炎上のトレンドやメカニズムとは? ライブ動画配信のリスク対策とそのポイント
2018/06/29

- ■目次
- プロフィール
- 従業員による「やらかし炎上」から「悪意なき炎上」へ
- 「翻訳」と「拡散」。新興ネットメディアの台頭
- ライブ動画配信時の炎上対策とは?
- まとめ
1. プロフィール

2. 従業員による「やらかし炎上」から「悪意なき炎上」へ
宮尾氏(以下、宮尾氏):ここ1,2年で炎上トレンドが大きく変化しているというのが私の所感です。2017年は炎上が非常に多く、なんと1000件前後の炎上騒ぎがあった年でした。 弊社がリスク対策のサービスを提供し始めたのが2013年前後ですが、最初の炎上は「冷蔵庫に入ってみた」などの、企業の従業員による「やらかし炎上」がほとんどでした。 その対策で企業はガイドラインの作成やネットリテラシー教育を実施しました。 一時期炎上のペースは落ちたこともありましたが、去年からまた盛り上がり、最近では毎日のようにいたるところで炎上しています。 最近では、ある企業からも次のようなご相談を受けたことがあります。 「プロモーション動画を配信したところ、それが炎上してしまった。今後は炎上を防ぎたいけれど、どうしたら良いのでしょうか」、「プロモーションの企画をしたものの、最後には動画の削除や謝罪に至ってしまうケースが非常に増えているので、どう対処したらいいのか」などです。 炎上のメカニズムはブラックボックスになっており、企業もなぜ炎上しているのかわからないという事例が増えています。これまでは明らかに会社に非がある、「やらかし炎上」が多かったのでシンプルな構図だったのですが、最近はより複雑になってきている印象があります。 それが「悪意なき炎上」、2017年の炎上のトレンドでした。 特徴としては、ジェンダー的な視点や当事者の視点から見て、「ちょっとそれはどうなの?」という炎上が非常に多かったと考えています。 同じコンテンツでも、見る人の社会属性によって受け止め方が全然違います。 SNSを担当されている広報や企画をされる広告代理店の方と視聴者の世界にはギャップがあると思っています。そのギャップの認識が欠けてしまうことで、炎上が引き起こされてしまいます。
3. 「翻訳」と「拡散」。新興ネットメディアの台頭
宮尾氏:それではなぜ炎上が起きやすくなっているのか。 炎上が起きる場合、最初はその当事者の声があがり、それを誰かが拾い上げ、「拡散」して広がっていきます。その後TwitterなどのSNSで拡散され、面白い記事やトレンドをまとめたメディアや、ハフィントンポストやバズフィードなどの「新興ネットメディア」にピックアップされるようになります。 最後はヤフートピックスに掲載され、大炎上。そしてテレビや新聞などのマスメディアに広がってしまうケースが往々にしてあります。
4. ライブ動画配信時の炎上対策とは?
宮尾氏:ライブ動画配信のときは、常にしっかりコメントをチェックするようにしましょうというお話です。通常の動画配信だと、企画したものがプラットフォームで配信され、ユーザが見てコメントが入ります。炎上した場合、それをモニタリングをして、経営層がリスクを判断して、アクションを決定するという流れです。 しかしライブ動画配信の場合は基本的にリアルタイムでモニタリングすることになり、経営層もしくは上司に相談してる時間はありません。なので、事前にどのような事例には、どのような対応をすべきかというルールを作っておくことは必ず必要になります。上司に判断を仰がなくても現場で判断し、アクションに移せるような権限委譲が必要になってくると思っています。
5. まとめ
宮尾氏:今日お話させていただいたのは大きく3つです。- 炎上のトレンドが「やらかし炎上」と「悪意なき炎上」にいま移ってきていて、特に社会的マイノリティやジェンダー問題に触れる炎上が、非常に増えているという、ネットメディアの文脈をしっかりと理解することが大事ですということ。
- 炎上において「新興ネットメディア」の役割がますますおおきくなってきているということ。
- ライブ動画配信ではリアルタイムで監視し、アクションしなければならないので、現場への権限移譲、事前のルール作成は重要であるということ。そのためには2つの時間軸で考えるべきということ。
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この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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