはサイト用の長い動画を作って、そこからSNSで切り出すならこの絵を○秒、ここを頭にして…みたいにチューニングしていきます。僕らは商品ページに関わる人全員で企画会議をするので、動画クリエイターとカメラマンとライターと、みんなでページと動画を作り込んでいます。 小東:具体的に動画を使い分けている例を見せていただけますか? 井手:「Unilloy(ユニロイ)」という商品なのですが、これはものづくりで有名な燕三条で作られている、世界一軽い鋳物ホーロー鍋です。鋳物ホーロー鍋といえば、ル・クルーゼやストウブが日本でも有名ですが、重すぎるというのが問題でして、このUnilloyは2年かけてその半分の重さを実現しました。 サイトに載せているものは、じっくりとストーリーを感じられる動画になっています。
https://www.craft-store.jp/products/unilloy-22cm
対してFacebookページの動画は、音楽もキャッチーで、商品の美しさが最初に目に飛び込んでくるような構成になっています。https://www.facebook.com/craft.neworld/videos/1831643990407636/ht
小東:なるほど、見え方もかなり違いますね!Facebookショップ機能の活用について
小東:Facebookページのショップ機能を使い始めたきっかけを教えてください。 井手:一番の理由は動画コマースをやっている企業としてのブランディングですね。動画から商品ページに遷移して、購入できるという見え方は、動画コマースのひとつの理想なのかなと思うので、それをSNSで表現できるのであれば、挑戦してみようと。 小東:米国ではFacebookページで決済までできるようになっていますよね。日本でもできるようになれば、対応する予定ですか? 井手:おもしろいですね。ときどき海外の方から「この商品買いたいんだけど、どうやって買ったらいいの?」という問い合わせがあったりもするので、SNSでそういう対応ができるのであれば取り組んでいきたいなと思います。5. 今年は動画コマースの基盤固め。将来的にはオフラインイベントや海外展開も視野に
