Instagram API、一部機能の提供終了。その理由と今後の対応策とは?
2018/06/21
Instagram APIの機能が廃止されることは、以前より告知されていました。しかし2018年4月に廃止された機能は、元々は2018年7月と12月に廃止予定とされていたものです。なぜ突如予定が早まったのでしょう。
今回はInstagram APIの一部機能の廃止が早まった理由、具体的にできなくなったこと、そして代替手段についてご説明します。
- ■目次
- InstagramA PIの一部機能の提供終了が突如早まる
- なぜInstagram APIの提供機能が変更(停止)されたのか
- API変更によって取得できなくなったデータ
- Instagram APIの代替手段としてのInstagram Graph API
- Instagram APIを使った分析ツールは使えなくなる
- まとめ
1. Instagram APIの一部機能の提供終了が突如早まる
2018年4月、Instagram APIの一部主要機能が廃止されました。
そもそもInstagram APIとは、Instagramのプログラムの一部をWeb上に公開することで、誰もが外部から利用できるようにしたものです。具体的にはInstagramの写真データをWebサイトに表示させる、ユーザーの検索をする、フォロワーの情報、一般公開されている写真についたコメントに関する情報を取得するといったものです。
今回廃止された機能は、元々2018年7月31日、12月11日に廃止されると予告されていました。しかし予定よりも4~8ヶ月も早く廃止されてしまったことで、特にビジネスアカウントで利用していた多くの企業や店舗は少なからず影響を受けています。
2. なぜInstagram APIの提供機能が変更(停止)されたのか
多くのビジネスアカウントに影響を与えることになる一部機能の廃止。予告はしていたものの、なぜ4~8ヶ月も早く廃止してしまったのでしょうか。その原因についてInstagram側から正式なアナウンスはありませんが、親会社であるFacebookのデータ流出が関連しているのではないかと予測されています。
このFacebookのデータ流出とは、あるアプリをFacebook上で公開し、個人データを収集していた開発者がイギリスで選挙コンサルティングを行っているケンブリッジ・アナリティカ社にそのデータを渡してしまったというものです。
Facebook上で個人データを集めること自体は、ユーザーの許可を得て行うため問題はありません。しかし収集したデータを第三者に渡すことは明確な規約違反です。ただ膨大なデータが流出した一因として、Facebookの個人情報管理の甘さもあったことも一部では指摘されています。
そうした経緯があり、Facebookはもちろん、その子会社であるInstagramにおいても個人データの収集、分析に関する機能を前倒しで廃止する流れになったようです。
3. API変更によって取得できなくなったデータ
これまで限定的ではあるものの、ユーザーの承認を得られれば、そのユーザーの写真やデータを取得することができました。しかし今回のAPI変更によって、これらのデータ取得が一切できなくなっています。
また写真についてコメントや「いいね!」の件数や情報の取得もできなくなりました。そしてInstagram APIを使ったユーザー検索もできなくなっています。
これらの情報が取得できなくなったことで、これまでサードパーティとしてクライアントサイトにInstagramの情報を表示させていたものも、表示できなくなってしまいます。
今後停止が予定されている機能
Instagramでは、今後2020年の初めまでにInstagram APIを使って行える機能のすべてを段階的に停止していく予定です。
具体的に停止される機能としては、位置情報を利用した特定エリア内の写真検索、タグ情報やタグに紐づいた最新メディアの取得、タグの検索。ロケーション情報やロケーションに紐づいた最新メディアの取得、位置情報によるロケーション検索などです。最終的には自分のInstagramの写真を自分のWebサイトに表示させることもできなくなります。
データ取得できるもの、取得できなくなるもの一覧
今回のAPI変更で何のデータがまだ取得できて、何が取得できなくなるのかまとめてみました。投稿関係とアカウント関係、2項目に分けてまとめました。
投稿関係のデータ
アカウント関係のデータ
4. Instagram APIの代替手段としてのInstagram Graph API(InstagramグラフAPI)
2020年の初頭までにはすべての機能が停止してしまうInstagram API。ではこれまで使っていた機能はどうなってしまうのでしょう。
Instagramは以前より、ビジネスアカウント向けにInstagram Graph API(InstagramグラフAPI)を用意していました。現在、InstagramはこちらのInstagram Graph APIの使用を推奨しています。
ただし、このInstagram Graph APIはこれまでのInstagram APIのように誰もが利用できるものではなく、現状はビジネスアカウント専用のAPIのためFacebook社の認証を受けたビジネスアカウト用ツールのみで使用でき、一般ユーザーはテスト目的以外での使用はできません。
https://developers.facebook.com/docs/instagram-api
Instagram Graph APIでできること
現在、Instagram Graph APIの主な機能は次の通りです。
参考:https://developers.facebook.com/products/instagram/
インサイトAPI
自社のビジネスプロフィールに関する指標を取得します。投稿もしくはストーリーのリーチやインプレッションを取得し分析するなどの用途に使えます。
Mentions API
タグ付けもしくはメンションされた写真情報の取得、またその写真へのコメント投稿ができます。
ビジネスの発見API
自社以外のビジネスアカウントのプロフィールや写真情報、フォロワーを取得します。競合調査などに利用できます。
コメントのモデレーションAPI
コメントを非表示にする、もしくはオンオフの切り替えができる機能など、コメントにまつわる機能を提供します。
5. Instagram APIを使った分析ツールは使えなくなる
Instagram Graph APIを使ったツールに移行を
ビジネスとしてInstagramを使用する場合、単に写真を公開するだけではなく、その効果検証が必須です。どの投稿の反応率が高いのか、どの投稿の閲覧数が多いのかといったことがわからなくては、PDCAを回して成果を上げることもできません。
そこで重要になるのが分析ツールですが、基本的に現状のInstagramで使用できる分析ツールはInstagram APIを使っていたため、できることが大幅に制限されました。そのため今後はツール提供者の対応を確認しつつ、場合によってはツールの乗り換えも検討が必要となります。
Instagram Graph APIを使ったInstagram分析ツール
今後、段階的に機能が停止されていくInstagram API。しかし現状ではInstagram Graph APIを使ってどういった分析ができるかはまだ手探りの状態であり、ビジネスとして利用するには多くの不安が残ります。
ガイアックスでは、今回のInstagramの急な変更以前から発表されていた緩やかな機能制限の情報を受けて、Instagram Graph APIへの移行を察知し、Instagram Graph APIを使った分析ツールを先行して開発し、Facebook社の認証も取得していました。それがPost Valuationです。
現在はベータ版ですが、ビジネスアカウントがあれば無料で登録可能で、今後機能が追加されていく予定です。ぜひ登録&ブックマークして使ってください。2019年10月17日を持ちまして、ベータ版の提供を終了しました。これまでのご利用、ご協力ありがとうございました。
https://postvaluation.com/
➡ 10/17 をもちましてサービス停止しました
6. まとめ
今回のInstagram APIの一部機能停止は、元々は7月31日、12月11日に予定されていたものです。
このことから見ても、今後も急な機能停止があることも十分に考えられます。いまや多くの企業にとって重要なマーケティングツールとなっているInstagramで、十分な分析が行えないとなればビジネスとして大きな損失を生んでしまう可能性も高まります。
そうしたことを避けるためにも最新情報を注視しつつ、Post ValuationのようにInstagram Graph APIを使った分析ツールの導入を検討されることをおすすめします。
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