Instagramの人気投稿アルゴリズムを徹底分析! ライスカレー製作所が語るアカウント運用のポイント
2018/08/14

- ■目次
- プロフィール
- ファンマーケティングとしてのInstagramと企業アカウントの陥りやすい罠
- 人気投稿に掲載されるにはコンテンツとの類似性
- 保存数を獲得しやすい「ミニブログ」的発想
- 今後のInstagram、企業アカウントのあるべき姿
1. プロフィール
株式会社ライスカレー製作所 代表取締役:大久保遼 氏
2. ファンマーケティングとしてのInstagramと企業アカウントの陥りやすい罠
小東:貴社のInstagramの事業では、どのようなことをされているのでしょうか。 大久保遼 氏(以下、敬称略):弊社の事業テーマとして「ファンマーケティング」を据えています。ソーシャルなプラットフォームの中でどのようにファンを集めてくるか、また、どのようにコミュニケーションを取るか、ここに取り組んでいるが基本的な事業です。 そもそも、なぜInstagramに注力しているのか。それは今の消費者が見ているプラットフォームの中で、Instagramはある意味一番ファンマーケティングの思想に近いと考えているからです。 Twitterと比較した時、Twitterでアカウントをフォローするハードルより、Instagramでフォローするハードルのほうが高いんです。 なぜならTwitterの場合、投稿がテキストベースなのである程度ノイズな投稿があってもユーザーは慣れているのですが、Instagramにおける画像や動画投稿の場合、スマホ画面の大半を占めることになるので、ノイズがTwitterよりも大きく、ユーザーは非常に嫌がります。そのためInstagramでユーザーは安易に自分が好きじゃないコンテンツをフォローしないんです。 その代わり、Instagramはユーザーから一度フォローされればロイヤリティがかなり高く、購買などの態度変容に繋げやすいSNSです。そういった理由で弊社ではInstagramハックに取り組んでいます。

▲同社の自社アカウント「シンプルホーム」では細かくハッシュタグ選定を行っている(前回記事より)
そうすると、段階的なハッシュタグの調整が必要となってきます。自分の投稿が、フォロワー数がこの規模で単位時間あたりこの程度のいいね!をもらえるから、このくらいの規模のハッシュタグが最適だろうと。そしてフォロワーが増えてきて、単位時間あたりのいいね!も取れるようになると、だんだん大きなハッシュタグも狙えるようになってきます。 最終的にみんなが検索する「ビックタグ」で人気投稿に出すことが一番理想ですが、その理想にたどり着くために、いきなりビックタグを狙っちゃっても結果は出にくいですね。まずは段階を刻んでいきましょう。 小東:そうですね。ほかに企業がInstagramの運用で陥りそうな罠はありますか。 大久保:そのアカウントのコンテンツが、フォロワーに対してどういう世界観で発信していくか、その設計を全くしないことです。とにかくハッシュタグを入れ替えればリーチが増えてフォロワーが増えるはずと考えてしまって、テクニカルな部分を先にやってしまうと、結局中身がついてこない。 そしてフォロワーもついてきません。単純に成功事例を真似してハッシュタグハックをしてもフォロワーが増えることはありません。3. 人気投稿に掲載されるにはコンテンツとの類似性
小東:前回の記事のハックポイントが少し古くなってしまったとのことですが、では具体的にどんな部分が変わったのでしょうか。 大久保:まず、UIが大きく変わりました。ハッシュタグの検索結果が2つに別れ、左側に人気投稿として「トップ」が、右側に時系列の「最近」に分かれています。加えて、アカウントごとにも表示される投稿が最適化もされるようになりました。 人気投稿に選ばれること、今は左側の「トップ」に写真がピックアップされることは引き続き重要です。

4. 保存数を獲得しやすい「ミニブログ」的発想
大久保:他には、「トップ」に出すためのKPIとして「保存数」というものが新しい重要な要素として注目しています。そしてその影響度がどうやら高そうだとわかってきました。 弊社のシンプルホームの中で、保存数が少なくていいね!がある投稿と、同程度のいいね!数でより保存されている投稿であれば、後者の保存されている投稿のほうが人気投稿に出やすくなっていました。

▲比較の様子
「ユーザーに保存したいと思ってもらえる有意義なコンテンツは人気投稿にピックアップされるべきだ」という、ごくごく自然なアップデートだと思います。 また、動画投稿も写真投稿もより横断的に評価したいというInstagramの意図を感じます。

5. 今後のInstagram、企業アカウントのあるべき姿
小東:今回のアップデートを含め、今後Instagramはどのように変化していくのでしょうか。 大久保:今やいいね!もフォロワーもお金で買えます。ですが、保存数は買えません。今回のアップデートでより有意義な、ちゃんとしたコンテンツを発信している誠実なプレイヤーが支持されるような世界になりつつあると思っています。 単にとりあえず広告回しとく、そしてフォロワーを獲得さえすればOKみたいなアカウントはどんどん減っていく。これはInstagram自体のエコシステムをより健全化していく流れだと思っています。 小東:それでは最後に、企業のInstagram運用担当者へメッセージをお願いします。 大久保:改めてですが、アカウントの初期設計の重要性はもっと多くの企業の方に知ってほしいです。そのアカウントが何のために運営されるのか。 当然、購買を増やすため、フォロワーを獲得して手軽に情報発信ができるようにするためなど、定量的な目的はもちろん大切です。 しかしそれよりも、どういう情報を発信したいのか、どういうフォロワーを集めたいのか、どういうコンテンツがフォロワーに支持されるだろうか、そうした定性的な部分がしっかりしているアカウントが優遇されていくようなアルゴリズムの変更が今後どんどん進むと思います。 安易に定量的なKPIを設定して、そのためにとりあえず走っていると、結局誰にも見られてない状態になってしまいます。そうならないよう、企業のアカウント運用担当者は気をつけるべきです。 小東:ありがとうございました。この記事を書いた人:ソーシャルメディアラボ編集部

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