企業事例から見るTwitterでユーザーモーメントを上手く捉える方法【書き起こし】
2020/10/01

1. ユーザーの「モーメント」とは

2. モーメントを捉えた例
バルス祭り
「バルス祭り」をご存知でしょうか。 テレビ番組を見ながら感想をツイートしていると、疑似的に一つのコンテンツを同時視聴しているような体験が得られるのですが、これを利用した遊びが「バルス祭り」です。 スタジオジブリ作品「天空の城ラピュタ」が日本テレビの金曜ロードショーで放送されるたびに、バルス祭りが発生します。 物語のクライマックスで、登場人物のパズーとシータが「バルス」という呪文を唱えて、ラピュタが崩壊するシーンがありますよね。このシーンで多くの人が同じタイミングに「バルス」とツイートする遊びが流行り、その結果25,088ツイートという秒間ツイート数世界記録が出ました。
バルス祭りに合わせた企業の動き
このとくによく企業が行っていたのが、「バルス」に合わせてプロモーションを流すことです。 しかし、ただ「#バルス」「○○(商品)を買ってください」とツイートしても敬遠されるので、何かおもしろいネタが必要。 例えば日清さんは「バルス」の瞬間に、パズーとシータのようなモデルがカップヌードルを持った画像に添えて「ウマス」とツイートしました。 また、これもラピュタの中で有名な、ムスカの目が潰れるシーンを、ムスカのコスプレをしたモデルが再現するというツイートを投稿しました。
スーパーボウル
アメリカの事例ですが、スーパーボウル(アメリカンフットボール、NFLの優勝決定戦)という大きな大会がありますね。アメリカ中の人が1億人以上視聴するスポーツのイベントですが、2013年のスーパーボウルで、停電が起き会場が見えなくなるという事態が起こりました。全国の視聴者が真っ暗な光景を見続けるという状況になったのですが、この時にクッキーのオレオのクリエイティブチームが、“Power out? No problem”(「停電?何の問題もない」)とツイートを投稿したのです。 そこには“You can still dunk in the dark”(「暗闇の中でもオレオならダンクできますよ」)とあり、ダンクというのはオレオを牛乳に浸して食べるというスラングですが、このツイートが一気に拡散したのです。Power out? No problem. pic.twitter.com/dnQ7pOgC
— OREO Cookie (@Oreo) February 4, 2013
3. 偶発的なモーメントが流行る

日本の場合
その後、日本の場合はテレビを見ながらツイートするようになります。テレビ番組は、ラピュタのように展開が決まっているため、どの瞬間にどの素材を投稿するか、あらかじめツイートを用意することができます。 このように、ユーザーのモーメントをいかに逃さないようにするか、試みられていたわけです。 しかし、これは最近下火になりつつあります。いまだに「バルス」のツイートは行われているものの、最盛期の半分ぐらいだと言われており、これからも減っていくでしょう。 オリンピックの中止もそうですが、国民が盛り上がるイベントの減少で、社会全体で一丸となり盛り上がる機会はどんどん減っています。 人々の興味関心がバラバラで同時に盛り上がりにくいという状況になっているのです。4. 企業にできること
そのような状況で、企業ができる事は2つに分岐しています。モーメントを作り出す
一つは自分たちでモーメントを作り出すことです。
グリコの場合
グリコの場合、11月11日がポッキーの日として商標登録されているはずですが、1111と長い棒が4本並ぶので「ポッキー・プリッツの日」という、自社商品に絡めた記念日にしています。「#を付けてツイートしてください」「Instagramに投稿してください」と盛んにキャンペーンを行い、コンビニではポッキー用の棚を特設して盛り上げることで、11月11日に日本中のTwitterやInstagramをポッキーだらけにするという試みが毎年成功しています。 人々は11月11日になるとポッキーを思い出し、そのブランドがどんどん浸透していくのです。これが、自分たちで自らモーメントを作り出すという例です。今日、令和1年11月11日は#ポッキープリッツの日
— Pocky Japan (@PockyJPN) November 10, 2019
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家族と、ともだちと、恋人と、
ポッキー11111本分楽しもう🎉
ポッキーーーーーーーーーーー! pic.twitter.com/QyXoM1Q0lG
明月堂の場合
そのほかに最近すごくおもしろかった事例が、お菓子の「博多通りもん」です。もともとは全国区で有名だったお菓子ではなく、売り上げが最近大幅に伸びたそうです。 きっかけは、浜崎あゆみさんをモデルにしたドラマ「M 愛すべき人がいて」です。 出演していた田中みな実さんが眼帯をつけていたのですが、その眼帯が博多通りもんに似ているということで話題になりました。ドラマを見ていた人たちが「あの眼帯、博多通りもんみたいじゃない?」と盛り上がったのです。 博多通りもんを製造する明月堂さんは、その盛り上がりを見逃しませんでした。 それまで宣伝以外で積極的にツイートをしていなかったのですが、ドラマに関連づけた投稿をするようになり、ドラマを自社の宣伝に利用するようになりました。
つまり視聴者がTwitterでドラマの感想を見ながら、テレビで博多通りもんのCMを見た結果、インプレッションが上がったことで売り上げアップしたのです。 さらにCMについても、「実は全国区で初めてのCMでした」という投稿にいいね!をもらったり、見逃した人のために翌日にYouTubeにCMを投稿したりと、プロモーションに存分に利用しました。スポンサーですからドラマ側も問題がありません。 このように、ユーザーから発生したモーメントを見逃さないことで、博多通りもんは自社にしか使えないモーメントをうまく利用できました。 今は、世間一般に通じる大きなモーメントを利用するよりも、自ら自分たちのモーメントを作り出してしまう、あるいはユーザーから自然発生したモーメントを利用するという形にシフトしています。「M 愛すべき人がいて」第4話が、ついに再開するみたいですね!🎊 これもアマビエ様のおかげ…?? 見ないと〇〇〇なーーーーい‼️#通りもん #眼帯 #博多通りもん #アマビエ #明月堂 pic.twitter.com/aA5TnEePjm
— 博多通りもんの明月堂【公式】 (@meigetsudo_) June 12, 2020
5. どのモーメントを狙うべきか
これからは前述の「バルス祭り」やスーパーボウルのような大きいモーメントより、自社の関係のある小さなモーメントを狙うべきでしょう。 大きいモーメントとは、最近では日食やブルーインパルスに絡めてコロナ関連で医療従事者への感謝を表明するというものがありましたが、そのようなモーメントに企業が自社を関連づけることは簡単ではありません。 関連付けられたとしても、「無理に乗っかっている感」が出てしまい、逆効果になる可能性があります。 ですから、なるべく自社のファンがいそうなコンテンツと結びつけ、うまく文脈に乗せてアプローチをする必要があります。 例えばTwitterはサブカルチャーとの相性がいいのが特徴です。「ドラクエウォーク」の発売時にはたくさんのツイートがされましたし、「艦これ」もよくファンの方たちがTwitterで盛り上がっていますね。 大人気の漫画・アニメの「鬼滅の刃」もあります。それらの文脈にうまく乗せた投稿ができるといいでしょう。
最後に
本記事の内容は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルでも配信しています。 同チャンネルではSNSマーケティングの基本から、世の中で話題のケーススタディを取り上げて分かりやすく解説しています。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします!この記事を書いた人:重枝義樹
