【2019年5月更新】Facebookニュースフィードのアルゴリズム最新情報!基本方針と変更の変遷
2019/05/20

- ■目次
- ニュースフィードのアルゴリズムの仕組みとは?
- ニュースフィードの変遷
- アルゴリズム変更の傾向とFacebookの意図
- まとめ
1. ニュースフィードのアルゴリズムの仕組みとは?
スマートフォンが普及してインターネット上の情報に触れる時間は、以前に比べて増えていることは多くの人が実感することだと思いますが、それに合わせて価値の低い情報に時間を浪費してしまっていると感じることはないでしょうか。 Facebookではその対策の一環で、ユーザーにとって最も「魅力的なコンテンツ」は何かを調査し、フィード上でユーザーと情報を繋げることをミッションとしています。この「魅力的なコンテンツ」を評価する上で、下記の3つを重視してアルゴリズムの改善や開発の基準にしているとFacebookは発表しています。① 友人や家族の情報
Facebookはもともと友人や家族、場所に人をつなぐことを目的に開発されました。その考え方はフィードのアルゴリズムにも強く反映されています。身近な人の情報は優先的に取り扱われ、さらにその人にとって有益であったり、エンターテイメント性のある情報はさらに重視されています。② アイデアとしてのプラットフォーム
Facebookは、新しいアイデアにつながるような情報であるかどうかも重視しています。例えば、誰もが知るべきような話ではなく、その人自身が一番求めているアイデアが見つかり、新しい発見につながるようなフィードを目指しています。③ ユーザーが本当に求めている情報か否か
情報がユーザーにとって有益であるかどうかは、クリック率やいいねでは必ずしも図られません。例えば、悲しいニュースは誰もがいいね!やシェアは控えますが、それが人々にとって無関心なニュースであるという意味にはなりません。 実際にそのニュースをどれくらい読んだのか、どれくらいページ滞在したのかも計測し、情報の価値を計測しています。詳しい仕組みは、下記の動画でニュースフィードのプロダクトマネジメント担当副社長Adam Mosseri氏によって解説されています。https://newsroom.fb.com/news/2016/04/news-feed-fyi-from-f8-how-news-feed-works/
上記の3つを大きな軸としてこれまでフィードの改善や改修が行われてきました。具体的にはどんな改善がされてきたか、直近1年間の変遷を見ていきましょう。2. ニュースフィードの変遷
本項では、昨年春から今年までに行われてきたニュースフィードに関する、8つのアップデートをまとめてみました。① 2016年6月29日
友達の投稿の「見逃し」を防ぐ
② 2016年8月4日
「釣りタイトル」を削減する対策
https://newsroom.fb.com/news/2016/08/news-feed-fyi-further-reducing-clickbait-in-feed/
タイトルに惹かれてクリックしてみたら思った内容と全然違った、という経験が1度はあるかと思います。そうしたいわゆる「釣りタイトル」(「クリックベイト」とも呼ばれる)を減らす対策が行われました。 具体的には釣りタイトルでよく使われる文言を識別するためのシステムが組まれ、「釣りタイトル」を利用しがちなサイトやページやサイトを検出、対象のページをフィードの下部に表示されるようになりました。 また、クリックしてすぐ離脱されているページは、釣りタイトルの傾向があるとして、その配信量を下げるような対策が取られています。③ 2016年8月11日
その人にとって有効なコンテンツを予測するアルゴリズムの追加

https://newsroom.fb.com/news/2016/08/news-feed-fyi-showing-you-more-personally-informative-stories/
このアップデートでは、ユーザーごとにどんな情報が最も有益なのかを判別するアルゴリズムが追加されました。 自分にとっては有益な情報も、他の人にも同じく有益であるとは限りません。誰が、どんな情報を評価するかを知るために、Facebookは毎日数万人規模のユーザー調査を行いました。 この調査によってより有益な情報が予測されるようになり、一人ひとりのユーザーに対して有益な情報が提供されるようになりました。④ 2016年12月15日
フェイクニュースへの対策
https://newsroom.fb.com/news/2016/12/news-feed-fyi-addressing-hoaxes-and-fake-news/
事実と異なる内容の「フェイクニュース」は大きな問題になっていますが、Facebookもこの問題には真剣取り組んでいるようです。アップデートのリリース分も、他の文章と比較するとだいぶ長めに書かれています。 このアップデートでは、フェイクニュースに対応するために、いくつかの機能が追加されました。 1つ目には、ユーザーが簡単にフェイクニュースの報告ができるよう、フィード上に報告用のボタンが設置されました。ユーザーはそのユースがフェイクなのか、スパムなのかを報告できるようになり、むやみな拡散を防いでいます。 2つ目に、第三者機関を用いてフェイクニュースの「フラグ」を立てる機能も追加しています。例えばある記事がフェイクニュースだと思われたとき、第三者機関はフェイクニュースの「フラグ」を立てます。それをユーザーは見て、シェアするかしないか、を自分で判断できるようになることにより、フェイクニュースの拡散が防がれるようになります。⑤ 2017年1月26日
動画を評価するアルゴリズムの追加
⑥ 2017年1月31日
タイムリーかつ、精度の高いコンテンツを提供するアルゴリズムの追加
⑦ 2017年4月25日
関連記事を表示させるテストを実施
https://newsroom.fb.com/news/2017/04/news-feed-fyi-new-test-with-related-articles/
このアップデートでは、フィード上で話題になっている投稿の下の部分に、関連した内容の記事が表示されるようになりました。例えば体の健康にまつわる投稿がされれば、その下部に健康にまつわる記事が合わせて表示されます。 これにより、ユーザーは自分が興味ある情報について、よりたくさんの情報を集めることができるようになりました。あくまでも試験的にやっているようで、結果を受けてさらに改善したり、他のサービスでの展開を予定しているようです。⑧ 2017年5月10日
価値の低いWebページへのリンクを減らす
https://newsroom.fb.com/news/2017/05/reducing-links-to-low-quality-web-page-experiences/
リンク先に飛んでもほとんど情報がないようなページを減らすため、価値の低いページのリンクをフィード上から減らす変更がされました。 具体的にはFacebookからリンクされた数10万ページをFacebookが見直し、中身を持たないページや有害な広告ページを発見。それと類似したページをAIを使って検索させ、該当するページはフィードに表示させないような対策がとられました。この施策により、品質の低いランディングページやサイトはトラフィックが減少する可能性があることをFacebookは公表しています。 この変更は数か月にわたって広がっていくとのことで、すぐに大きな影響があるとは考えられませんが、今後広告用のページはこのアルゴリズムを十分に理解して制作する必要があるかもしれません。⑨2017年6月30日
個々ユーザーに有益なリンク投稿をより多く表示させるように

https://newsroom.fb.com/news/2017/06/news-feed-fyi-showing-more-informative-links-in-news-feed/
前回のアップデートでは質の低いリンク投稿を控える措置が取られましたが、今回は人々に役に立つ情報をより届けられるように改善しているようです。 Facebook社の調査によると、日ごろから大量にリンク投稿をして他人のフィードを圧迫している一部のユーザー群が確認されました。今回は扇動的な内容や事実とは異なる内容をふくむ記事の拡散を防止し、有益な情報が表示されるようにアルゴリズムの変更を行ったとしています。 こちらは「リンク投稿」のみが対象となり、ドメインやページ、写真や動画の表示に対する変更は加えられていません。また大半の広告主の投稿に対して大きな変更はなく、引き続き、ユーザーに有益と思われ反応される情報の配信が大切となります。⑩2017年8月2日
読み込み速度の早いページが優先的に表示されるように

⑪2017年8月9日
人の目とAIでクローキングを特定

⑫2017年8月15日
ニュースフィードの UIをよりわかりやすく使いやすく

https://newsroom.fb.com/news/2017/08/making-news-feed-an-easier-place-to-connect-and-navigate/
ニュースフィードのUIがより見やすく、コミュニケーションしやすいデザインにバージョンアップされました。コメントや、絵文字、シェアボタンが以前よりも大きく簡単にタップできる、backボタンですぐにフィードに戻れるデザインに変更されました。 ポストの外部リンクをクリックする際に、どこのサイトなのかURLが表示されるようになりました。アイコンが四角から円型になり、投稿者が誰なのかをわかりやすく表示するようにデザインされています。 また背景コントラストの配色も紺色から薄いグレーになり吹き出し形式に変更されました。これにより誰のコメントなのか区切りがわかりやすくなりました。 なおこれらデザイン変更は、ページのリーチやトラフィックに影響するものではなく、ユーザーの視認性向上を目的としています。⑬2017年8月17日
偽動画再生ボタンへの規制を強化

https://newsroom.fb.com/news/2017/08/news-feed-fyi-taking-action-against-video-clickbait/
動画再生ボタンのマークを静止画に挿入して動画投稿を装い、ユーザーのクリックを誘導し、広告やスパムを表示させる「うっかりクリック(クリックベイト)」を狙う投稿の規制に乗り出しました。動画と思い、ついついクリックしてしまうため、「うっかりクリック(クリックベイト)」と呼ばれています。静止画にも関わらず動画を偽装する投稿は、降格処分(ニュースフィードのおける表示順位を落とすという意味だと思われる)になります。 悪質な投稿者を規制するための取り組みであるため、通常の投稿や企業ページには影響はありません。⑭2017年8月28日
偽ニュースの反復投稿を掲載中止に

https://newsroom.fb.com/news/2017/08/blocking-ads-from-pages-that-repeatedly-share-false-news/
これまでFacebookは偽ニュースや悪質な広告の排除に取り組んできました。現在では、第三者機関が摘発したスパム投稿にリンクする広告を掲載できなくなっています。 今回は、偽ニュースと認定された記事を何度も繰り返して投稿する広告が掲載できなくなりました。これにより、広告を購入することができず、アクセスを集められなくなり、スパマーの本来の目的である収益化を防ぐことができます。悪質な投稿、間違った情報の広告を中止すれば、広告を再度掲載できる可能性もあります。 有益な情報が集まるプラットフォームを目指すFacebookは、悪質なスパマーを排除するために、「1.偽ニュースを配信しても収益を得られない環境作り」「2.偽ニュースの普及を抑制するためのプログラムの開発」「3.ユーザーが偽ニュースを見た時に正しい判断ができるようにサポートする」という3つのサポートに尽力をしています。 今回のアップデートは、悪質なニュース配信者が利益を得られないように規制をかけ、悪質な投稿を発見、排除する取り組みになっています。⑮2017年12月18日
「エンゲージメント釣り(engagement bait)」投稿を厳正に対処

⑯2018年1月11日
企業ページよりも友人や家族の投稿をもっと表示させる設定を導入

https://newsroom.fb.com/news/2018/01/news-feed-fyi-bringing-people-closer-together/
友達や家族からの投稿を、企業やブランドのFacebookページからの投稿よりも優先するようになります。 背景として、企業やブランドの投稿がユーザーの興味深い内容であったとしても、それらを受動的に見ているより、友達や家族の投稿を見ている方がユーザーの健康に良い影響を与えていると分かったことが挙げられます。 とはいえページの投稿でも、コメントやシェアが多い投稿であれば相対的に優先度は高くなります。Facebook社はページオーナーに対して、コメントが多く付けられる傾向にある「ライブ動画」を投稿するよう奨励しています。⑰2018年1月20日
ユーザーの評価をニュースメディアの信頼度として反映
https://www.facebook.com/zuck/posts/10104445245963251
CEOのMark Zuckerberg氏は1月20日、自身のFacebookページ上で新たな仕様変更について言及しました。 内容は、ユーザーが閲覧するニュースを高品質なものにするために、ユーザーが信頼でき、かつ有益で、地域の情報を届けるようなニュースを優先的に表示するというものです。 Zuckerberg氏は投稿で「ソーシャルメディアはこれまで以上に人々が情報を拡散することを可能にしており、もしFacebookがこれら問題にきちんと取り組まなければ、さらに問題を大きくしてしまうことになる」と述べています。 信頼できるニュースメディアをFacebook側が判断することも可能ですが、客観性の観点からそれは難しく、また望ましくないとしています。そのためFacebookは、ユーザーへの調査を通じたフィードバックをもとにニュースメディアのランキング付けを行うと発表。ユーザーにそのニュースメディアを知っているか、そしてそのメディアを信頼しているかを調査するとしています。⑱2018年6月27日
設定したキーワードに関連する投稿を非表示にする機能をテスト

https://newsroom.fb.com/news/2018/06/keyword-snooze-a-new-way-to-help-control-your-news-feed/
Facebookはキーワードを設定することによって関連する投稿を一時的に非表示する機能のテストを開始したことを発表しました。 この機能でスヌーズされたキーワードを含むユーザー・ページ・グループの投稿は30日間非表示になります。 Facebookによると、ユーザーにとって最も関連性の高い投稿をフィードに表示させてもそれが正しいフィードになるとは限らず、ユーザーが重要なことに時間を集中できるようにすることが背景にあるとしています。⑲2019年3月31日
投稿が表示された理由が分かる「Why am I seeing?(なぜこの投稿が表示されているのか?)」機能が追加

https://newsroom.fb.com/news/2019/03/why-am-i-seeing-this/
Facebookのニュースフィードには独自のアルゴリズムが搭載されており、投稿されて間が空いていない鮮度の高い情報であったり、友人や知人間で話題を呼んでいたり、自分にとって重要そうである投稿が表示されやすい仕組みになっています。 4月現在、まだ日本では実装されておりませんが、今回のアップデートによって各投稿が自分に表示される理由が分かるようになりました。「Why am I seeing?」を押せば、どの友人と繋がっているから、あるいはどのグループに入っているから投稿が表示されているのか詳細を確認でき、今後の表示頻度に対してフィードバックできるようになります。⑳2019年5月16日
友人や知人の投稿、有益なリンク投稿の評価がアップ

3. アルゴリズム変更の傾向とFacebookの意図
これまで約1年間のアルゴリズムの変遷を見てきましたが、大きく分けて2つのポイントがアルゴリズムの変更の軸になっているように見受けられます。 1つ目が「関連性の高いコンテンツの提供」で、2つ目がフェイクニュースを中心とした「価値の低いコンテンツの排除」です。① 関連性の高いコンテンツの提供を
「関連性の高いコンテンツの提供」に関しては開発された当初からFacebookが追い続けている目標であり、この1年間でもたびたびアルゴリズムの改善がされてきました。 直近1年で言えば、リアルタイムでコンテンツを出せるようにしたり、さらに深い情報を与えたりと、様々な施策とテストが実施されていました。このテーマに関してはこれからも追い続ける課題であり、今後もたくさんの施策が行われると考えられます。② Facebookの死活問題であるフェイクニュース
「価値の低いコンテンツの排除」について、米国の大統領選などフェイクニュースは大きな話題となりましたが、実際にユーザーの生活に悪い影響を及ぼすまでに拡大しています。結果的にSNSへの信用までも低下させており、Facebookにとっての死活問題ともなりかねません。 現状も対策を進めており、フェイクニュースを配信するページの広告出稿をブロックするという対策も実施しています。しかしながら、SNSが自由な表現の場である以上、フェイクニュースを0にすることはかなり難しいと言わざるを得ません。 今後SNSが信用たるメディアとして成長していくためにも、Facebookはフェイクニュースや価値の低い情報への対策を今後も強めていくと考えられます。4. まとめ
いかがでしたでしょうか。 Facebookのアルゴリズムの遷移を見ていくと、今のFacebookの課題や、今後の方針がお分かりになるのではないでしょうか。SNSの巨人であるFacebookの動向は業界自体にも大きな影響を与えます。今後も引き続きその動向を追いつつ、新たなアップグレードがあれば随時更新をしていきます!合わせて読みたい記事
