世界一売れてギネス記録! 「海老名メロンパン」はSNSでどれだけ話題になったか調べてみた
2018/10/18
東名高速海老名サービスエリア(下り)に店舗を構えるパン屋さん「ぽるとがる」は、2018年4月28~30日に同店の人気商品「海老名メロンパン」を2万7,503個販売。この数字は48時間の販売個数で世界一としてギネス世界記録に認定されました。
そこで今回は、このギネス記録達成前後にSNSでどれぐらい言及されたのか、気になって勝手に調べてみました。
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- ■目次
- 海老名メロンパンとは?
- 調査概要
- 調査結果
- ポイント
- 最後に
1. 海老名メロンパンとは?
「ぽるとがる」について
「ぽるとがる」が海老名サービスエリア(下り)で海老名メロンパンを発売したのは1993年。2018年の今年で発売25年になりますが、累計の売上個数は2,500万個と、年間100万個以上を売り上げています。あまりに人気商品なため、現在海老名サービスエリアでは、メロンパン専門の売り場を構えています。
その人気の海老名メロンパンが海老名サービスエリア開業50周年を記念して、2018年4月28~30日の48時間で2万7,503個を売り上げ、堂々ギネス記録を達成しました。達成前から地本を中心に人気商品ではあったものの、このギネス記録を受けさらに売上を伸ばしています。
「海老名メロンパン」について
海老名メロンパンはメロンの味と香りにこだわりレシピを作成。外側は砂糖をまぶしたしっとりクッキー生地ですが、中は薄い緑色で二つに割るとメロンの香りが強く感じられるといいます。
実際にラボ編集部も海老名サービスエリアに赴き、現地で話題の「海老名メロンパン」とドリンクホルダーにも入る「ミニメロンパン」を購入し食べてみました。香りだけでなく、味もしっかりとメロンを感じました。
余談ですが、このメロンパンはバスガイドやドライバーに試食をしてもらったところ「これは美味しい」と評判に。その後、乗客へ紹介するようになり、現在の人気へとつながっています。
2. 調査概要
海老名メロンパンがギネス記録を達成した裏側には店舗側のさまざまな仕掛けや努力、そしてお客さんの協力があります。調べたところ、地元のSNSユーザーによる応援の購入と口コミ拡散が見受けられました。そこで今回はSNSのなかでも、TwitterとInstagramでどれだけ投稿がされたのか掘り下げてみました。
調査期間まとめ
ギネス挑戦中の期間と、その前後をウォッチしました。詳しくは下記です。
- ギネス挑戦前:1/1-4/27
- ギネス挑戦中:4/28-4/30
- ギネス挑戦後:5/1-7/31
媒体毎の調査方法
Twitterでは、それぞれの期間中の「海老名メロンパン」に関するツイート数を抽出しました。
Instagramでは、「#海老名サービスエリア」「#海老名SA」という2つの投稿に、メロンパンが写っている投稿の数を目視でカウント。また「#海老名メロンパン」というハッシュタグ投稿の数も期間中の日別に区切って調べました。
3. 調査結果
ではTwitter、Instagramそれぞれの言及(投稿)数を調べた結果を見ていきましょう。結論からいうと、どちらも言及数はギネス挑戦前に比べ圧倒的に増加しています。ここでは時期別にその推移を解説していきます。
Twitterの調査結果
まずはTwitterです。このグラフを見てもわかるように、Twitterでは1日あたりのツイート数がギネス前と後で4倍に増えています。また言及の特徴としてギネス後は以前に比べて、テレビ番組やウェブメディアに取り上げられたことでつぶやきが生まれています。
調査期間全体(1/1-7/31)の投稿数の推移
ギネス記録達成前と後で比べてみると、後のほうがベースとなる投稿数自体が増えていることがよくわかります。これはギネス記録を達成したということで、テレビ番組やウェブメディア、雑誌など多くのメディアに取り上げられたことで、認知がさらに広がったためと考えられます。
ギネス挑戦中(4/28-30)の投稿事例
ギネス記録に挑戦している4月28~30日の投稿を見ると「#海老名メロンパン目指せギネス世界記録」というハッシュタグとともに、多くのユーザーが応援ツイートをしています。また、同投稿を見たフォロワーが興味を持ち、リツイートをしたり実際に自分も買いにいったりといった形で、その輪はさらに広がっていったようです。
参加してきました!頑張って~! #海老名メロンパン目指せギネス世界記録 pic.twitter.com/oenYL9FbdL
— ぷにゃ (@sugar_pan) 2018年4月29日
ギネス記録達成後(5/1-7/31)の投稿事例
ギネス記録が達成された直後は、商品に「海老名」という地元名が冠されていることもあり、地元の情報サイトや海老名の生活者によって、ギネス記録達成を喜ぶ投稿が増えました。
海老名メロンパン ギネス世界記録達成記念!
SNS(Instagram・Twitter・Facebook)にて『#海老名メロンパン』つけて投稿した画面を提示で「北海道メロンパン」を1つプレゼント🎁
公式インスタより☟https://t.co/9dPGRga608 https://t.co/IRzA8oJgtz
— エビジョイ 海老名情報サイト 🍤 (@ebijoyjp) 2018年4月30日
海老名メロンパンが売れた数でギネスブックにのったなう pic.twitter.com/D3Q3WnVnxa
— Tak氷銀燈 @ 白金燐子推し (@hyougintou) 2018年4月30日
さらにギネス記録達成を記念して、地元の海老名サービスエリアから全国展開されることに。それを知ったユーザーからの投稿が多く見られるようになりました。
なぜ赤城高原に海老名メロンパン…。 #フジ道中 (@ 赤城高原SA (下り) in 昭和村, 群馬県) https://t.co/h5LAnPIpDi pic.twitter.com/G8LDncD2mM
— 松 / hello-m (@hello_m_hamp) 2018年7月26日
Instagramの調査結果
次にInstagramです。まず「#海老名サービスエリア」「#海老名SA」におけるメロンパンが写っている画像の数は2倍近く増えています。ここから、ギネス達成後に同サービスエリアに来た人のうちメロンパンの写真を載せる割合が高まったと言えます。
また、「#海老名メロンパン」の一日あたりの平均投稿件数も倍増していることがわかります。当たり前ですが、ギネス挑戦中は投稿数がそれまでの10倍以上に。達成後もTwitter同様に投稿数が増えているようです。
ギネス記録挑戦中(4/28-30)の投稿事例
海老名サービスエリアの公式アカウントが特設ブースを制作。積極的に記録達成への後押しをしていて、それを見たユーザーの多くが「いいね!」の反応を示しています。
ギネス記録達成後(5/1-7/31)の投稿事例
ギネス記録達成後も、ギネス記録に関するハッシュタグやコメントをつけて投稿するユーザーが多く見受けられました。これはニュースで取り上げられたことで認知が広がったため、またギネスに認定されたことを知らせるシールを商品に貼ったことが理由として考えられます。
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海老名SAのメロンパン 大好き 「48時間以内で最も売れた焼きたて菓子パンの数」 27503個でギネス世界記録とはすごい #海老名メロンパン #ぽるとがる #ギネス世界記録認定
TwitterとInstagramの口コミの違い
Twitterではギネス記録達成に向けてリアルタイムで応援する様子が見受けられました。また、達成後はテレビ番組の放送やウェブメディアによる拡散が顕著でした。
一方、Instagramでは「ギネス世界記録に挑戦」や「ギネス世界記録に認定」といったシールが貼られたメロンパンの写真が投稿されていました。また、ハローキティのブースや店内の看板も写真映えするスポットとして、よく撮られていました。
4. ポイント
①SNSで話題になる、リアルの出来事を起こせた
今回、「海老名メロンパン」のTwitterとInstagramでの言及数を調査してみてわかったことは、リアルの出来事が先でSNSはその後追いとしてさらに広がっていったということです。
つまり、SNS上で何かを起こすのではなく、まずSNSで話題になること(今回の場合はギネス記録に挑戦する)をリアルで起こす。それが話題として大手メディアに取り上げられ、デジタルの媒体に伝播し、現地のSNSユーザー中心に投稿され、少しずつ拡散されていくという流れです。
元々、同サービスエリア利用者や神奈川県央地区の住民、一部のグルメの間では「海老名サービスエリア=メロンパン」という認知が浸透していたため、今回の調査でも、実際に食べたことのあるユーザーがテレビに反応する様子や応援しに買いに行く様子が散見されました。
②ユーザーが投稿しやすい環境が整っていた
今回、リアルタイム性が特徴のTwitterでは、同店の担当者の方がテレビ番組やウェブメディアの応対もしていたことで、番組名のハッシュタグを付けたつぶやきやリンク投稿が増え、現場以外の拡散が生まれていました。
ビジュアルコミュニケーションがメインとなるInstagramでは、メロンパンにギネスに関するシールを貼り、看板や旗を立て、POPをたくさん設置したことで、何が起こっているのか話題の可視化されていました。そのためユーザーが投稿しやすかったものと思われます。
5. 最後に
いかがでしたか? 今回、私の生まれ育った地元の小売業の事例をもとにSNSの言及数を分析してみました。広告予算の限られている中小企業にも参考になるポイントがあったと思います。
SNSは本来ユーザーの発信の場所であり、彼ら自身につぶやかれたり投稿をされたりすることで、勝手に商品やサービスが広まっていくことが理想的です。(商品の品質担保は前提として)そのためにマーケティング担当者は、SNSユーザーたちに言及されるための話題や言及される環境を作り出せるかどうかを工夫すべきではないでしょうか。
参考:
https://www.sankei.com/region/news/180619/rgn1806190035-n1.html
http://sapa.c-nexco.co.jp/special?id=1117
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1805/02/news091.html
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この記事を書いた人:小東真人
17年ガイアックス入社のデジタルネイティブ世代。靴磨きが大好きで、休日はInstagramで関連アカウントばかり見ている。