「Buzzfeed」や「NowThis」……海外でイケてる分散型メディアのPVに代わる効果測定指標とは何か

2016/02/24

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これまで、企業がメディアを通してコンテンツを発信し集客する場合、SEOの改善や広告運用をすることで、自社メディアへの集客を図っていました。


しかし昨今、話題の分散型メディアと言われる形態においては、自社メディアへの集客に重点を置くのではなく、ソーシャルメディアや各サービス上にコンテンツを配信することで、多くのユーザーを獲得しています。


そんな分散型メディアでは、従来のメディアが大事にしていたPV獲得を効果測定指標とするのではなく、別の効果測定指標を編み出し、運営に務めています。


では、別の効果測定指標とは何なのか。海外で最前線を走るメディアの事例を取り上げ、どういった指標を元に運営されているのか紹介していきます。


    ■目次


    1.Buzzfeedが大事にする「Content Views」とは


    2.なぜ「PV」から「Content Views」なのか


    3.Buzzfeed以外のメディアではどうなのか


    4.まとめ


■1.Buzzfeedが大事にする「Content Views」とは


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2016年1月に日本版が開設され、世界11ヵ国で30以上ものプラットフォームを駆使し、コンテンツ配信をすることで月間のユーザー数を2億人も囲っているBuzzfeed


そのBuzzfeedでは、動物の写真やジョーク、まとめ記事にクイズとポップなものだけではなく、世界情勢や政治、経済など幅広いコンテンツを届けることで多くのユーザーの獲得に成功しました。


様々な種類のコンテンツを、様々なプラットフォームを通してユーザーに届ける上で、同社は従来のメディアで重視していたPage Views(ページビュー)という指標を用いず、Content Views(コンテンツビュー)という指標を活用し、効果測定をしています。


Content Viewsでは、自社のサイトでのコンテンツ視聴に限らず、他のプラットフォームを通して視聴されたコンテンツのビュー数を指しています。


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(参考:http://www.buzzfeed.com/daozers/how-buzzfeed-thinks-about-data-and-some-charts-too#.omm8pLYll


例えば動画においては、YouTubeやFacebook、InstagramやTwitter、Snapchatでの再生回数となります。しかし、それぞれのプラットフォームにより、アップロードできる動画の尺が違うため、アップロードした動画の尺に対してどれくらいの視聴時間だったのかを確認し、Content Viewsとして算出しています。


動画と同じように画像ではFacebookやInstagram、Twitter、Snapchatでのクリック回数などがContent Viewsとして計算されているのです。


■2.なぜ「PV」から「Content Views」なのか


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(参考:http://www.buzzfeed.com/daozers/how-buzzfeed-thinks-about-data-and-some-charts-too#.omm8pLYll



従来のメディアでは自社のサイトに集客をし、そのサイト上でどれくらい見られたのかを図る「PV」を重要視していましたが、Buzzfeedなどの分散型メディアにおいては自社サイトに集客することは重要視されておりません。


というのも、Buzzfeedでは「読者に来てもらうのではなく、読者がいる場所に我々のコンテンツを届ける」という考えを重視し、運営されているからです。


そのため、効果計測する上では、コンテンツが置かれる場所で算出される数字ではなく、純粋なコンテンツの視聴数である「Content Views」という指標に行き着いたのです。


その効果測定指標のを軸に運営した結果、BuzzfeedのGoogleからの検索流入は全体の2%となっており、従来の多くのメディア運営のものとは真逆を行く数値を出しています。


また、ビジネスモデルにおいても従来との違いがあり、これまでは無料会員から有料会員にする課金型の収益モデルや自社サイトのバナー広告やアドネットワークのクリック数から収益を上げる流れでした。


しかしBuzzfeedでは課金型を志向せず、ネイティブ広告を主要な収入源とすることから、とにかく数を稼ぎ、広告で儲けるという発想で運営されています。


そうした状況からPVを指標にするのではなく、Content Viewsを指標に運営するようになりました。


■3.Buzzfeed以外のメディアではどうなのか


これまでBuzzfeedにおける効果測定指標をご紹介してきましたが、他の分散型メディアではどういった指標を元に運営しているのでしょうか。


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Buzzfeedに並び、勢いのあるメディアとして2012年に「CNNキラー」をうたい、30人ばかりのメンバーから運営されている「NowThis」があります。


NowThisでは、動画ニュースに注力しており、「無音でも内容が理解でき、効果的な字幕をつくる」など、スマホ&ソーシャルメディア時代に適した動画コンテンツを配信し、月間2億回もの再生回数を獲得しています。


また、同メディアの特徴として、従来のメディアのように「スポーツ」や「天気」などのカテゴリによって担当者が就くのではなく、「Instagram」や「Facebook」などのソーシャルメディアごとに担当者が就き、運営されています。


そんなNowThisにおける効果測定指標は、Buzzfeedと同じくPVではなくContent Viewsと近しい考え方で運営されています。


その理由としてNowThisでは、「プラットフォームごとに、そこにいる読者の興味に合わせたコンテンツを出す」ことを編集方針としており、1つのコンテンツを制作しても全てのプラットフォームに配信するわけではなく、それぞれのプラットフォームに滞留するユーザー属性に合わせて出し分けているのです。


そのため、NowThisでは自社サイトを持たず、全てのコンテンツを各プラットフォームに配信することで、運営されています。


■4.まとめ


これまでPVを稼ぐことを指標としていたメディアでは、「ページング」や「もっと見るボタン」など、様々な施策を講じて数値を伸ばしてきました。


しかし、昨今ではWeb上にコンテンツが溢れかえるようになり、ユーザーがコンテンツを取捨選択できなくなりつつある今、メディアはPVという見かけ上の数値を追いかけるのではなく、しっかりユーザーに対して最適な形でコンテンツを届け、視聴してもらうContent Viewsといった指標に目を向けていく必要があるのではないでしょうか。


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