ECなら導入必須!Instagramショッピング機能の概要とやり方
2018/10/02
Instagramを活用するEC事業者にとってはかなり重要度の高い「ショッピング機能」が、日本でもリリースされました。
投稿ごとにリンクを貼れない仕様になっているInstagramでは、商品を紹介しても購入までの導線がスムーズではありませんでした。しかしショッピング機能を利用すれば、以前と比べて購買までのプロセスが圧倒的に簡単になります。どの程度購買に直結するかは未知数なものの、うまく活用できればかなり効果的だと思われます。
本記事では、このショッピング機能の概要と、導入する方法やメリットなどを解説します。
※編集部注
2018年10月2日:最新情報により加筆修正しました
- ■目次
- Instagramのショッピング機能(ショップ機能)とは?
- Instagramのショッピング機能を利用するメリット
- Instagramのショッピング機能を上手く活用するためのポイント
- ショッピング機能を導入する方法
- ショッピング機能を導入している企業アカウント事例
- まとめ
1. Instagramのショッピング機能(ショップ機能)とは?
Instagram公式サイトでは以下のように定義されています。
Instagramショッピングとは、利用者が1回のタップでおすすめ製品をチェックできる、バーチャルなショッピング体験です
より具体的に言えば、Instagramショッピングとは、「Instagramの各投稿からそこに写っている商品の詳細を簡単に確認、購入できる仕組み」となるでしょう。ショッピング機能を導入すると投稿画像内の商品にURLをタグ付けできるようになるため、「Instagramで商品を認知>詳細の確認>購入」までがかなりスムーズになります。SNSの投稿から数回のアクションでスムーズに購入までたどり着けるのです。
なお、日本で公開される以前に通称で「ショップ機能」「ショップナウ」などとも呼ばれていましたが、正式には「ショッピング機能」のようです。ショッピング機能は、スマートフォンアプリからのみ利用可能で、PCからは利用できません。
すでにショッピング機能を導入しているアカウントを例にとって、利用の流れを見て行きましょう。
関連記事:【イベントレポート】Instagramのショッピング機能がついに日本でも! 認知から購買までシームレスに
例:minne(@minne_official)
ショッピング機能が使えるアカウントは、投稿する商品画像に商品名や価格をタグ付けでき、ユーザーがタグをタップすると、価格や詳細のリンクが表示されます。このリンクから外部ECサイトへの遷移・購入が可能です。ユーザーは、ブラウザやアプリを立ち上げたり検索したりすることなく、気になった商品の購入までをシームレスに完結させられる仕組みになっています。
①「ショッピングバッグ」アイコンが付いた投稿をタップします。
②商品名と価格が書かれたタグが現れるので、クリックします。
③表示された商品の詳細ページで「ウェブサイトで見る」をクリックします。
④外部ECサイトに遷移し、購入ができます。
また、プロフィールページからの利用も可能です。
①プロフィール文の下に表示される「ショップ」ボタンをタップします。
②当該アカウントのショッピング投稿が一覧で表示され、画像をタップして前述の手順で購入まで進みます。
1枚の画像に5商品までタグ付け可能
ショッピング機能を利用して販売する際は、画像ごとに最大5つの製品、またはカルーセルごとに最大20の製品をタグ付けし、フィルターやキャプションを追加できます。
Instagram Stories(ストーリーズ)でのショッピングは現在テスト中ですが、ショッピング機能の利用を承認されたビジネスは、製品名またはショッピングアイコンを使ってストーリーズごとに最大3つの製品スタンプを作成できるようになる予定です。ショッピング機能をストーリーズで使えるようになれば、24時間限定販売など、使い方の幅がさらに広がることでしょう。
Instagramストーリーズにショッピング機能が拡大
https://ja.newsroom.fb.com/news/2018/09/shopping_in_stories/
現地時間2018年9月17日、世界46カ国でショッピング機能がInstagramストーリーズに拡大したことが発表されました。
投稿内でショッピングバッグのアイコンタグをタップすると、アプリ内で商品詳細を確認できます。
2. Instagramのショッピング機能を利用するメリット
2018年6月に行われたInstagramの公式イベントでは、「ユーザーの20%が検索機能を毎日利用し、42%の人がInstagramでの検索後にアクションを起こすこと」「国内EC市場ではモバイル経由の売上が35%で、2020年におけるモバイル経由のEC売上予想は2015年比の2.35倍である」ことなどを発表しています。
Instagramをはじめ、SNSで商品に関する情報を収集・比較検討するのが当たり前になってきている現在、SNSからの導線が面倒だと、購買意欲が高まったユーザーを逃してしまう恐れがあります。
ショッピング機能なら、ユーザーの「知りたい、欲しい」というモチベーションが高いときに商品の詳細までたどり着け、スムーズに検討・購入が可能です。また、これまでリーチできていなかった潜在顧客との接点を持つことも期待できます。
3. Instagramのショッピング機能を上手く活用するためのポイント
現状のショッピング機能は、以下のような導線になっています。
ショッピング機能の立ち位置は、「ただ投稿に商品ページをリンクさせる」だけでも、「Instagram上でECを構築してそこで販売できるようになる」わけでもない、その中間です。
ですから当面の使い方は「Instagramの個別の投稿から、ECサイトの個別商品ページにお客様を呼び込むもの」となります。
個別の投稿は、タイムライン・ハッシュタグ検索・発見フィードなどでユーザーとつながっており、フォロワー以外の流入も見込めます。つまり「個別の投稿で魅力を伝えて、興味を持ってもらう」という視点が重要です(とはいえこれは今までのInstagram運用とほぼ変わりませんが)。
いくら商品詳細をリンクできるからといって、自社商品の写真を次々と投稿してはいけません。商品の活用シーンをおしゃれに切り取り、「これを買うことで、どんな体験ができるのか」を想像させましょう。
たとえばコスメなら、アイシャドウそのものの写真ではなく、それを使ってメイクした人の写真を載せ、目元にタグを付けるなどです。
https://www.instagram.com/marcbeauty/
この「活用シーンに溶け込ませる」というのを念頭に、色々な見せ方を試していくのがいいでしょう。
4. ショッピング機能を導入する方法
ショッピング機能はどうやって導入するのでしょうか?その手順や条件について解説します。
まず導入の手順には、大きく分けて4つのステップがあります。
- Instagramのアカウントをビジネスアカウントに切り替え、Facebookページとリンクさせる
- 商品登録を行う(Facebookカタログなど)
- アカウントの審査を申請する
- 審査を通過すると、Instagramの投稿画面に商品タグを設定できる機能が追加されるので、商品にタグ付けする
ショッピング機能を使うアカウントとしての条件を満たした上で審査を申請し、承認されたら使えるようになるということですね。以下でこれらの手順でおさえておきたいポイントを見てみましょう。
ショッピング機能を導入できるアカウントの条件
ショッピング機能の利用審査をしてもらうに当たり満たすべき条件は以下です。
- ビジネスで、提供者契約とコマースポリシーに準拠した物理的な商品を販売している
- Instagramアカウントがビジネスプロフィールに移行済みである
- Instagramアカウントが所有権のあるFacebookページと接続されている
- Facebookページでショップセクションを追加もしくはビジネスマネージャでカタログを作成している(あるいはBASE、EC-Cubeなど、カタログ作成をサポートする国内事業者のECプラットフォームと連携する)
「物理的な商品を販売している」という条件なので、ショッピング機能を使えるのは有形物を扱っている事業者のみです。ですから、「飲食店が料理の画像にURLをタグ付けして予約に誘導する」などの使い方はできません。
ビジネスプロフィールへの移行とFacebookページとのリンクという条件はすぐに満たせますが、カタログの作成だけは少しだけ手間がかかるかもしれません。Facebook広告を展開する上でもカタログは役立つものですので、まだ作成したことが無いという方はこれを機にチャレンジしてみるのをおすすめします。
ビジネスマネージャでカタログを作成する | Facebookヘルプセンター
ビジネスプロフィールに切り替える手順
Instagramアカウントのビジネスプロフィールとは、Instagramが企業向けに導入したビジネスツールで、企業アカウントに直接連絡できるCTAボタンを設置したり、ショップの位置情報を掲載したりできるものです。切り替えの手順については、以下で解説していますのでご覧ください。
Instagramのビジネスプロフィールとは? 企業のInstagram活用が捗るビジネスツールを徹底解説
なお、ショッピング機能を利用したい場合、ビジネスプロフィールへ切り替える時にFacebookページと連携させるようにしましょう。
「提供者契約とコマースポリシー」とは
提供者契約とは正式には「コマース製品提供者契約」といい、製品提供者がFacebookの「提供者コマース機能」を利用して、ユーザーに製品の表示・販売などを行ったり宣伝したりする場合に適用される規約です。
また、「コマースポリシー」では、FacebookおよびInstagramで販売できる商品やサービスの種類に関する情報などを記載しています。
申請前にそれぞれの内容を確認しましょう
承認申請後の流れ
条件を満たして審査を申請すると、通常数日で審査は終了します。ただし、アカウントの詳細を審査する必要がある場合は、それ以上かかることもあるそうなです。承認されるとInstagramから連絡が来て、設定からショッピング機能をオンにできるようになります。
ECプラットフォームから申請する方法もある
Instagramと提携しているECプラットフォームを利用して申請する方法もあります。
ECプラットフォーム「BASE」を運営するBASE株式会社は、BASEでお店を開いている人向けに、ショッピング機能用のアプリ「Instagram販売App」の提供を2018年6月5日から開始しました。審査通過のために満たすべき条件などは変わりませんが、こういったBASEなどのプラットフォームでECサイトを運営している人は、それを利用して審査の申請をすると良いでしょう。
5. ショッピング機能を導入している企業アカウント事例
Instagramでショッピング機能の導入が発表される時点でテスト導入していた企業アカウント、およびそれらのショッピング投稿を例として、2つご紹介します。
事例1:ZOZOTOWN(@zozotown_official)
ZOZOTOWNは、1枚の画像に1つの商品のみをタグ付けしている投稿が多いようです。
また、カルーセル投稿を活用してそれぞれの画像にタグを付けたりと、ショッピング機能を使いこなしています。購入が完了するまでユーザーに煩わしさを感じさせず、購買意欲を低下させない工夫が見られます。
事例2:BOTANIST(@botanist_official)
BOTANISTでは、商品を紹介する投稿のときにはショッピング機能を利用していますが、ショッピングタグ無しの世界観を伝える系の投稿の割合も高めです。
扱っている商材の幅が限られている場合や購入頻度が低めの商材の場合、このような運用方法が参考になるでしょう。
6. まとめ
ようやく日本でも導入が開始されたInstagramのショッピング機能は、ユーザーが投稿を目にしてから購入するまでの導線が最短で分かりやすいため、購買促進の強力な手段となりえます。広告を使わなくても商品の購入導線を設計できる利点を自社のECサイトにどう活かすかが、今後の成長を左右することになるかもしれません。
Instagramアカウントをブランディングの形成という位置付けから、一つの販売チャネルに変化させるきっかけとなるこのショッピング機能、先行導入した企業を参考にぜひ活用してください。
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