Instagramが目指すのは、ユーザー参加型の新しい広告体験! 新機能や先進事例まとめ【#IGDAYTOKYO2019 レポート】

2019/11/06


10月26日に「INSTAGRAM DAY TOKYO」が渋谷ヒカリエにて開催されました。


年に一度開催される同イベント、ソーシャルメディアラボ編集部が取材しにいくのはこれで三年目になります。今年は前後半の二部制になっており、我々は後半のセッションからお邪魔しました。


近年のInstagramの急成長に伴い、運営スタッフさんや会場に来る企業のマーケティング担当者の熱量も年々高まっているように感じます。三時間超のセッションのなかで、編集部が「これは!」と思う内容をピックアップしてお届けします。


Text, Photo / ガイアックスソーシャルメディアラボ編集長 小東真人(@gxsoc_kohigashi)


    ■目次


  1. Instagramの現状

  2. Instagramの新しい広告

  3. Instagramストーリーズ広告をフル活用する先進企業例

  4. 最後に


Instagramの最新データ


最初に、Instagramを使ってマーケティングを行う企業が知っておきたいデータについてご紹介します。




Instagramストーリーズの利用者数は世界で一日5億アカウントを記録しています。




続いて日本国内におけるInstagramユーザーの利用目的について、商品やサービスを見つけるため(83%)、Instagramで最新トレンドを把握するため(61%)、Instagramでインスピレーションを受けるため(50%)だと言います。




そして、商品やサービスの購入を決めるためにInstagramで調べる国内のユーザーは80%にのぼるそう。ブランディングはもちろん、そのまま購入できるショッピング機能との相性も良さそうですね。


Instagramの新しい広告



またフェイスブック ジャパン 丸山祐子氏からはInstagramのブランディング活用について発表がありました。ここではInstagramの新しい広告についてフォーカスします。


ストーリーズ広告にアンケート機能が利用可能に



縦長の画面いっぱいにクリエイティブが表示され、没入感が高いことで人気のあるInstagramストーリーズ広告ですが、このアンケート機能が導入されてユーザーとの交流できるようになりました。一方的な広告メッセージではなく、広告を見た人が参加できる点が画期的ですね。



実際にコスメやスキンケア、スポーツなど、幅広い業界で使われている実績があります。どのクリエイティブも「あなたならどっちが好き?」「どのチームを応援する?」と上手く、自然に問いかけていますね。




またその後行われた、フェイスブックジャパン クリエイティブストラテジスト 栗山修伍 氏のセクションでも、同広告の成果が紹介されていました。この資生堂『マキアージュ』の事例では、アンケート機能を使わなかった場合にくらべてCTRが50%、3秒再生率が37%も向上したようです。


同イベントではアンケート機能の他に、ゲーム広告(Playable Ads)やAR広告についても発表されていました。今後ますますインタラクションが重視されるようになります。


参考:

https://jp.techcrunch.com/2019/09/21/2019-09-19-facebook-playable-ar-ads/

https://www.facebook.com/business/news/facebook-invites-people-and-businesses-to-play


ブランドコンテンツ広告



こちらは著名人やクリエイター(いわゆる「インフルエンサー」)の方が投稿したコラボレーションコンテンツを、広告主が広告として直接出稿できる新機能です。


パートナーシップ関係が投稿時に明示されるのでブランドや投稿者にとって透明性や誠実性が担保されると考えられます。いわゆる「ステマ(ステルスマーケティング)」対策として有効でしょう。またアカウントの管理画面からタグ付けを許可したりビジネスパートナー登録したりすることでインサイトが共有できるようになりますが、設定方法などは同セッションでは語られておらず、この記事では省略します。


ストーリーズ広告のアンケート機能の追加もブランドコンテンツ広告も、ユーザーへのエンゲージメントを促す効果であったり、ユーザーが憧れる投稿者を経由して情報発信できる効果であったり、両者に共通して言えるのは「企業の一方的な広告発信ではなく、いかにユーザーが興味を持って参加できるか」がよく考えられている点です。


Instagramストーリーズ広告をフル活用する先進企業例




次にエン・ジャパン株式会社 デジタルプロダクト開発本部プロモーション部部長を務める田中 奏真氏のセクションをご紹介します。


同社は求人情報メディアや人材紹介サービスの運営を行う会社ですが、就職・転職市場に重要な若年層へリーチするためにInstagram広告を効果的に活用しています。



こちらは2018年と2019年のマーケティング予算の投資規模を比較した図。昨年にくらべてフィード広告は1.3倍、ストーリーズ広告は4.4倍以上も今年は投資しているそうです。



また今までの広告の取り組みについて問われると、田中氏は「潜在層も含めた様々なファネルにリーチさせるために最も工夫したことは、クリエイティブです。」と力強く答え、同社のクリエイティブ改善の心得を語ってくださいました。


従来のPDCAサイクルではなく「AIなどを活用しながら100を超えるような大量のパターンを作り、うまくいくクリエイティブの傾向を観察して見出していく。」というOODA Loop(※ウーダループ)の考えをもとに取り組んでいたそうです。


※OODA loop:観察→情勢判断→意思決定→行動という4つのフェーズをサイクルではなく、ループさせることで、目の前で起こっている環境に合わせた判断を現場レベルで下し、組織で目的を達成するための意思決定スキル。参考:https://www.amazon.co.jp/dp/B07ND6QTN4/


具体的には、ひと目で分かるビジュアルを心がけ、まず注意を引いてからテキストを読んでもらうクリエイティブに仕上げているそうです。



また同じ求人でも複数の訴求を行ったり、ブランドから提供された独自の画像を使って効果を高めたりしていると田中氏は言います。



同じ画像でも見出しの出し方や訴求の仕方が少しずつ違うのが分かる、大変ためになる事例ですね。



セッションの最後に、「他の広告主にアドバイスするとすれば何か?」と聞かれた田中氏は「三年前の自分にアドバイスするとしたら『最新の機能は早く使え』と言いますね。機械学習がこれだけ進んでいるのだから早くシグナルを大量に貯めることが必要です。」と回答。


新しい広告フォーマットや広告枠が次々に導入される現在のInstagramやFacebookにおいて、この視点はまさに重要だと感じました。


最後に



いかがでしたか? 企業のマーケティング担当者の方には、本記事で取り上げたInstagram広告の新機能や企業事例をぜひご検討いただければ幸いです。


また残念ながら編集の都合であまりご紹介できなかった、Instagramストーリーズのクリエイティブの工夫に関するパートについては別記事で近しい内容を取り上げております。こちら「【#AWAsia レポート】Instagramストーリーズ広告のクリエイティブ制作ポイントまとめ!」も合わせてご覧ください。


今年のINSTAGRAM DAY TOKYOでは「MAU数も広告機能も、来年訪れるときにはもっと充実しているんだろうなぁ」という期待がさらに高まりました。今後もFacebook社の取り組みには注目していきたいと思います!


この記事を書いた人:小東真人

ソーシャルメディアラボ編集長。地方や中小ビジネス向けセミナーなどを担当。
17年ガイアックス入社のデジタルネイティブ世代。靴磨きが大好きで、休日はInstagramで関連アカウントばかり見ている。

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