企業のFacebookページ運用の重要ポイント! 「企業ページ」と「商品ブランドページ」の使い分け事例3選

2017/10/27


企業がFacebookページを使い始めたときは、オウンドメディアへの送客など補助的な役割が期待されていました。しかしユーザーのソーシャルメディア利用が増えたいまは、むしろFacebookページからの情報発信の方を重視している企業やブランドもあります。なぜならば、Facebookページはユーザーと企業をつなぐ接点として大きな役割を果たすからです。


しかしながら、Facebookページを上手く使いこなせず、ただ最新情報などを発信している企業アカウントもあります。戦略を持って活用すれば効果が見込めるのに、非常にもったいない状況といえるでしょう。


今回は、Facebookページを運用していく上で重視すべき点と、企業として複数のFacebookページを上手く活用している事例をご紹介します。


※更新履歴

2020年5月:状況に合わせて各数値や事例を差し替えました。


    ■目次


  1. なぜ企業ページと商品ブランドページを分けるべきなのか

  2. 事例①:P&G Japan / SK-Ⅱ

  3. 事例②:資生堂 / アネッサ

  4. 事例③:キリンビバレッジ / 午後の紅茶

  5. まとめ


※各事例のいいね数・フォロワー数は20203月時点のもの


1. なぜ企業ページと商品ブランドページを分けるべきなのか


Facebookページの投稿内容と「エンゲージメント」の関係性


最近ではFacebookに限らずSNS全般で「エンゲージメント」という考え方が非常に重要になっています。


「エンゲージメント」とはつながり、絆、といった意味を持つ言葉で、SNSにおいては「情報発信者とユーザーとの関係性の強さ、深さ」などを表します。各SNSは、いいねやシェアなどの「エンゲージメント」とされる行為を定めており、これらの行為の発生率が高いと「エンゲージメント率が高い」とされ、ユーザーと良好な関係を築けている価値の高いアカウントだとみなされるのです。


エンゲージメントを高めるために、ユーザーの興味に合わせてページを分ける


企業のFacebookページ活用では、企業ページ(企業名アカウントでのFacebookページ)で複数商品・サービスの更新情報を投稿している例がよく見られます。これは、Facebookページを運営する企業側にとっては効率的な方法です。しかし、ユーザー視点、そしてエンゲージメントの獲得という視点では理想的な状態ではありません。


ユーザーはそれぞれ「○○(商品)の最新情報を手に入れたい」「コスメに興味があるのでチェックしたい」など、Facebookページに対して期待しているものが異なります。それなのに同じ企業だからといってコスメの情報も企業が行っている社会的貢献の話も一緒に投稿されてしまうと、「期待と違う情報が多い」と感じられてしまい、エンゲージメント率が下がってしまうでしょう。


つまりエンゲージメントを高めるためには、ユーザーの期待ごとにページを使い分けるのが効果的です。わかりやすい例だと企業単位で運営するFacebookページと、商品・サービスのブランド単位で運営するFacebookページを分けることです。


以降で具体例を紹介します。


2. 事例①:P&G Japan / SK-Ⅱ


企業ページ:P&G Japan(いいね数:565万、フォロワー数:564万)


洗剤やオムツ、シャンプーなどを販売する日用品メーカーのP&G Japan。Facebookページ。自社が運営するライフスタイルサイトの「マイレピ」に関する投稿や、コーポレート・ブランディング関連の投稿が見られます。


出典


商品ブランドページ:SK-Ⅱ(いいね数:11万、フォロワー数:11万)


日本発の高級スキンケアブランドSK-Ⅱでは、事業ページとしてキャンペーンや商品を紹介する投稿を行っています。もともとSK-Ⅱは高品質、高価格のラインで比較的収入も高い「大人の女性」をターゲットにしていました。しかし最近では綾瀬はるかや有村架純など、若い女性に人気の女優をCMに起用し、若い女性に向けたプロモーションにも力を入れているように見受けられます。


いいね数は1投稿あたり20〜100程度でシェアもされており、グローバルブランドの商品なので海外からのコメントもついています。


投稿内容は新商品の紹介などで画像よりも動画を多く活用し、ひとつの商品に複数のパターンの動画を投稿することもあります。


2020年5月時点では、最新のブランドキャンペーン「美は#競争ではない(BEAUTY IS #NOCOMPETETION)」をヘッダーに画像に起用。大きくアピールしています。



出典


3. 事例②:資生堂 / マジョリカ マジョリカ / アネッサ


企業ページ:資生堂(いいね数:57万、フォロワー数:57万)


複数のブランドサイトのほかWebサービスのワタシプラス、技術情報を紹介するPICK UP TECHNOLOGYなど、数多くのWebサイトを持つ資生堂。企業としてのFacebookページは広報的な位置づけで、研究開発の成果や技術、ブランドの新着情報、社会貢献などを、ほぼ毎日投稿しています。いいね数は1投稿あたり100~800です。シェアやコメントも多くみられます。


投稿内容は、各ブランドや関連サイトの更新内容を簡潔に説明しつつ、リンクから各Webサイトへ送客。また企業としての取り組みのほか不良品回収のお知らせなども投稿しています。ブランドページながら単なる「お知らせページ」にならないよう、コメントにいいね返ししたり、研究員やヘアメイクアップアーティストなど異なる立場の人が投稿するなど工夫が見られます。



出典:画像左 画像右


商品ブランドページ:アネッサ(いいね数:3.2万、フォロワー数:3.3万)


資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ」のFacebookページでは、商品の情報を月に2〜3回投稿しています。テニスの大坂なおみ選手の試合結果など、スポンサードするスポーツ選手に関する投稿もしており、選手の応援で共感を呼びつつ水や汗に強いという商品イメージと結び付けています。1投稿あたりのいいね数は50~100です。


出典:画像左 画像右


4. 事例③:キリンビバレッジ / 午後の紅茶


企業ページ:キリンビバレッジ(いいね数:24万、フォロワー数:22万)


清涼飲料水メーカーのキリンビバレッジでは、Facebookページで商品紹介やキャンペーンの告知、企業としての取り組みなどを、ほぼ毎日投稿しています。広報的な位置づけで、商品のPRやブランドのイメージアップにつなげています。1投稿あたりのいいね数は100~400です。キャンペーンの告知などは1,000を超えます。


投稿は、各ブランドサイトや関連サイトの更新内容を簡潔に説明し、Webサイトへ送客しています。



出典


商品ブランドページ:午後の紅茶(いいね数:17万、フォロワー数:16万)


キリンの紅茶飲料「午後の紅茶」のFacebookページでは、商品に合う料理の紹介や新商品の紹介など週に1~2回投稿しています。1投稿あたりのいいね数は100~300です。商品紹介動画やCM動画などの投稿も見れらます。


ホワイトデーや節分など季節行事を絡めた投稿は、思わずいいね!やシェアしたくなるようなおしゃれな写真にこだわっている様子がうかがえます。



出典


またアンケートや間違い探しゲームといったファン参加型の投稿をおこなうほか、ユーザーからのコメントにこまめに返信しており、ユーザーとのコミュニケーションの場としても機能しています。


5. まとめ


一般的な企業では、企業名で運営するページのほうが、商品やサービスごとに運営する事業・ブランドページよりも知名度が高い傾向があります。そのため、フォロワー数獲得だけを考えるとブランドページを運用するよりも効果的と感じられるかもしれません。また社内の運用人員的にも1つにまとめたほうが効率的でコスト削減になります。


しかし、商品・サービス単位で情報発信したほうがエンゲージメント率が高くなる場合もあります。今回の事例でも、フォロワー数に対するいいね数では、商品ブランドページのほうが率が高いページも多く見受けられました。


言い換えると、全方位的に情報発信するよりも、ターゲットやジャンルを絞って情報発信したほうがユーザーとのエンゲージメントは高くなる傾向があります。問い合わせ対応などのコミュニケーションも、商品・サービス単位で行ったほうが効果的です。


ポイント


それを踏まえた上で、以下のように使い分けることで、よりFacebookページ活用の効果が出やすくなります。



  • 企業ページ:広報的に更新情報を発信する。認知度向上を図る

  • 事業・ブランドページ:ユーザーとコミュニケーションをとってエンゲージメントを意識する


ユーザー視点で考えて、Facebookページ運用における複数ページの使い分け方を考えてみてください。


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