企業のSNSサブアカウントの上手な作り方、使い分け方【書き起こし】
2020/10/02
どうも、ガイアックスの重枝です。今日のテーマはサブアカウントの運営方法についてです。
企業のSNSサブアカウントの上手な作り方、使い分け方について具体例を挙げながら、お話させていただきます。
※本記事は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルで配信した内容を書き起こしてまとめたものです。
1. サブアカウントの使い方
ブランドや会社ごとの客層・ターゲットは同じであることが多いので、基本的は企業の公式アカウントは一つがいいです。
とはいえ、一つの会社が複数のターゲットを内包していることもありますし、発信する情報によっては混ざり合うと不都合が起きる場合もあります。
そうなるとターゲットごとに別々のアカウントがあった方がいいでしょう。
上手な使い方事例① JAL
メインアカウントとサブアカウントの上手な使い分け方として真っ先に思い浮かぶのは、JALです。
メインの公式Twitterアカウント「JAPAN AIRLINES【JAL】」(http://twitter.com/JAL_Official_jp)は、JALの事業や働いている人々の紹介など、さまざまな情報が展開されています。
どのような会社なのかがよく分かるアカウントです。
そして、JALは公式アカウント以外に「JAL 運航情報【公式】」(http://twitter.com/JAL_flight_info)というサブアカウントも持っています。
こちらは21万7,000人とたくさんのフォロワーがおり、その日の航空便の変更点や天候の影響、運航状況について発信しています。
JAL運航情報はすでにJALの航空券を買ったお客様が対象で、運行情報のこまめな発信により利用客にベネフィットを提供しています。
対してJALの公式はまだJALを利用したことがない人も含め一般の人々が対象、あるいは採用を目的とした部分もあるかもしれません。
JAL運航情報はCRM的に顧客満足度を向上させていくこと、JAL公式は好感度を広く一般的に作ることを目的とし、それぞれ運用されています。このような場合は公式が2つあってもまったく問題ありません。
上手な使い方事例② ファミリーマート
そのほかの例として「おとなファミマ」(http://twitter.com/otonafamima)という、今年できたファミリーマートのアカウントがあります。
普通のファミリーマート公式アカウントもありますが、そちらはコンビニで販売している商品の紹介やキャンペーンを宣伝しています。
それに対しておとなファミマは、20歳以上のユーザーに向けて情報を届けるコンセプト。フォローは20歳以上の方限定と書いており、具体的には「こんなおつまみがファミリーマートには売っています」という情報を流しています。
例えば、こちらの商品はお母さん食堂のコーナーにあるそうですが、『ちょい飲みのお供に 「たこのバジルマリネ」』といったワインに合う商品の投稿や、『「ころじゃが(うす塩味)」はお試しいただけましたか?(中略)どんなお酒にも合いますよ~』というような投稿を行い、おつまみを紹介しています。
ちょい飲みのお供に🍷🌟
「たこのバジルマリネ」
バジル・ワインビネガー・バルサミコ酢の味わいがワインに良く合うマリネです✨🐙#お母さん食堂 コーナーで探してみてください♪#ファミマで乾杯 pic.twitter.com/T9BZ26u0xj
— おとなファミマ (@OtonaFamima) August 15, 2020
今日は #華金🌟ですね♪
みなさん、もう「ころじゃが(うす塩味)」はお試しいただけましたか?✨🥔
しっとりとした食感で、じゃがいもの自然な甘みと美味しさを感じられます。
うす塩味なので、どんなお酒にも合いますよ〜🥰#ファミマで乾杯 pic.twitter.com/0JSYTzjZjO
— おとなファミマ (@OtonaFamima) August 14, 2020
あくまで外から見た印象ですが、おとなファミマは、最近の家飲み・ちょい飲み需要の高まりに応えています。
こういう投稿をファミリーマートの公式アカウントに載せるとターゲットがズレる可能性があり、一部のユーザーには届くものの、そのほかのユーザーには届きにくい。
そこで、おとなファミマという家飲み・ちょい飲み需要に応えるアカウントを特別に立ち上げ、ターゲットのニーズに応えているのではないかと思います。
上手な使い方事例③ 外務省
そのほかには「外務省」(https://twitter.com/MofaJapan_jp)の事例が挙げられます。外務省はプロジェクトや部署ごとにTwitterアカウントをたくさん持っているのですが、その中でも特別なコンセプトのアカウントがあります。
それが「外務省やわらかツイート」(https://twitter.com/MofaJapan_ITPR)です。
外務省は官公庁ですのでツイートが堅く、政治的な印象になりやすい。
ところが外務省やわらかツイートは平仮名を多く使い、世界各国のいろいろな情報を分かりやすく、子どもでも読みやすく伝えています。
ゆえに、政治に関心のない人や大人でも楽しめるツイートとなっています。
例えば、「6月16日は#和菓子の日 日本人にとっては身近な#和菓子 近年、ヨーロッパをはじめ海外へ和菓子を紹介する活動が行われています 世界中で#WAGASHIが多くの人に楽しんでもらえたら素敵ですね」こういったライトで分かりやすい、それなりに価値のある外交情報を流しています。
🗓【#今日は何の日?】🍡
6月16日は #和菓子の日🍧
日本人にとっては身近な #和菓子🎑
近年、ヨーロッパをはじめ海外へ和菓子を紹介する活動が行われています🌍
世界中で #WAGASHI🇯🇵が多くの人に楽しんでもらえたら素敵ですね😊#コロナに負けるな#デジタル世界旅行 pic.twitter.com/jR6gjjPOFo
— 外務省やわらかツイート (@MofaJapan_ITPR) June 16, 2020
ある時は、夏休みチャレンジのような形で写真を投稿し、「今日も東京は暑いですね 冬のタジキスタン 雪山の涼しげ(?)な写真をどうぞ」とタジキスタンの雪山の写真を上げていました。
今日も東京は暑いですね💦
冬のタジキスタン🇹🇯
雪山の涼しげ(?)な写真をどうぞ😆❄️ pic.twitter.com/qTEws4KzuG
— 中央アジアとゆかいな仲間たち (@CentralAsiaplsJ) August 13, 2020
このように親しみやすく、いろいろな国への関心をライトに喚起させる情報を流しています。
外務省やわらかツイートは、一般的な外務省の真面目で大人向けの固い外交情報とは違います。
より外国に親しみを持ちやすく、民間外交を頑張ってみようかと思わせるツイートや、国民の理解が得られやすいように外務省の仕事内容を分かりやすくツイートしています。
今回はターゲットごとにコンテンツを出し分けるために、サブアカウントを作ることは有効であるというお話をさせていただきました。
2. 最後に
本記事の内容は「ガイアックス ソーシャルメディアラボ」の公式YouTubeチャンネルでも配信しています。
同チャンネルではSNSマーケティングの基本から、世の中で話題のケーススタディを取り上げて分かりやすく解説しています。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします!
この記事を書いた人:重枝義樹