BtoB営業でSNSをやるべき理由と、SNS運用で意識すべき3つの要素【書き起こし】

2020/07/30


どうも、ガイアックスの重枝です。今日はBtoB営業でSNSをやるべき3つの理由についてお話しします。


※本記事は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルで配信した内容を書き起こしてまとめたものです。


1. 購入前の情報収集や営業活動のオンライン化


昨今、BtoB商材の営業において、ソーシャルメディアは必須となってきています。「BtoB企業はSNSをやらないと勝てない時代に入ってきている」といっても過言ではありません。

BtoB企業はもちろんですが、消費者関与度の高い高額商品もそうなってきているといえます。


最近、オンライン商談が浸透するなど、セールスのオンライン化が進んでいます。これまで営業というものは、実際に会って人となりを伝えて信頼関係を築いたり、顧客のニーズに合わせて詳しい説明をしたりする存在でした。顧客側はそういった直接のアプローチから受ける総合的な印象で「ここは信用に足る」と判断し、商品購入というステップに移っていたケースが多いでしょう。


これが、例えばガムやシャンプーなど消費者関与度が低くて安い商品だと、わざわざ「セールスから話を聞いて買う」などという過程は発生しません。しかしBtoB商材や、個人で買うものでも車などの高額商品であれば、深く考えてから購入すると思います。この商品はいい、営業担当者も信用に足る、その商品を販売する企業も信用に足る……高額取引だからこそ、こういった流れを経て、総合的に判断されていたのです。


定性的な情報もオンライン化されている




ところが、これが最近は営業に会う前に判断済みという現象が増えてきました。営業に会う前の段階で、ある程度購入の判断がされてしまっているということです。


昨今増えてきたオンライン商談ではなおさら、「必要事項をざっと話して終わり」ということが少なくありません。その人の全体の雰囲気を感じる機会が少なかったり、ちょっとした雑談などが発生しにくいという面があります。よって、今まで直接会うことによって得ていた、人となり信頼感雰囲気などの定性的な情報を手に入れる手段までもが最近はオンライン化しているのです。


そもそも消費者やBtoBの商品購入担当者というのは、購入候補にするまでにオンラインでその商品について入念に調べる傾向があります。そして、半分買う気持ちになってから商談へ進むというような動きが増えているわけです。


2. SNSによって認知からクロージングまで完結している




これまでのSNS活用は、ほとんどが認知獲得までの段階でした。現在のSNS活用は、認知からクロージングの段階まで完結しているということが、じつは多く起こってきています。

実際にオンラインミーティングなどでも、セールスを「呼んで」→「話して」→「人となりを確かめる」という流れよりも、以下のような観点からSNS上で定性的な情報を判断している傾向があるのです。



  • その企業の人たちが普段から発信しているソーシャルメディアでのコミュニケーション

  • その企業のアカウントがユーザーとどのようにコミュニケーションしているか

  • noteやYouTubeなど「がっつり語る系」のコンテンツやSNSで製品についてどれだけ語っているか


SNS活用の有無によって契約までのプロセスに差がつく


こうしたSNS上での一挙手一投足を見て、消費者はその企業の良し悪しや信用できるかを判断しており、「商談の場をセッティングした時点では半分くらい購入することは決まっている」という状態なのです。最後のひと押しだけがセールスから得る情報であるという流れになっているわけです。



そのため、現在BtoB高額商品などを扱う企業というのは、オンライン商談でもSNSをやっていればすぐ決まる、SNSをやってない場合は決まりにくい状況であるといっても過言ではありません。


SNSをやっていない企業が商談にこぎつけたとしても、そこから、資料を出して、数字の根拠などを説明して……というプロセスが発生するため、SNSをやっている企業に比べて不利になるのです。


3. SNSで判断される「セールスに重要な3つの要素」




現在、これらのSNSのコンテンツにはセールスのクロージングまでの機能が含まれているとお話ししましたが、その内訳として主に以下の3つの要素があると考えてください。


①実力をはかる


1つ目は、その商品に対する実力をはかるという要素です。

製品やサービスに対してSNS上ではいろいろな切り口で語られるため、オンライン上である程度の情報を得て、その機能や使い勝手といった実力が判断されることになります。


②人となりを見る


2つ目は人となりを見るという要素です。

その企業の社員や、商品・サービスを提供している人、作っている人の人となりというのは、ソーシャルメディア上のコミュニケーションで評価されがちです。


TwitterでのつぶやきやYouTubeで話している姿などを見ると、Zoomなどの双方コミュニケーションで会うよりも、むしろ人となりが見えてしまうこともあります。そこで情報をしっかり得て人となりを判断されることもあるということです。この企業は信用できるか否かというものも、現在はソーシャルメディアで判断されてしまっているといっても過言ではありません。


③返報性の原理


3つ目は返報性の原理という要素です。返報性というのは「何か相手から受け取ったらお返ししなければならない」という心理を意味します。


ソーシャルメディア上で役に立つような情報や楽しませる情報を提供すると、ユーザーはその時点で親近感がわき、すでに何かベネフィットを受け取ったという気持ちになりがちです。そういった場合「製品購入やサービス利用によってお返しをしよう」という心理状態になっていることが多いため、SNSのコンテンツが大量に見られている段階で「クロージングまで進んでいる」と期待できるのです。


これら3つの要素がソーシャルメディアにはあるため「オンライン商談に入る前にクロージングがほとんど済んでしまっている」というようなことが起こるわけです。

つまり、BtoB企業や高額商品、消費者関与度の高い商品を売る企業は、ソーシャルメディアをやらないと今後セールスで不利になるといえるでしょう。


4. 最後に



本記事の内容は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルでも配信しています。


同チャンネルではSNSマーケティングの基本から、世の中で話題のケーススタディを取り上げて分かりやすく解説しています。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします!


この記事を書いた人:重枝義樹

マーケター。ソーシャルメディアマーケティング事業部 部長。ガイアックスでは大手企業、官公庁中心にソーシャルメディアマーケティングの支援を行う。ガイアックスでの5年に及ぶ経験をもとに、本気でソーシャルをやりたい人のためにSNS禁止のガチ勉強会も行う。

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