エンゲージメントが高まった結果“モノ”を買う。「Live Shop!」の考えるライブコマースの形とは
2017/09/25

- ■目次
- プロフィール
- テレビのビジネスモデルを集約した3つの事業
- スマホならではのコンテンツづくりに注力した2年
- ライブコマースはエンゲージメントコマース
- プロダクト頂点思想ではなく、コンテンツ頂点思想
- 思いもしなかったユーザーの反応
- 出演者の主体性が重要
- 豊富なコンテンツと良質なコミュニティを目指す
1.プロフィール
新井拓郎 氏:株式会社Candee 代表取締役副社長CCO (写真右) 鍛治良紀 氏:株式会社Candee 執行役員Senior Vice President (写真左)
2.テレビのビジネスモデルを集約した3つの事業
大久保:Live Shop!についてお伺いする前に、まず御社の事業について教えてください。 新井氏(以下、敬称略):弊社は「メディア事業」「広告事業」「タレントマネジメント事業」の3つを展開しています。この3つはテレビのビジネスモデルを集約しています。テレビのビジネスモデルは「テレビ局」「広告代理店」「芸能事務所」で回っているのですが、ネットの新しいコンテンツやビジネスをつくるためには、この3つを同時に事業部として立ち上げなければならないと思ったんです。ですので、「メディア事業=TV局」「広告事業=広告代理店」「タレントマネジメント事業=芸能事務所」のような形で事業を進めてきました。3.スマホならではのコンテンツづくりに注力した2年


4.ライブコマースはエンゲージメントコマース
大久保:ライブ配信でもさまざまなサービスがありますが、その中でもなぜライブコマースという形にしたのでしょうか? 新井:中国ではライブコマースのサービスが爆発的に伸びています。僕らもライブコマースを見た時、この新しいビジネスモデルが今後日本にも来る可能性が高いと感じました。ただ、コンテンツ的に安っぽい印象を与えてしまうと感じましたし、ここまで喋り続けられる出演者がどれだけいるんだろうか、、ユーザーに受け入れてもらえるのか課題でした。 一方「投げ銭型」のライブサービスも盛り上がっていましたが、こちらもすごく流行るというイメージが持てなかったんです。でも中国のライブコマースをよく見てみると、ある種“投げ銭的にものを買っている”部分もあるなって思ったんです。つまり、エンゲージメントが高まった結果、好意としてモノを買うという行為をしていると思ったんです。これって“エンゲージメントコマース”だと思うんです。この方向性なら確かにあるなと思ったのです。5.プロダクト頂点思想ではなく、コンテンツ頂点思想
大久保:ライブコマースって通販番組のように商品の説明をするだけだと思っていたのですが、実際にLive Shop!を使ってみると商品の紹介をほとんどしなくて驚きました。どういった思想で企画されているのでしょうか? 鍛治:ドラマを見ている感覚に近いと思います。ドラマを観ている時は服を買おうと思っていないですが、女優さんの着ている服に自然と目がいくことってありますよね。そういう意味では、ドラマというコンテンツでファッションの紹介もしているんです。ドラマを観ながら気になった服を検索して買ってしまう。そういうマインドになれるようにコンテンツ企画をしています。 新井:ドラマの登場人物が着ている服を買うときには、共感して “自分もなりたい” “近づきたい” という思いで買うと思います。決して「服の素材はどんなものだろう?」とは思っていないですよね。 でも通販番組は商品ありきで、商品の価値がメインです。「なんと、この商品シルク100%!」とか言いますよね。これはプロダクトが頂点に立っているからなんです。 旧来の大型ECも同じで、プロダクトが頂点のコマースだと思っています。しかし僕らは違う切り口で、コンテンツが頂点でエンゲージメントをいかに高められるかを意識しています。実際にエンゲージメントが高いと商品は売れますよ。6.思いもしなかったユーザーの反応

抽選機能
アンケート機能
7.出演者の主体性が重要
大久保:ライブコマースで商品を売るときに重要なポイントなどがあれば教えてください。 鍛治:出演者さん自身の主体性を引き出す点は気をつけています。Live Shop!では、撮影時に着る服のコーディネートを2パターン用意しています。すべて自分でコーディネートを決められる人もいますけど、決められない人もいます。そういう人に対して主体性を持ってもらうために、コーディネートを選んでもらうんです。 そうすることで、出演者さんが「今日のテーマは〇〇だからこのコーディネートにしました」というように自発的な言葉で発言できるんです。 大久保: 商品の説明トークの指導などはないのでしょうか? 鍛治:それをやるとステマっぽくなってしまうので僕らからは誘引しないですし、演者さんのありのままで表現してもらっています。。この点が先ほどの、「プロダクト頂点」と「コンテンツ頂点」の違いですね。 ユーザーは出演者が発する言葉を真摯に受け止めますからね。「ステマっぽく言わされてる」は、気づいてしまいます。8.豊富なコンテンツと良質なコミュニティを目指す

この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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