次に来る・注目のSNSは何か? 商材が知らないうちに話題に上がる「ダークソーシャル」を解説【マーケター必見】【書き起こし】

2020/06/19


どうも、ガイアックスの重枝です。お客様から、次に来るSNSは何かという質問をよくいただきます。あらかじめ知って早めに着手し、フォロワーを獲得しやすい時期に活用して先行者利益を得ようとされているように思います。


今回は、よりクリティカルな「ダークソーシャル」の概念と今後求められるコミュニケーションについて解説します。


※本記事は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルで配信した内容を書き起こしてまとめたものです。


1. 「ダークソーシャル」


マストドンに隠されていたヒント




最近まで話題に上がっていたマストドンは、次に来るSNSではないことがおおよそ分かってきました。


ただしマストドンには、参加者がクローズドの空間に集まりTwitterのようなコミュニケーションをとるという重要なヒントが隠されていました。


緻密なコミュニケーションへの移行


現在、オープンなソーシャルメディアは、YouTube、Facebook、Twitter、Instagramなど大体出揃っています。そして、しばらくはこれらが強固に市場を支配していくと考えられます。


一方で、人々はより親密なコミュニケーションを求めるようになっています。前述のオープンなSNSと逆のダークソーシャル、つまり、外側から観察できない閉鎖された空間でのやり取りへと移行してきています。


一番分かりやすいのはメッセンジャーアプリです。例えば、日本で代表的なものといえばLINE。最近女子高生の間では、実際にはLINEよりもInstagramのDMが使われているという話を聞くこともあります。データ上はまだ明確に把握できていませんが、直接やり取りをするFacebookメッセンジャーTwitterのDMメッセンジャーアプリです。そのほかにもSlackChatwork、少し変わり種のところでいくとDiscordがあります。


突然謎のトラフィックが増える?




次に、クローズドの空間で人々が集まって話すようになってくると、どんなことが起こるのか解説します。


Googleアナリティクスを見てみると、ある日突然謎のトラフィックが増えていることがあります。どこから来たのか推測してみると、どうやらクローズドのFacebookグループでその話題がバズり、そこから急に流入が増えているようだ、と考えられるわけです。


クローズドの空間で取り上げられる話題は、TwitterやFacebook、Instagramのように外側から観察することはできません。でも実際にはそこで話題になって広がります。このように、話題の拡散元は分からないが群発的にバズが起こってウェブサイトに謎の流入が起きる現象が、最近どんどん増えてきています。


例えばTwitterである程度話題になっている話題をTwitterで見た人が、自分たちの属するコミュニティであるFacebookグループにその話題持ち込んだとします。


これはそもそもTwitterでバズったようなネタだから、当然クローズドの空間でもバズりやすいので、それを見た人がクローズドの空間でもバズらせたとします。そこでネタ元がトラフィックの増加を検知したとき、Twitterでもバズっているほうは原因がわかります。でもFacebookグループでバズったほうは原因を計測できない。


もし時間差でそういうことが起こったら、ダークソーシャルからの反応ではないかという事が推測されるわけです。だから今後、あの謎のトラフィックとか謎の検索数の増加みたいな現象はどんどん増えてくると思います。そして、それらはすべてとは言いませんが、かなりの割合がダークソーシャル由来のものと考えられるわけです。


ダークソーシャルをハックする方法


ではこのダークソーシャルをどうやってハックするか。確立した方法論はありませんが、いくつかはあります。その一つは、企業がダークソーシャルを主催してしまう形です。


海外の事例で、「Peloton(ペロトン)」というエアロバイクのブランドがFacebookグループを主催(承認制)しています。そこでは、ユーザーに自身のトレーニング風景や減量効果について動画や写真を積極的に投稿してもらいます。


そして、そのクローズドの空間の中でユーザー同士が切磋琢磨し励まし合ううちに、密なコミュニティが発生し、外部から見えないソーシャルメディアとしてかなり巨大なものになっています。


もう一つは、情報をやり取りする互助的組織の存在で、例えばコストコの事例を挙げることができます。Facebookグループの中にコストコ情報の交換コミュニティがいくつかあって、商品に関する情報、口コミやレビュー、共同購入やシェアの誘いについてやりとりをしています。


そこで話題になったものは、実際に売れたり、Instagramなどに感想を載せて、また別のダークソーシャルに伝播していくという流れが起こるわけです。


2. 今後求められるコミュニケーション


リアルなコミュニケーションに近づいているソーシャルメディア




現実の社会では、Aさん・Bさん・Cさんが、テレビからの情報をそれぞれのコミュニティに持ち帰って話しているうちに、それぞれまた別の話題になるということがあります。ソーシャルメディア上でも同じような状態が起きています。


例えば、TwitterやInstagramでバズった話題を見た人が、LINEやFacebookグループなど、自分の属するコミュニティで話します。そのうちに話題が盛り上がり、さらに新しい流入や購買を生むことに繋がっていきます。


つまり、私たちが普段物理空間で行っていたコミュニケーションの流れが、テキストや動画に変化しつつも、情報空間に移っていったわけです。


ダークソーシャルの中で求められるコミュニケーション


このように、ダークソーシャルはプライベートの空間、属している組織やコミュニティにおけるコミュニケーションの代替だと考えられます。つまり、今までリアルの限られた範囲で行ってきたコミュニケーションがソーシャルメディアに持ち込まれるようになっています。


そして今後は、ある程度クローズドされた各コミュニティの中でどのように話題を作るか、どう話題になるかということを意識したコミュニケーションが求められます。


3. 最後に



本記事の内容は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルでも配信しています。


同チャンネルではSNSマーケティングの基本から、世の中で話題のケーススタディを取り上げて分かりやすく解説しています。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします!


この記事を書いた人:重枝義樹

マーケター。ソーシャルメディアマーケティング事業部 部長。ガイアックスでは大手企業、官公庁中心にソーシャルメディアマーケティングの支援を行う。ガイアックスでの5年に及ぶ経験をもとに、本気でソーシャルをやりたい人のためにSNS禁止のガチ勉強会も行う。

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