3月の主要SNSニュースまとめ! Instagram「おうち時間」スタンプやTwitterにストーリーズ似新機能のテストなど。
2020/04/07
皆さんいかがお過ごしですか? 3月は新型コロナウイルスの世界的な流行で、実生活はもちろんSNSプラットフォームも大きな影響受けています。
Instagramが「おうち時間(Stayhome)」スタンプを導入したりYouTubeがデフォルトの動画の解像度を下げたり、今回もチェックすべきニュースがたくさん。それではどうぞ!
- ■目次
- 全般
- YouTube
1. 全般
2019年にインターネット広告費が、テレビ広告費を初めて上回る調査結果
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2020/0311-010027.html
3月11日、株式会社電通は、国内の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定し、「2019年 日本の広告費」を発表しました。
なかでも、インターネット広告費(媒体費+広告制作費+「物販系ECプラットフォーム広告費」)は6年連続で2桁成長を遂げています。前年比119.7%の2兆1048億円で、テレビメディアの1兆8612億円を上回りました。
4マス(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)の広告費のうち、その大半を占めるテレビ広告費を切り出して比べると、2019年はインターネット広告の方が上回る結果となりました。
インターネット広告自体の伸長は言うまでもありませんが、注目すべきはインターネット広告のなかでも4マス由来のデジタル広告費が急成長している点です。たとえば、雑誌のデジタルシフトによりタイアップ広告枠や関連SNSアカウントが設けられるケースなどが当てはまります。
コンテンツを作る側は取り上げる対象だけでなく、媒体の特性や閲覧のされ方など、これまで以上に気を配る必要があると言えます。
参考:https://www.dentsu.co.jp/news/release/2020/0311-010027.html, https://dentsu-ho.com/articles/7161
インフルエンサーマーケティングで、広告主が今後活用したいのは動画系との調査結果
https://digitalinfact.com/release200306/
3月6日、株式会社デジタルインファクトは、インフルエンサーマーケティングの利用実態について、マーケター(広告主・広告会社の担当)106名を対象にアンケート調査を実施しました。
「今後活用したいチャンネル」は「Instagram」が最多。また実際の活用歴との比較を見ると、「YouTube」「TikTok」「ライブ配信サービス」の利用意向が高くなっていると分かりました。
国内の主要媒体のMAU数や広告枠の充実具合を考えれば、広告主の間でInstagramに期待が集まるのは現状頷けます。
その一方、YouTubeやTikTokなど成長が著しく5G化の恩恵を受けそうな動画プラットフォームへの広告出稿は、やはり若年層へのリーチが魅力で注目度が近年増しています。
しかし同調査にもあるように、「費用対効果が明確になる」かどうかが課題です。まとまった費用が生じやすいインフルエンサーマーケティングは、特にこの効果測定の問題をどうクリアして、広告主が予算を取りやすくするかが鍵となりそうです。
参考:https://webtan.impress.co.jp/n/2020/03/10/35503, https://digitalinfact.com/release200306/
女性はコミュニケーション、男性は動画のためにスマホを利用するとの調査結果
3月23日、電通メディアイノベーションラボは『情報メディア白書2020』を発表しました。同調査によると、一日を通したスマホのSNSアプリ利用には、年齢だけでなく、男女による大きな傾向の違いがあると分かりました。
特に10~20代の若年層の男女の違いは明らかで、男性は動画共有アプリ、女性は「ソーシャルネットワーク」などコミュニケーション目的のアプリを活発に利用しています。
男女(特に若年層)のSNSやメッセージングアプリの利用時間に関する貴重なデータです。企業の担当者にとって、コンテンツの投稿時間や広告の出稿時間の参考になります。
たとえば広告出稿について、Facebookでは年齢を軸にしたターゲティングが可能です。商材との相性もありますが、同調査をもとに、20代男性にリーチさせる場合は日中から21時以前に寄せてみるなど、試してみると良いでしょう。
参考:https://dentsu-ho.com/articles/7208
2. Facebook
ストーリーズ投稿をInstagramに反映させる機能をテスト中
Facebook is working on cross-posting Stories to Instagram pic.twitter.com/uH2w3VVnSe
— Jane Manchun Wong (@wongmjane) March 9, 2020
3月10日、専門家のJane Manchun Wong氏は、Facebook内でストーリーズ投稿した写真をInstagramストーリーズでも投稿できる機能を一部のユーザーに対してテストしていることを、リバースエンジニアリングで発見しました。
今まではInstagramからFacebookのストーリーズを投稿できました。今回はFacebookからInstagramのストーリーズを投稿できるようにする機能だと言います。おそらく、Facebook側にもストーリーズ投稿の利用者が増えて一般的になったため、流通するコンテンツをより増やすための施策として、テストしているのだと考えられます。
もし導入されればInstagramストーリーズの表示枠がますます熾烈になり、企業はユーザーにリアクションやDMを貰えるようなエンゲージメントの高いストーリーズ投稿を心がけることや、ストーリーズへの広告出稿で枠を押さえることが求められるでしょう。
参考:https://japanese.engadget.com/jp-2020-03-10-facebook-instagram.html, https://twitter.com/wongmjane/status/1237089983762239488
新型コロナウイルスで広告収入が落ち込む一方、メッセージ利用は急増との発表
https://about.fb.com/news/2020/03/keeping-our-apps-stable-during-covid-19/
現地時間3月24日、Facebook社は新型コロナウイルス感染拡大の影響で広告収入が落ち込む一方、ウイルス対策として行動規制などが導入されるなか、メッセージサービスの利用が増えていると発表しました。
ウイルス感染状況が特に深刻な国の多くでは、メッセージ利用が先月比で50%以上増加、イタリアではメッセージアプリを使う時間が70%増えているそうです。
Facebook社は新型コロナウイルスによる収益の影響と自社の社会的意義について発表しました。この発表は広告収益が大きな柱である同社にとって、特に株主やビジネスの関係者に向けたメッセージとも捉えられます。
自宅待機や移動制限が課される国々で利用が急上昇している点に触れつつ、「我々はエンゲージメントが伸びている領域の多くのサービスで収益化を図っておらず、 COVID-19(新型コロナウイルス)の拡大防止の積極措置を行う国では広告収益が減退すると見ています(意訳)」と明記しています。
参考:https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-facebook-idJPKBN21C030, https://about.fb.com/news/2020/03/keeping-our-apps-stable-during-covid-19/
3. Twitter
ストーリーズ投稿のような新機能「Fleet」が、まずはブラジルでテスト開始
Every day, people come to Twitter to see what’s happening. One of the unique things about Twitter is that “what’s happening” is fueled by people sharing their thoughts openly, through Tweets. But sharing your thoughts publicly can be intimidating! 🧵
— Kayvon Beykpour (@kayvz) March 4, 2020
現地時間3月4日、Twitter社は24時間で消える投稿機能「Fleet」のテストを、ブラジルで開始したと発表しました。ツイートは公開され、ずっと残るので不安だというユーザーからのフィードバックに対応したそうです。
フォロワーにのみ表示され、24時間で消滅します。フォローする相手がFleetを投稿すると、Twitterアプリのタイムラインの上に投稿した人のプロフィールが並んで表示されます。
仮に同機能が実装されれば、日本の主要なほぼ全ての媒体に24時間で消える縦型動画(静止画も可能)フォーマットが搭載されることになります。
スピーディに流れるタイムラインが特徴のTwitterですが、上部に固定される予定のFleetはユーザーの目に比較的留まりやすいのは間違いありません。そのため、Instagramのストーリーズ投稿のように、左側に優先表示されるアルゴリズムの研究と実践方法が企業でも求められる可能性があります。
参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/05/news047.html, https://twitter.com/kayvz/status/1235248673136635909,
https://blog.twitter.com/pt_br/topics/product/2019/explorando-uma-nova-forma-de-iniciar-conversas-no-brasil.html
4. Instagram
新型ビデオチャットやスタンプなど、新型コロナウイルス対策で複数の機能が導入
3月24日、 Instagramは一連の新型コロナウイルス感染症対策を発表しました。外出を控えるユーザー同士がInstagram投稿を一緒に見ながらビデオチャットすることができるようになります。
他にも、世界保健機関(WHO)や保健機関からのリソースを紹介するメッセージが表示されるなど、正確な情報を目立たせ、それ以外の表示を減らす取り組みも行われています。
新型コロナウイルスに関する正確な情報にアクセスしやすくする表示ルールや、他のユーザーと一緒にInstagramを閲覧しながら使えるビデオチャットなど、複数機能のアップデートが発表されました。
海外の企業で特に使われているのが「おうち時間(stayhome)」スタンプです。不要不急の外出を控え家で過ごすことを訴えつつ、自社の商品やサービスを宣伝しています。たとえばスーツケースブランドのAWAY(@away)では、旅行には行けないけれど、スーツケースを筋トレ道具代わりにするライフハックを紹介しています。
参考:https://about.instagram.com/blog/announcements/coronavirus-keeping-people-safe-informed-and-supported-on-instagram/, https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/25/news077.html
5. YouTube
「削除される動画が増える可能性」指摘。コロナで社員のオフィス稼働を減らし機械学習に
https://youtube-creators.googleblog.com/2020/03/protecting-our-extended-workforce-and.html
現地時間3月16日、YouTubeは動画を審査するプロセスで一時的に自動化を多く導入し、人間のコンテンツモデレーターの代わりに機械学習ツールを多用すると発表しました。
新型コロナウイルス発生により、Google社の正社員のほとんどが在宅勤務を命じられ、審査段階での自動化が拡大。ポリシーに違反していないかもしれないものも、削除される可能性があることを警告しました。
そもそもYouTubeではプラットフォームの健全性を保つため、コンテンツの規則違反を摘発する部隊がありました。ただし新型コロナウイルスの影響により、そのチェックが専門スタッフから機械学習ツールに置き換わるとのことです。
あくまで可能性の話ですが、クリエイター(個人も企業も)のコンテンツが解除されるかもしれないことを事前に告知しています。現状、新型コロナウイルスの落ち着くタイミングが分からないためか、上記対応が元に戻るタイミングは明かされていません。今後何か変更があれば公式サイト「YouTubeヘルプ」にも掲載されるとのことです。
参考:https://www.businessinsider.jp/post-209548, https://support.google.com/youtube/answer/9777243, https://youtube-creators.googleblog.com/2020/03/protecting-our-extended-workforce-and.html
全世界で動画再生時の解像度を落とす。新型コロナウイルスの影響で負荷軽減のため
https://support.google.com/youtube/answer/9777243?p=covid19_updates
現地時間3月24日、世界中の配信動画の映像品質を低下させることを明らかにしました。
これは新型コロナウイルスの流行によるインターネットトラフィックの増大による影響を緩和するための取り組みです。
配信されている動画を再生した際に、自動で選択される解像度を標準解像度(480p)にまで落としますが、ユーザーが任意で解像度をより高いものに変更することは可能です。
前のニュース同様、新型コロナウイルス関連です。外出の自粛や禁止が世界的に進み、劇的に増加した視聴ユーザー数に対応するためだと言います。
報道によると現状約1ヶ月間の措置とのことです(ただし長期化する可能性はあります)。企業にとっては、配信中のコンテンツや出稿中の動画広告の視認性が多少落ちることは否めません。
参考:https://gigazine.net/news/20200325-youtube-limit-video-quality-worldwide/, https://support.google.com/youtube/answer/9777243?p=covid19_updates