主要SNSに軽量版の波、マストドンの出現も! 2017年4月の主要なSNSニュース
2017/05/10
先月はFacebook、Instagram、Twitterなど多くのSNSで軽量版が発表されました。
そうした仕様変更に加え、マストドン(Mastodon)の出現も印象的でしたね。それでは2017年4月の主なSNSニュースをご紹介します。
- ■目次
- LINE
- 全般
1. Facebook
軽量版アプリ、国内でも
Facebookは、Facebook Messenger の軽量版アプリ「Messenger Lite」の提供地域を拡充したことを発表しました。Messenger Liteは通常版Messengerよりもスリム化し、インターネットの通信速度が低速の地域や、最新のデバイスを持っていないユーザーも快適に使うことができます。現在、日本を含む世界150カ国以上のほぼ全ての国と地域での使用が可能になっています。
https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/04/messenger-lite
Facebookでは人と人とを繋ぎ、よりオープンな世界を実現すること、「コネクティブティ」を目的としています。今月上旬には、同じくFacebook本体の軽量版アプリ「Facebook Lite」も、国内でもダウンロード可能になっています。
またTwitterも、Twitterサービスの軽量版となるモバイルWebアプリ「Twitter Lite」をロールアウトすると発表しました。Twitterは「今」を共有することが主要な目的なので、データ読み込み速度のアップは有意義といえます。
■参照
https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/04/messenger-lite
「Facebook Messenger」の機能強化
メッセンジャーのボットが強化されました。 新機能の1つは「Discover」というタブです。ここでは、CNN、Nike、NBAなどのブランドの中から、最近使ったボットや人気のボットを見たり、検索したりできます。(「ボット」とは、注文や予約などの簡単なタスクをユーザーのために自動的に実行できるソフトウェアのこと)
https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/04/f8-2017-day-1/
また「Chat Extensions」というもう1つの新機能では、複数のユーザーが同じボットとグループチャットすることができます。この機能により、グループチャットで音楽を共有したりすることができるようになりました。 カスタマーサービス担当者とのやり取りなどの面倒な部分を省きつつ、ユーザーが企業と連絡を取るためのさらなる手段を提供することを目的としています。
これらすべての新機能の背景には、ユーザーがくつろぎ、ゲームをプレイし、食事をして、友人とおしゃべりをするソーシャルリビングルームのようなものだという概念があるそうです。
■参照
https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/04/f8-2017-day-1/
前進を続けるFacebook Live
Facebookはこの度、同プラットフォーム上で公開されている動画のうち、ライブ動画の割合が5分の1に達したと発表しました。さらに、ライブ動画の視聴時間も前年比で4倍に伸びました。このニュースから、”Live”という単語を自社のものにしようとしているFacebookの努力が報われ始めていることが分かります。
しかし、本来はブロックされるべき暴力事件や自殺の様子が、何十回もライブ配信されてしまっている一方、Philando Castileの銃殺事件など、報道価値のある動画が誤ってブロックされてしまうという事態も起きていて、まだまだ問題を抱えています。これに対し、Facebook社は現在そうしたレビューを担当する従業員は4500人ですが、さらに3000人を追加することで体制強化を図っています。
■参照
https://techcrunch.com/2017/04/06/live-video/
Workplace by Facebookバージョンアップ
Workplace by Facebookは、ファイル共有ツールとの連携やボットの導入、コンプライアンス・ガバナンスツールの統合など、大幅なバージョンアップがされると発表。 Workplaceは、Facebookのサービスをビジネスの世界に応用するという試みとして、昨年の秋にローンチされたものです。
https://www.facebook.com/workplace/blog/whats-new/f8-2017/?ref=blog
昨年10月にローンチされたばかりのWorkplaceですが、Facebookによれば、既に1万4000社が同システムを利用しており、作成されたグループの数は40万を超えるといいます。ちなみに、Slackが発表したDAUの数は500万人だそうです。 今回の発表内容は全て、Workplaceをビジネス環境に馴染みやすくすると共に、同システムに競合のSlackと張り合えるような機能を盛り込むためのものです。
■参照
https://www.facebook.com/workplace/blog/whats-new/f8-2017/?ref=blog
今年も行われた! 「F8」まとめ
Facebookの開発者向け年次イベント「F8」が先月開催されました。 カメラを通じて現実とFacebookをつなぐARプラットフォーム、3年前に買収したVRプラットフォーム開発の「Oculus」と共同で進めている「仮想空間のソーシャル化」、Messengerの「ソーシャルリビングルーム化」などについて発表しました。
http://forbesjapan.com/articles/detail/15994
このほか、世界でシェアが高い「JavaScriptフレームワークの刷新」「位置情報データベース「Places Graph」の効果」「他のサービスと連携して身元情報を確認する機能」「人工知能を活用したアナリティクス機能の高度化」など様々な機能が発表されました。
Facebookライブストリーミングは、年4月に一般公開されたとは思えないほどに話題になり、子会社Oculus社と協同で開発した「ソーシャルなVR」は夜明け前のVR業界に活路を見出す役目を果たしました。
■参照
http://forbesjapan.com/articles/detail/15994
2. Instagram
スタンプツールなど、新機能が追加
Instagramは「インスタグラム ストーリーズ」やダイレクト機能で使えるスタンプツールを新たに追加し、日本在住のアーティストがデザインで、東京限定で利用できるジオスタンプも発表しました。 また特定の利用者と写真や動画を共有できるダイレクト機能をアップデートし、よりシームレスにビジュアルコミュニケーションを楽しめる新しい受信箱のユーザーインターフェース(UI)を発表しました。
https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/04/instagram_geosticker/
現在、世界中で毎月3億7500万人もの利用者がダイレクト機能を利用しています(2017年4月時点)。特に、近しい友人とのコミュニケーションに使う利用者が多く、1人の利用者がやり取りするメッセージのうち、平均して85%は同じ3人を対象に送受信しており、グループの平均サイズは2〜3人と少人数であることが分かっています。
このようにダイレクト機能を介して、多くの利用者が趣味や関心ごとを友人同士で共有し、繋がりを深めていることに伴い、Instagramでは今後もダイレクト機能をより充実させていく狙いがうかがえます。 ダイレクト機能が充実することで、よりSnapchatの特異性がなくなり、さらにInstagramのヘビーユーザーが増えるのではないでしょうか。
■参照
https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/04/instagram_geosticker/
MAU7億人を突破
Instagramが、2年間で利用者を倍増させ、月間アクティブユーザー数7億を達成しました。 また、昨年8月から提供している「ストーリー」のDAU(日間アクティブユーザー数)が2億人を突破したと発表しました。 Instagramは機能のほとんどをネットワーク接続がない環境でも利用できるようにしたことを発表しました。
https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/04/instagram_700m/
ストーリー機能のDAUは、本家ともいえるSnapchatが前回アナウンスした1億6100万を上回っています。Instagramストーリー機能や写真の複数枚投稿など、次々に新しい機能を搭載し人々をひきつけています。成長を続けているだけでなく、成長速度もアップしています。
一方、データ接続プランが高価すぎたり、接続が安定しなかったりする途上国のユーザーをより獲得することも狙えます。FacebookやTwitterも同じ目的で今月軽量版を発表しています。
■参照
https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/04/instagram_700m/
コレクション機能追加
Instagramは2017年4月17日(米国時間)、保存機能でブックマークした写真や動画を整理できる「コレクション」を新たに追加しました。 コレクション機能を使ってどの投稿を保存したかは、本人のみが閲覧でき、他の利用者に表示されることはありません。その点はPinterestの「ピン機能」との違いといえます
https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/04/instagram_collections/
昨年12月に保存機能が発表されて以来、およそ半数(46%)の利用者が1件以上のフィード投稿を保存しているそうです。この新機能追加が企業に与える影響は2つです。1つは、コンテンツ賞味期限が長くなることです。2つ目は、ショッピング機能が実装されたらほしいものリストになることです。
この新機能は、Pinterestに似ていると言われています。これでPinterestとInstagramを使い分けることなく、Instagramだけで完結させられるユーザーも出てきたと考えられます。
■参照
https://ja.newsroom.fb.com/news/2017/04/instagram_collections/
3. Twitter
ツイートが拡散されやすい投稿時間帯は5時・11時・15時・20時
株式会社AutoScaleは、2017年4月13日、「ツイートの投稿時刻とリツイート数の相関」の調査結果を発表しました。Twitter運用支援ツール「Cheetah」を利用し、ツイートが最もリツイートされやすい投稿時間帯を調査しました。調査の結果、リツイートが伸びやすいツイートの投稿時間帯は、5時・11時・15時・20時であることがわかりました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000022240.html
リツイート・いいね数の変動は平日・休日ごとに異なる傾向があることがわかりました。平日は5時・11時・15時・20時のツイートが最もリツイートされるのに対して、休日は8時・12時・14時・16時のツイートが伸びる傾向があります。
拡散を狙うためには、日中にツイートすべきということがわかります。 また、平日・休日に関わらず、1日のうち最もツイート数・投稿人数が増加するのは21時台であることがわかりました。
■参照
https://cheetahapp.net/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000022240.html
4. LINE
「LINE LIVE」にTwitterログイン機能
LINEは、同社が運営するライブ配信サービス「LINE LIVE」において、新たにTwitterログイン機能を追加したことを発表しました。 LINE LIVEは、LINE IDがあれば誰でも簡単にライブ動画を配信できるアプリです。視聴者がコメント・ハート・ギフトアイテムなどで配信者を応援できるなど、視聴者と配信者が双方向でコミュニケーションできる点が特徴です。
http://lineblog.me/livepress/archives/13127045.html
今回LINEでは、同サービスにおいて、「リアルな友だち」とのコミュニケーションだけではなく、「趣味で繋がる友だち」とのコミュニケーションのニーズも高いことに注目し、新たにTwitter IDによるログイン、およびライブ動画の配信も可能となるアップデートを行いました。
閉鎖的なSNSと開放的なSNSの連携により、サービスが広がりました。 よって、今まで1つのLIVEアカウントに対して1つのLIVEチャンネルの開設となっていたものが、Twitterでのログインも可能となったことで、配信者や視聴者がより趣味嗜好等に合わせたシーンで複数のチャンネルを使い分けることが可能となりました。
■参照
http://lineblog.me/livepress/archives/13127045.html
5. 全般
急成長アプリ「Mastodon(マストドン)」
「Mastodon (マストドン) 」というWebサービスがここ数日、日本のネットユーザーの間で急速に注目を集めています。同アプリは、ドイツに住むEugen Rochko氏(24)が作ったTwitterライクなSNSのことです。 ユーザーの間では「Twitter黎明期に近い雰囲気だ」という声もあります。
Twitterとの大きな違いは、サイトが1つではなく複数に分散していることです。 Mastodonを構築するためのソフトがオープンソースで公開されており、誰でも独自のMastodonインスタンス(サーバ)を作ることができます。また、インスタンス同士は「連邦」としてゆるくつながれます。
既に多数のインスタンスが立ち上がっており、4月13日時点で500以上もあるようです。Rochko氏は「Mastodonは分散化したプラットフォームであり、コミュニケーションが単一の企業に独占されるリスクを避けられる」と説明しています。Twitterの弱点をカバーする“ポストTwitter”を意識して制作したようです。
■参照
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/13/news131.html
この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部