Instagramのリール(Reels)とは?投稿との違いやメリットと企業の活用事例11選
2022/03/14

- ■目次
- Instagram Reels(リール)とは
- リールを活用するメリット
- 効果的なリール動画を作成するためのポイント
- リール動画の作り方/投稿方法
- 【業界別】Instagramリールを活用している企業事例11選
- まとめ
1. Instagram Reels(リール)とは

引用:https://business.instagram.com/blog/announcing-instagram-reels
Instagram Reels(リール)は、短尺動画形式のコンテンツを作成・投稿できる機能です。 リールの特徴の一つは、充実した編集機能です。動画に付けられる音源、好きな長さになるよう調整できるタイマー、ARカメラエフェクト、位置合わせといった機能があり、画像だけよりもインパクトのあるコンテンツを簡単に作ることができます。 リミックス機能を使えば、ほかのユーザーが投稿したリールとコラボも可能。ただし投稿者がリミックスを許可している場合に限ります。 投稿できる動画の長さは60秒まで。ただし、15分以内の動画はリールとして投稿されるようにテストが行われているため、今後は長さが伸びる可能性もあります。リールが表示される場所
リールが表示される場所は、以下の4つです。- フィード
- リールタブ
- 発見タブ
- プロフィールのリール欄 ※通常投稿一覧にも表示可能

リールとストーリーズ/InstagramライブやIGTV動画の違い
リールに近い投稿形式として、「Instagramストーリーズ」や「Instagram動画(ライブ/IGTV)」があります。どれも縦型で全画面に表示される投稿形式であることは共通です。 異なる点は以下です。 ・24時間で消えるか否か Instagramストーリーズのみ24時間で消えます。 ・フォロワー以外のユーザーに届きやすいか 公開アカウントであればリールはリールタブ、発見タブなどにも表示され、フォロワー以外にも届きやすい機能です。Instagramストーリーズはおもにフォロワー、それ以外ではたまたまプロフィールを見に来た人などにしか閲覧されません。InstagramライブやIGTVも拡散性は特になく、フォロワー以外には届きにくい機能です。 ・静止画を投稿できるか Instagramストーリーズ、リールは静止画のみも投稿可能です。 ・投稿できる動画の長さ リール:1~60秒 Instagramストーリーズ:1投稿につき15秒、最大60秒まで ※60秒の動画は15秒ずつ分割されて表示 Instagramライブ:最大4時間まで IGTV:1~60分 ・その他 リールは動画の作成、編集機能が充実しており、Instagram内で用意されている音源も利用可能です。また、Instagramストーリーズには誰が閲覧したか分かる機能(足あと機能)がありますが、リールにはそういった機能はありません。InstagramのリールとTikTokの違い
縦型短尺動画といえば、TikTokの印象がある人も多いでしょう。では、TikTokとリールにはどんな違いがあるのでしょうか。 ・キャプションに書ける文言の量 キャプションに記載できる文字量に違いがあり、リールのほうが圧倒的に上限文字数が多いです。 リール:最長2,200字 TikTok:最長150字 ・掲載される場所のバリエーションと選択度合い TikTokの掲載場所は、フォロワーのフィードまたは「おすすめ」フィードのみで選択肢があまりありません。対してリールは掲載場所のバリエーションがやや広く、「フォロワーのフィードには投稿しない」といった選択も可能です。 ・インフルエンサーマーケティング実施に当たってのプラットフォーム側の整備 TikTok、リールともにインフルエンサーを活用したPR投稿が盛んです。 Instagramはクリエイターとコラボレーションした投稿に「XXX(ブランド名)とのタイアップ投稿(英語ではPaid partnership with XXX)」と表示でき、より透明性の高いインフルエンサーマーケティングを行えます。それらの投稿の広告配信や、その広告の効果測定なども可能です。 一方TikTokは、コラボレーションした投稿のキャプションに「#pr」と記載するのみ。広告活用した場合も、インフルエンサーアカウントからの投稿は効果測定などが難しくなります。 関連記事:Instagramのブランドコンテンツ広告とは? 気になるメリットや出稿方法を解説 ・ユーザーの利用目的 利用目的の傾向にも違いがあります。リール、TikTokともに最も多い利用目的は暇つぶしなものの、その割合はリールでは64%、TikTokでは82%となっており、よりTikTokのほうが暇つぶし目的で使われていることがわかります。 また、第2位の利用目的として、リールは「トレンドリサ―チ」が入りますが、TikTokは「推し(アイドルなど)の更新チェック」が入っています。 こういった利用目的の違いがあるため、求められるコンテンツにも若干の違いがでてくるでしょう。

画像引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000163.000026329.html
・バイラルの度合い 明確なデータなどはありませんが、TikTokのほうが話題になったときの爆発力があり、「TikTok売れ」などの現象も見られます。リールではこの傾向はあまり見られません。 なぜこの違いが生まれるか説明は難しいものの、TikTokのほうが一つの曲や動画のフォーマットをほかのユーザーが「真似して投稿する(≒ミーム化)」ケースが多く発生する傾向がみられます。結果としてそれがブームになり、場合によっては購買行動に大きな影響を与えている可能性が高いでしょう。リールにもミームの活用はありますが、TikTokほど盛んではありません。 また、TikTokのほうがおすすめフィードを見ている人が多く、掲載された場合の再生回数の伸び率も顕著になります。結果としてより多くの新規層にアプローチでき、普段とは異なる購買層に届きやすいのかもしれません。2. リールを活用するメリット
特に企業がリールを活用するメリットとして、以下が挙げられます。- フォロワー以外への新規リーチが見込める
- 没入感の高い動画フォーマットを活用できる
- アカウントへの評価向上が見込める可能性も
①フォロワー以外への新規リーチが見込める
Instagramは基本的にフォロワー以外へ投稿が届きにくいSNSです。新規ユーザーに見つけてもらえる経路は、Instagram内では発見タブ、もしくはハッシュタグ検索程度でどちらも比較的ハードルが高い経路でした。 その中でリールタブは独立しており、かつフォローしていないユーザーの投稿を見ることに視聴側の抵抗感がありません。 もちろんリールは発見タブにも掲載されるため、その経路でも新規アプローチが可能。新規ユーザーに自身のアカウントを見てもらえるチャンスを増やせます。②没入感の高い動画フォーマットを活用できる
縦型短尺動画は、デジタルネイティブ世代に支持されているコンテンツフォーマットです。TikTokの流行により、この傾向はさらに顕著になっています。 TikTok、リールなどに加え、近年はYouTubeショートも誕生。こういった盛り上がりを考えると、今後さらに縦型短尺動画の利活用は進んでいくでしょう。 リールのような縦型全画面の動画で表現を磨くことで、ミレニアル世代、Z世代などに刺さるブランド表現ができるようになります。③アルゴリズムの観点で、アカウントへの評価向上が見込める可能性も
Instagramの公式サイトには、「リールを含めたさまざまな投稿形式を活用することで、アカウントの成長が見込める」と明記されています。 必ずしも、リール動画を投稿するだけでアルゴリズム上のアカウント評価が上がるわけではないでしょうが、さまざまな投稿形式の活用はブランドを多様な角度から伝えるのに役立ちます。また、各投稿形式に合わせて表現されたコンテンツを提供すれば、ユーザーからの評価も得られるはずです。結果としてアカウントが評価され、アルゴリズム上も有利に働くと考えられます。3. 効果的なリール動画を作成するためのポイント
そもそも短い動画が多いリールですが、「興味がない」と判断されたらほんの1~2秒と待たずにスワイプされてしまうもので、15秒などフルで見てもらうのは簡単ではありません。ユーザーに「見てもらえる」リール動画を作るためのポイントを3つご紹介します。- 冒頭の2で引きになるポイントを作る
- 人気の音源を使う
- リサーチ目的を満たせる情報量
①冒頭の2で引きになるポイントを作る
動画開始1~2秒でユーザーの興味・関心を引き付けるポイントを作りましょう。例えば動画内容を表すタイトルを付けたり、テロップで簡単な説明を入れるのがおすすめです。動画自体も、複数のカットを使うなど最初に動きがあるといいでしょう。②人気の音源を使う
リールは動画で使用された音源から、同じ音源を使ったほかの投稿を探しに行ける機能があります。人気の音源を使った動画であれば、その音源から動画を探しているユーザーに閲覧されやすくなるでしょう。③リサーチ目的を満たせる情報量
トレンドや、欲しい商品に関する情報のリサーチ目的でも使われているリール。企業アカウントであれば、このニーズを満たす動画を出していくのも有効な活用法になると考えられます。 この狙いでリールを作成する場合、動画の長さは30秒程度、動画の早い段階で商品を登場させ、テロップなどで情報量を担保しながら紹介していくといいでしょう。4.リール動画の作り方/投稿方法
以降では、実際にリール動画を作成したり、投稿したりする手順を解説します。①作成済みの動画をアップロードする
企業の公式アカウントであれば、予め動画を作成した上でリールなどに投稿することが多いでしょう。まずはその方法を紹介します。 手順1:上部メニューの投稿作成マークから「リール」を選択、もしくはプロフィール画面のストーリーズアイコンをタップして画面下から「リール」を選びます。




注意点
カメラロールに保存されている動画よりも、リールのさまざまな編集機能を使用した動画や、音源に合わせて作成した動画のほうが、アルゴリズム上高評価される傾向があります。 特にTikTokなどほかのプラットフォームで作成・投稿した動画をダウンロードし、リールにアップロードする場合は注意が必要です。別サービスのウォーターマーク(透かし・ロゴなど)が入っていると、動画の評価が下がってしまいます。 作成済みの動画をアップロードする場合でも、音声の加工やキャプションの追加はInstagram上で行うなどの工夫をしてみるといいでしょう。2. リール作成画面から動画を作成する
手順1:リール作成画面を開いたら、動画を撮影する前に、画面左部に表示されている各編集項目の設定を行います。



5. 【業界別】Instagramリールを活用している企業事例11選
事例1:SHISEIDO(美容)

https://www.instagram.com/shiseido/
日本発の化粧品メーカーとしてグローバルに展開するSHISEIDOの公式アカウントは、フォロワー数約133万、投稿のメインは多数あるブランドの商品紹介です。 リールの平均再生回数は約5万回。商品の実演動画が多く、ユーザーは商品の使用前後で印象が大きく変化するモデルの姿を確認できます。動画に付いているショッピングタブを思わずタップしたくなる、動画クリエイティブを作成しています。
事例2:Maybelline New York(美容)

https://www.instagram.com/maybelline/
コスメブランドMaybelline New Yorkはフォロワー数約1,118万、リールの平均再生回数は約30万回です。 投稿はSHISEIDOと同じく商品の使用感を紹介する動画が多いものの、モデルの表情や動画内の見出しは、より親近感が湧くクリエイティブになっています。また、商品のみを映したCMのような投稿も頻繁にアップしています。
事例3:Mr. CHEESECAKE(飲食)

https://www.instagram.com/mr.cheesecake.tokyo/
チーズケーキをオンライン販売するMr. CHEESECAKEはフォロワー数約15万8,000人、リールの平均再生回数は約3万回です。内容は焼き途中のチーズケーキの様子や焼き上がりのふるふるとした状態のように、動画でこそ分かりやすいコンテンツが投稿されています。 また、コーヒーを入れた後にチーズケーキにスプーンを入れる動画のような、ユーザーが実際に商品を食べる場面を想起させるものもあります。
事例4:松屋フーズ(飲食)

https://www.instagram.com/matsuya_foods/
牛丼チェーンの松屋を運営する松屋フーズのフォロワー数は約3万人、リールの平均再生回数は約5万回です。ちょっと笑ってしまうような独自のセンスがある投稿が中心です。松屋のロゴ入りネイルや靴、ピアスなどの作品を紹介するなど、ユーザーの意表を突くおもしろい動画を投稿しています。
事例5:ユナイテッド航空(航空)

https://www.instagram.com/united/
アメリカ、シカゴを本拠地とするユナイテッド航空のフォロワー数は85万以上です。リールの平均再生回数は約10万回。投稿では飛行機や機内サービスの様子などを紹介しています。最近は音楽に合わせて機内照明の色を変える動画や、ジョークを交えたおもしろい投稿も行っています。
事例6:フィンエアー(航空)

https://www.instagram.com/feelfinnair/
フィンランドのフラッグキャリアであるフィンエアーのフォロワー数は22万5,000人、リールの平均再生回数は約8万回です。投稿では同社のサービス全体をさまざまな切り口で紹介。機内食の調理過程やフライトアテンダントの制服の歴史など、普段はなかなか知ることのできない内容を投稿しています。
事例7: UNITED ARROWS グリーンレーベルリラクシング(ファッション)

https://www.instagram.com/ua_greenlabel/
UNITED ARROWS グリーンレーベルリラクシングは、ビジネス・カジュアルウェア、生活雑貨などを展開するアパレルブランドです。フォロワー数は約19万6,000人、投稿内容は新作アイテムの紹介がメインです。
事例8:fifth(ファッション)

https://www.instagram.com/fifth_store/
ファッション通販サイト、fifthの公式アカウントです。フォロワー数は約96万人、リールの平均再生回数は約30万回です。投稿はアイテム紹介が中心ですが、系統別のコーディネートや同じアイテムを色や身長で着比べた動画など、独自の切り口でユーザーに役立つ情報を提供しています。
事例9:studio CLIP official(ファッション)

https://www.instagram.com/studioclip/
ショッピングモールやファッションビルを中心に180店舗以上を運営するアパレルブランドstudio CLIP(スタディオクリップ)のアカウントのフォロワー数は約29万人です。 リールの平均再生回数は約6万回、投稿はアイテム紹介と着回し動画が中心です。コラボレーションアイテムや、デニムとカラーの合わせ方などユーザーが気になる情報を伝えています。
事例10:千葉ロッテマリーンズ(スポーツ)

https://www.instagram.com/chibalotte/
プロ野球球団千葉ロッテマリーンズのアカウントはフォロワー数17万5,000人で、画像投稿ではその日の試合のスターティングメンバーや、試合中の選手の表情を紹介しています。
事例11:FC東京バレーボールチーム(スポーツ)

https://www.instagram.com/fctokyo.volleyball/
FC東京Volleyball Playersのアカウント。フォロワー数は1万2,000人で、選手紹介や試合風景のほかにフォロワーアンケートの結果や試合前のチームの様子なども投稿しています。 リールの平均再生回数は約2万回。主に練習風景をアップしています。
6. まとめ
