SNSに悪評があると、もうダメ? 企業が口コミマーケティングを行う上で知っておくべきこと【書き起こし】

2020/04/23


どうも、ガイアックスの重枝です。今日はよくいただく相談の一つにお答えしようと思います。


口コミマーケティング(一般消費者の口コミを活用して認知を広めるマーケティング手法)が今後の世の中で重要であることは、皆さんよく理解していると思います。そんな中でよく聞くのが、「口コミマーケティングが重要なのはわかった。だからうちはもう絶望的だ。なぜならソーシャルメディアに悪評がいっぱいだから。」というお悩みです。


※本記事は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルで配信した内容を書き起こしてまとめたものです。


1. 悪評との向き合い方


悪評を消すことはできない


ソーシャルメディアで商品やサービスに悪評がついた場合、「どうすればその悪評を消せますか?」というご相談を受けることがあります。


悪評を良い評判に変えるようなマーケティングを新たに始めていきたいという気持ちは分かります。しかし、非常に特殊な技術やブラックハット(悪質な手法で検索結果などを操作する)な方法があるなら別ですが、TwitterやInstagramなどネットに広まった悪評は消すことは基本的にはできません



ですから、悪評が広がったらまずはそれをゼロにすることは諦めましょう。


悪評を上回る良い評判を作る



まず諦めるところから始まるわけですね。ネットの評判というのはそのまま真実であり、消費者がその商品について思っている姿そのものなのです。もちろん、一部の極端な人たちが書き込んだデマである可能性もあります。


しかし、目にした消費者はその評判を疑いの目で見ているとは限らないですから、悪評を鵜呑みにしてしまうこともありえます。しかも一度ネットに広まったものは技術的に消せない。


ではどうするかというと、結論から申し上げると、その悪評と同じまたはそれを打ち消すくらい良い評判を広げるということなんですね。


消費者は、物を買う前によく調べている


消費者というのは自分が物を買う前によく調べています。皆さんもそうだと思います。自分のこだわりの製品がありますよね。「お金をかけてでも買おう」といった、こだわりの商品について事前に調べるのは当然ですよね。


一方で、徹底的にどれが一番安いのか、あるいは一番コスパがいいのかを調べることもあります。


今の人たちは、購入する前に事前にリサーチをしています。もちろんそうではない商品もあって「とりあえずそこに売っていたから買っちゃった」というような利便性を優先する場合もあるのですが、今回はそれ以外のケースを取り上げます。


消費者はニュートラルに判断している


ある商品やサービスを調べて悪評ばかりという場合、消費者は良い評判も見つけようとします。なぜかというと、まず調べようと思った時点で、ちょっと買う気があるわけですね。


そうすると自分が買おうと思った製品が、圧倒的に悪い評判ばかりというのはちょっと耐えられない。同時に良い評判もないか検索して、見つかったら悪い評判を見比べてみて、自分が納得いく方で買うのです。



悪い評判ばかりの場合、一部の極端なユーザーが原因であることも多いです。普通の人たちは、そもそもそれほどネットに書き込みをするわけではありません。


それよりも商品についてひたすら検索して、その結果でニュートラルに判断しているのです。商品を褒めているポイントと貶しているポイントは矛盾する場合もあるので、どちらが本当なのかじっくり調べているのです。


良い口コミをしてもらうことが重要


たとえばトースターの購入を検討するとしましょう。あるトースターは「焼き目がうまくつく」という良い評判がある一方で、「焼き目がうまくつかずに焦げる」という悪い評判もある。どちらが本当なのかさらに調べて、同じ意見が他にないかを探すわけですね。


良い評判と同じ意見、悪い評判と同じ意見を探して、同じ意見が見つかることが重要です。良い評判と同じ意見がたくさんあれば、悪評が目についても良い評判を信じてそのトースターを買う可能性は十分あります。


悪評を消すのではなく、なるべく消費者に良い口コミをしてもらえるようにすることが、マーケティング方法として正解なのです。


創意工夫が大切


ではどのように良い評判を作るかというと、一にも二にもまずは製品です。


先ほどのトースターの例だと「良い焼き目がつくトースターを作ること」になりますが、徹底的に研究開発して良い製品を作ることです。そしてそれを実際に使った人に口コミを投稿してもらう。この一連のマーケティング施策によって、良い評判が初めて増えてきます。


製品の研究開発を努力せずに良い評判だけを増やすことは、当然ですができないわけです。自社の商品の売りとなる美点を伸ばしてくことが重要です。サービスは製造ではないですが、同じように創意工夫をして良いサービスを提供していくことです。


ターゲットをしっかりと定める



その商品やサービスはターゲットとなる消費者に届ける必要があります。買ってくれない人はどんなに良い製品を作っても買ってくれませんし、買ってくれる人は多少製品がダメでも買ってくれますから、ターゲットを見極めることが重要です。


自社の製品を気に入ってくれ、かつソーシャルメディアで口コミをしてくれる可能性の高い人たちをターゲットにすれば、自然に良い評判が広がっていきます。


「口コミマーケティングは重要だが悪評ばかりの場合どうするか」という問題について、今日は「悪い評判は消せないけれども、悪い評判と同じくらい良い評判を作っていけばいい」というお話をさせていただきました。以下は本日のまとめです。



  • 広まってしまった悪評を消すことはできない

  • 悪評を上回る良い評判を広げるべき

    • → 消費者はニュートラルな視点をもっている



  • 製品の長所を生かす創意工夫をするべき

  • 買いそうなターゲットをしっかりと定める


2. 最後に



本記事の内容は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルでも配信しています。


同チャンネルではSNSマーケティングの基本から、世の中で話題のケーススタディを取り上げて分かりやすく解説しています。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします!


この記事を書いた人:重枝義樹

マーケター。ソーシャルメディアマーケティング事業部 部長。ガイアックスでは大手企業、官公庁中心にソーシャルメディアマーケティングの支援を行う。ガイアックスでの5年に及ぶ経験をもとに、本気でソーシャルをやりたい人のためにSNS禁止のガチ勉強会も行う。

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