いまこそ再評価すべき! 新たな発見と出会えるディスカバリーエンジン「Pinterest」の魅力
2017/08/21

- ■目次
- プロフィール
- プロダクト開発に注力した数年間
- 発見と出会うPinterest
- 他SNSと違う、Pinterestは本当の「インタレストグラフ」
- Pinterestは頭の中をすべて知れるツールになる
- Pinterestを企業やプロが活用する方法
- 話題の画像検索機能「Pinterest レンズ」の日本展開は?
- 人はもっとクリエティブになれる
1. プロフィール
小串良輔氏:ピンタレスト・ジャパン株式会社マーケティングマネージャー
2. プロダクト開発に注力した数年間
大久保:前回のインタビューから数年がたちましたが、その間、Pinterestは主にどのようなことに注力されていらっしゃったのでしょうか。 小串氏(以下、敬称略):ここ数年は地道にユーザーにとってのプロダクト体験の改善を繰り返していました。Pinterestが最初日本でサービスインした際は、言語対応やアプリ対応がまだまだ十分ではなく、正直狙った通りのサービス体験を提供できていませんでした。特に検索は日本語対応の質が低かったため、日本人ユーザーにとって役にたつピンを表示できない。Pinterestが提供したいと考える肝の部分が上手く使えなかったのです。 そこでカントリーマネージャー・定国の判断のもと、日本ではインターナルの整備、およびプロダクト体験の改善に人的リソースを割いていました。ただ時間をかけたこともあり、現在のPinterestはまさに我々の提供したいものを提供できるようになった。定国の言葉を借りると「ようやく人様に出しても恥ずかしくないプロダクトになった」状態が今です。3. 発見と出会うPinterest
大久保:サービス的にも狙い通りの体験提供できるようになったとのことですが、実際Pinterestはどのようなサービスなのでしょうか。小串さんなりの考えを教えていただければと。 小串:個人的にはPinterestは「ディスカバリーエンジン」という言葉が合っているかなと思いますね。前回の中島のインタビューでもお伝えしていますが、SNSではないと思っています。例え話をしましょう。私はPinterestへ転職する時に髪型を変えたのですが、Pinterestがきっかけでこの髪型にしたんです。
4. 他SNSと違う、Pinterestは本当の「インタレストグラフ」

5. Pinterestは頭の中をすべて知れるツールになる
大久保:その違いを適切に理解し、使い分けている方はいらっしゃるのでしょうか。 小串:過去に見た印象的な例ですと、音楽ファンの方がとても面白いことを言っていました。音楽ファンといっても、好きなアーティストが使っている楽器に関するコミュニティの人で、私が出会ったのは、ベースのサンダーバードが好きな人が集まるコミュニティの人でした。その人は「アーティストもやってほしい」と言っていました。 アーティストがどんな楽器を使っているかはもちろん、どんな楽器が好きで、どんなアーティストの曲を聴いているかといった音楽にまつわる様々な考えや情報がそこに集まってくるから。簡単に言えば何を考えているのかを知りたい。頭の中をのぞいてみたいというわけです。 この人はどんなものに影響されたのか。どういうものに触れているのか。どういう人ファションに興味があるのか。ファンはそこまで知りたいんです。ただその人が言っていたことはとても示唆的で、Pinterestってその人の頭の中をのぞくツールになりうるんです。これはソーシャルメディアでは絶対に再現できない面白い見方だと思いますね。6. Pinterestを企業やプロが活用する方法
大久保:ソーシャルメディアラボでは5月に「Pinterest女子が語る、Instagramとの使い分けのススメ」という記事をアップしました。まさにInstagramとPinterestをうまく使い分けているという話だったのですが、Instagramと比較した場合Pinterestはどのような役割になると思われますか。 小串:Instagramは良くも悪くも等身大なコンテンツを提供する場だと私は考えています。ユーザーが増えいろんな人が気軽に投稿するようになったからこそ、投稿の質は等身大なものが多い。無論、ファッションやブランドの人は作り込んだコンテンツを出していますが、Instagramの場合Instagram内で完結する必要がある。そこは他のSNSと比べ大きく異なるポイントだと思います。 大久保:なるほど。Pinterestはそういった、企業やブランドが活用するといった使われ方はあるのでしょうか? 小串:今後ユーザーが増えていけば、かなり可能性のある分野だと思います。例えばフォトグラファーのように発信するものがある方であれば、画像だけでなくURLもつけてトラフィックを彼らに返すこともできる。逆に一般企業のように発信するものがそこまでない場合も、アカウントを持つだけでも価値が出てくると思っています。運用は必要ありません。サイトにピン保存ボタンを付けていただくだけでいい。 自分でコンテンツあげなくても、「この商品いいな」「この家具いいな」と、ユーザーが自分ボードにピンしていけばいい。するとその企業にまつわるコンテンツがどんどんPinterest上へ増えていく。それがアルゴリズムで最適な人に流れ、再度ピンされ……という流れが自然と生まれ、コンテンツが一人歩きしてくれる。企業はサイト上のコンテンツをピンしやすいように作るだけでいい。それだけで、企業サイトへのトラフィックを生み出せるのです。
7. 話題の画像検索機能「Pinterest レンズ」の日本展開は?
大久保:Pinterestといえば、今年の2月にベータ版をリリースされた画像検索機能「Pinterest レンズ」が注目を集めましたが、その後ベータ版に対する反応はどうなのでしょうか。 小串:Pinterest レンズは現状Android, iOSアプリを米国内でリリースさせていただいており、幸いかなり好評いただいています。画像検索ツールなどで類似画像を検索することに力を入れはじめている会社さんもありますが、Pinterestはサービスリリース時からイメージに基づくインスピレーションのプロダクトに特化してきた、画像を扱うプロでもあります。精度面でもまだまだ向上は必要ですが、頭一つ抜けているのではないかと思いますね。 大久保:とても魅力的ですし、Pinterestの強みも発揮されそうです。日本で展開するご予定は? 小串:残念ながら、現状未定としか申し上げられません。Pinterest レンズがあれば、Pinterestがリアルの中でも存在感を発揮しますし、あらためてPinterest内にピンされている画像が価値を発揮することになる。正直中にいる我々としても、早く日本でも出したいという気持ちで一杯です。8. 人はもっとクリエイティブになれる

▲オフィスの様子
大久保:数年間の開発期間や、日本でのSNSの普及、そしてPinterest レンズの期待を含め、改めてPinterestは日本で大きく価値を発揮できるのではないかと感じました。今後が楽しみだなと思うのですが、目指していきたいことなどを教えていただけますでしょうか。 小串:改めて、もう一度Pinterestの価値を発信していかなければいけないと考えています。前から使ってくださっている方も、初めての方も含め、今だからこそ伝えられる価値があると思っています。日本の方々はもともと集めるという行為が好きな人がとても多い。ちょっと失礼な話かも知れませんが、好き人が多いですし得意でもあるので、Pinterestはとても相性がいいはずです。 Pinterestのミッションには「Help people discover and do what they love」という言葉があります。つまり、「人々が好きなものを発見したり、やってみようと思えることをお手伝いしよう」ということ。好きなものややってみたいこととの出会うことで、人はもっとクリエイティブになれる。そのためにPinterestがもっとお手伝いできることを増やしていきたいと思いますね。合わせて読みたい記事
